現在、トーキョーワンダーサイト渋谷で開催されている『都市のディオラマ:Between Site & Space』は、トーキョーワンダーサイトとシドニーのARTSPACE Visual Arts Centreが連携し、展覧会の交換だけでなく、現地での滞在制作というプロセスの交換も試みた実験的なプロジェクトだ。我々には見えない東京の日常や街を映し出したオーストラリア人作家3名と、様々な手法によって見る者に特別な感情を抱かせる日本人作家3組、計6組の若手作家たちが参加した会場には、静かでカオティックな空間(=都市)が存在していた。
Report:大前敬文

パラモデル『パラモデリック・グラフィティ』(2008)


パラモデル『無限会社パラモデルパイプライン』(2008)会場に入り、まず驚かされるのが日本人ユニット、パラモデルのインスタレーション。壁や天井にまで張り巡らされた模型レールは、エントランスや会場の外にまで続いている。他にも、発砲スチロールで作られた「山」やミニカーがあちこちに置かれ、まるでパラモデルが作り上げた街のようだ。2階部分には、無数のパイプが複雑に入り組んだ『無限会社パラモデルパイプライン』が設置されている。


ゲイル・プリースト『28 Songs for a City:Tokyo』(2008)パラモデルの構築した街の隅にあるのはオーストラリアのサウンドアーティスト、ゲイル・プリーストのサウンド・インスタレーション。都内28ヶ所の路上でサンプリングした環境音は、夏の日の蝉しぐれが心地良いノイズに生まれ変わっている。また、会場内で時折流れるサウンドも、彼女が世界各地で録音した環境音から作成したものだ。



鈴木ヒラク(左)『Night Mask』(2008)、(右)『GENGA』(2004-2008)合計約1000点にも上るドローイング、反射板を用いて制作されたオブジェなどを展示するのは、国内外を問わず、精力的な活動を展開している鈴木ヒラクだ。彼の描く線やモチーフは、無機物のようにも有機物のようにも見える。他のアーティストと共有する空間の中で、一際異彩を放っていた。


(上)アレックス・ガヴロンスキ『Eye Wall One』(2008)、(下)ティム・シルバー『Untitled(shooting tadpoles at the moon』(2008)東京の街中に氾濫するキャラクターの「瞳」に焦点を当てたアレックス・ガヴロンスキの『Eye Wall One』(写真上)。そして、ティム・シルバーによる日本のホラー映画にオマージュを捧げたビデオ・インスタレーション(写真下)。日本人では思いつかない独自の視点で映し出された、滞在制作だからこそ生まれた作品だ。


エキソニモ『DEF-RAG』(2008)会場の1番奥には日本人ユニット、エキソニモの作品が展示されている。電化製品の廃材などで作られた装置が鳴り響き、その脇にある液晶画面には、設置されたカメラで来場者を撮影した映像がカットアップされ、映し出される。「時間」という言葉が頭の中を思い巡るようなインスタレーションだ。

Exhibition Information
『都市のディオラマ:Between Site & Space』
Sep 13 2008 - Oct 13 2008 at トーキョーワンダーサイト渋谷












