ヨーロッパを代表する映像作家の一人、ピピロッティ・リストによる個展『ピピロッティ リスト: からから』が、原美術館で開催中だ。リストにとって日本の美術館における初個展となる本展では、かつて個人宅であった原美術館のロケーションを念頭に置き、“家”を意識したインスタレーションが展開されている。これまでに様々な手法や形態で、映像の可能性を押し広げてきた彼女の現在を知ることができる絶好の機会だけに、ぜひ足を運んでみて欲しい。
Report:原田優輝
Exhibition Photo:Hirotaka Yonekura
Ever Is Over All, 1997, audio video installation, courtesy of the artist and Hauser & Wirth Zurich London

「星空の下で」オーディオ ビデオ インスタレーション(2007)
エントランスを入ってすぐのスペースでは、映像を床に投影したインスターションが展開されている。部屋の中に入り、足下の映像を見下ろしていると、不思議な浮遊感が得られる作品。

「溶岩の坩堝で我を忘れて」オーディオ ビデオ インスタレーション(1994)
注意深く歩いていないと見逃してしまいそうな1階階段付近の床面には…、(↓)

Selbstlos im Lavabad
床面に開けられた小さな穴にモニターが設置され、溶岩の炎に包まれたリスト自身が映し出されている。

「ダイヤモンドの丘の無垢な林檎の木」ビデオ インスタレーション(2003)
プラスチックや発泡スチロールを木枝に吊るし、その後ろから壁面に向けてプロジェクターで映像を投影したインスタレーション。映像による光を浴び、壁面に映し出されるオブジェの影が美しい。

「部屋」オーディオ ビデオ インスタレーション(1994/2007)
巨大なソファとリモコンなどで構成されるインスタレーション「部屋」。ここでは、巨大リモコンを操りながら、リストの映像作品の数々を見ることができる。

Exhibition Information
『ピピロッティ リスト:からから』
Nov 17 2007 - Feb 11 2008 at Hara Museum of Contemporary Art
Artist Profile
ピピロッティ・リスト
62年スイス生まれ。チューリッヒ在住。ミュージックグループのステージデザイナーなどを経て、80年代後半よりビデオインスタレーションを展開。97年のヴェネチアビエンナーレに出品した「Ever Is Over All」が若手作家優秀賞を受賞し、一躍現代美術会の寵児となった。その後も各国の主要美術館や国際展で作品を発表。日本では、「身体の夢」(99年 / 京都国立近代美術館・東京都現代美術館)や「横浜トリエンナーレ2001」等のグループ展に出品し、CCA北九州(00年)、資生堂ギャラリーにおいて個展(02年)を開催している。










