現代美術界における最も重要な賞のひとつに数えられているターナー賞。その20年余に渡る歴史を振り返る展覧会が森美術館で開催中だ。ターナー賞が創設された80年代の大きな潮流だったニュー・ブリティッシュ・スカルプチャーの作家たちや、90年代にカルチャーシーンを巻き込んだヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)たち、そしてアート界の最先端を走る新進アーティストらの作品が一堂に会し、同賞の歴史のみならず、80年代以降のファインアートの流れを俯瞰することができる興味深い展示になっている。
Report:原田優輝


トニー・クラッグ『テリス・ノヴァリス』(1992) 豊田市美術館

(左奥)トニー・クラッグ『ウェディング』(1992) ギャラリーHAM, 愛知、(手前)リチャード・ディーコン『私を食べて』(1998) 東京都現代美術館

ギルバート&ジョージ『デス・アフター・ライフ』(1984) 大阪市近代美術館建設準備室
エントランスを入ると、年代順にターナー賞受賞作が展示されている。80年代エリアでは、ニュー・ブリティッシュ・スカルプチャーの流れに位置付けられる立体作品が大半を占めていた。


デミアン・ハースト『母と子、分断されて』(1993 / 2007) Tate. Presented by the Artist, 2008

(左)クリス・オフィリ『ノー・ウーマン、ノー・クライ』(1998) Tate Purchased 1999、(右)クリス・オフィリ『二重のキャプテン・シットと黒人スターの伝説』(1997) Purchased with Assistance from Evelyn, Lady Downshire’s Trust Fund 1997

ジリアン・ウェアリング『60分間の沈黙』(1996) Arts Council Collection, Southbank Centre, London Courtesy Maureen Paley, London
YBAの旗手デミアン・ハーストの“あの”作品や、クリス・オフィリなど日本でもファンの多い作家の作品も数多く見受けられる。


キース・タイソン 展示風景

サイモン・スターリング『5人乗りのペダーセン(プロトタイプNo.1)』(2003) Tate. Purchased 2004

ヴォルフガング・ティルマンス 展示風景
ドイツ人写真家ヴォルフガング・ティルマンスや、陶芸という伝統的なアプローチを用いるグレイソン・ペリーなど、2000年以降の受賞作品からはますます多様化を極めるアート界の動向が見て取れる。

Exhibition Information
『英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展』
Apr 25 2008 - Jul 13 2008 at MORI ART MUSEUM
出品アーティスト:マルコム・モーリー, ハワード・ホジキン, ギルバート&ジョージ, リチャード・ディーコン, トニー・クラッグ, アニッシュ・カプーア, グレンヴィル・デイヴィー, レイチェル・ホワイトリード, アントニー・ゴームリー, デミアン・ハースト, ダグラス・ゴードン, ジリアン・ウェアリング, クリス・オフィリ, スティーブ・マックイーン, ヴォルフガング・ティルマンス, マーティン・クリード, キース・タイソン, グレイソン・ペリー, ジェレミー・デラー, サイモン・スターリング, トマ・アブツ, マーク・ウォリンジャー












