剥製、ぬいぐるみ、布、糸など身近な素材を用いて、「生」と「死」、「ユーモア」と「恐怖」などの相反する要素を共存させた作品で知られるアネット・メサジェ。2005年にヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞するなど、国際的な活動を展開するこのフランス人アーティストによる日本初の個展『ANNETTE MESSAGER:The Messengers』が、森美術館で開催中だ。世界的に注目を集めるアーティストの作品を1度に見ることのできるまたとない機会だ。
Report:原田優輝


エントランスに入ってまず現れるのは、剥製とぬいぐるみが組み合わされたオブジェが天井から吊るされた作品『彼らと私たち、私たちと彼ら』(写真上)。その脇の壁面に開けられた穴から部屋の中を覗き込むと、作家の私的体験が反映された異様な空間インスタレーション『コレクターの秘密の部屋』(写真下)が展開されている。





人間の身体の一部を思わせるものや横たわる牛など、様々な布製のオブジェが、機械によってつり上げられたり、引きずられたりする大規模なインスタレーション『つながったり分かれたり』。狂牛病が発生し、多数の牛が死んだ当時の出来事に触発されて生まれたこの作品には、「生」と「死」、「動物」と「人間」などの関係性が示唆されている。




ホラー映画に登場しそうなキャラクターが壁に直接描かれた『キマイラ』。モノクロ写真にペインティングが施された作品で、絵、写真、映画といった異なるメディアのミックスを試みている。

Exhibition Information
『ANNETTE MESSAGER:The Messengers』
Aug 9 2008 - Nov 3 2008 at 森美術館
Artist Profile
アネット・メサジェ
1970年代から、絵画、写真、言葉とともに、剥製、ぬいぐるみ、布、刺繍、糸、編み物など身近な素材を用いて、既存のスタイルにとらわれない斬新な作品を発表し、聖と俗、ユーモアと恐怖、愛と悲しみ、男性と女性、生と死など、人間の相反する複雑な内面を表現してきたフランス人アーティスト。2005年、第51回ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した。












