「Public-image.org」で連載され、更新の度に驚異のアクセスを記録した「WE ARE ECD+1」が、新たに書き下ろしを加え、遂に書籍化された。アーティストとしてではなく、ひとりの男として赤裸々に綴られた本書は、ファンはもちろん、この本で初めてECD一家に触れる人にこそ読んでほしい。
Text:石井幸太

ラッパーとして、小説家として活躍し、熱烈なファンを生み続けるECD。彼が24歳年下の写真家、植本一子との交際、結婚、妊娠、出産までをリアルタイムに綴った人気連載「WE ARE ECD+1」。さらに出産後の娘・くらしが加わった3人での家族生活、妻・一子とのなれ初め話が新たに書き下ろされた本書は、決して華やかなエピソードも、壮大な悲劇もない。ここにあるのは、誰の身にも起こり得る、どこにでも存在する普通の出来事。ただ単に、ECDというひとりの男の、人生の折り返し地点が克明に記録してあるだけなのだ。
しかし、「ありふれた日常」とは、「つまらない日々」という意味ではない。日々、大なり小なりハプニングは起きるし、嬉しいこともあれば、立ち直れなくなる程悲しいこともある。そんな出来事の一つひとつが、あまりにもリアルに書き記され、過酷な現代社会を生きるということの辛辣さを感じさせもするが、それ以上にECDを取り巻く人々の暖かさというものが伝わってくる。
本文の合間に挿入された植本一子の柔らかな光を捉えたスナップ写真は、どれも身近な距離感の中で撮影されており、たとえ、ECDやその友人、産婦人科の先生といった登場人物たちを知らずとも、写真を通して、彼らの人柄やオーラのようなものが伝わってくるせいか、不思議と親近感がわいてくる。また、写真だからこそ表現し得る空気感が、文面上の生活によりリアリティを与えている。
「最も縁遠いと思っていた現実に今自分は身を置いている。しかもまだ、これで終わりというわけではないらしいのだ。」とECDは記している。これからも彼ら一家のささやかな生活を、そっと見守り続けていたい。


Release Information
『ホームシック 生活(2~3人分)』
著者 :ECD
写真 : 植本一子
出版 : フィルムアート社
リリース日 :October 15,2009

Exhibition Information
植本一子 Exhibition 「only you」
会期:2009年11月27日(金)〜 12月13日(日)月曜定休
オープニングレセプション:11月27日(金)19:00-22:00
会場:「PUBLIC/IMAGE.3D」
東京都世田谷区池尻2-32-2 デパール池尻ビル1階
Artist Profile
ECD
1960年生まれ。ラッパー。本名 石田義則。いまや伝説的なHIP HOPイヴェント「さんぴんCAMP」を主催した日本語ヒップホップのオリジネイター。反戦やCCCD反対といった強い問題意識から、サウンド・デモという形でアクティヴィストとしても、若者の信頼が篤い。アルコール中毒になり精神病院に収容されるなどの壮絶な過去がありながら、本人は淡々とそれらの過去を作品に昇華することで乗り越え、現在は警備員をしながら音楽活動と文筆活動に才能を発揮している。雑誌『En Taxi』などに継続的に小説を発表中。著書に、『ECDIARY』(レディメイド・インターナショナル)、『失点イン・ザ・パーク』(太田出版)、『いるべき場所』(メディア総合研究所)、『暮らしの手帖』(扶桑社)。
植本一子
84年広島県生まれ。写真家。02年、高校生の生活フォトコンテスト受賞。03年、日本写真芸術専門学校在学中に、キャノン写真新世紀で、審査員の荒木経惟氏らから賞賛を受け、優秀賞を受賞する。2009年11月よりA/M所属。













いつもお世話になっております。
『ホームシック 生活(2~3人分)』、おかけさまで好評です!
現在発売中の『MySpaceFromJP』誌(http://www.myspace.com/fromjp )にてECDさんのインタビューをさせていただきました。“くらし”に関する興味深い話を聞く事が出来ました。WECD+1読者の皆さんにも是非読んでいただきたいです!
CHECKよろしくお願いしまーす!
告知失礼いたしました。