ドローイングの上に重ねられた糸。額縁を大きくはみ出して垂れ下がる糸。
これまでに「糸」を使った作品を数多く発表してきたアーティスト姉川たくの作品は、「2次元以上3次元未満」とも言える絶妙なバランス感覚の上に成り立っている。
3月に大幅リニューアルされ、装いも新たになった渋谷NANZUKA UNDERGROUNDで開催中の個展『秘密の寓話』は、ドローイングと刺繍のコンビネーションという新たな表現にチャレンジした意欲的な展示となっていた。
Report:長汐祐人
大幅にリニューアルされたNANZUKA UNDERGROUND。真っ白な展示スペースに、無数のカラフルな糸が垂れ下がる。


額縁を大きくはみ出して垂れ下がる無数の糸。糸は平面を飛び出し、ドローイングを2次元以上の存在へと変化させている。
心臓がモチーフとなっている作品。流れる血液のアニメーションを始め、骨や内臓など、人体に関わるモチーフを取り入れた様々な映像が、プロジェクターを用いて、キャンバス中心部に投影されていた。

会場で最も目を引く巨大な立体作品。肋骨から垂れ下がる臓物は地面にまで達している。糸で表現された臓物は、かわいらしくもあり、また逆にグロテスクに見えたりもする。

Exhibition Information
『秘密の寓話』
Apr 12 2008 - May 11 2008 at NANZUKA UNDERGROUND
Artist Profile
姉川たく
1970年兵庫県出身。大学時代、テキスタイルを専攻しながらも、映像やパフォーマンス活動に力を入れ始める。卒業後、インテリアデザインの会社でプランニングからアートディレクションまで担当していたが、その他に自ら社内で部署を作り、デジタルコンテンツ業務を開始。この頃手掛けた作品は、エンターテインメント性の高い新たな視点が評価され、幾つもの賞を獲得、一躍話題になる。1999年に独立し上京。テレビメディアからゲームコンテンツ、 アニメーション等で活動。併行してグラフィックデザインも手掛けていた。 その後2001年に法人化し、デザイン会社の代表となる。 多岐に渡る経験値がグラフィックとしてバランスを取るのではなく、表現活動として全ての経験的欲望を吐露したオリジナル作風を2004年頃 から展開。新たな表現活動として刺繍+シルクスクリーンを用いて展示活動をスタート。刺繍という概念ではなく、あくまで糸としての存在に着目し、 作品を構築する活動は、法人ではなく、個人として歩み出した新たな エンターテインメントでもあり、コミュニケーションとしても国内外多くのメディアから賞賛される。












