「僕が随分と長い間聴いてきた中でも最良のレコードだ」
と、ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイクに言わしめたトクマルシューゴの新作が素晴らしい。
Text:原田優輝
国内外から注目を集める気鋭日本人アーティスト、トクマルシューゴが満を持してリリースするサードアルバム『EXIT』は、アコースティックギター、トイピアノ、アコーディオン、ウクレレ、ウッドベース、ノコギリ(!)など、50種類以上の楽器と“非”楽器が導入され、演奏、録音、ミックスまでをすべて自身で手掛けた色彩豊かな作品だ。
電子音を嫌い、ありとあらゆる楽器を演奏/録音し、緻密に計算されたサウンド・プロダクションで聴かせる彼の音楽は、実験精神あふれる“非実験音楽”だ。
マッド・サイエンティスト然とした本人の風貌から察せられるような、小難しい宅録サウンドはここにはなく、あくまでもカラフルでドリーミーな“ポップ・ソング”が鳴らされている。
さらに、8人編成の「トクマルシューゴ&マジックバンド」としてライヴで共演している田中馨(SAKEROCK)、イトケン(Harpy / d.v.d)らをゲストプレイヤーに迎えた厚みのある演奏、今まで以上に強まった「うた」の要素も、本作を最高傑作の名にふさわしい作品にしている由縁だ。
次にどんなサウンドが繰り出されるのかを予想する間もない程のスピードで、思わぬ音が万華鏡のように展開され、聴くたびに新たな発見があるという点では、コーネリアス『FANTASMA』を彷彿とさせる2007年最高のポップ・アルバムだ。

Release Information
『EXIT』
アーティスト名:SHUGO TOKUMARU
レーベル : P-VINE
リリース日 : Oct 19. 2007

Artist Profile
ギター、ノコギリ、弦楽器、打楽器、玩具、ガラクタなどを演奏、録音、編集までを自身ひとりで行うアーティスト。04年、NYのインディレーベルより1stアルバム『Night Piece』をリリース。無名の日本人、日本語歌詞であったにもかかわらず世界中から注文が殺到。『WIRE』誌、『RollingStone』誌、新聞、ラジオ、テレビ、各メディアから数多く絶賛される。05年、2ndアルバム『L.S.T.』を世界数十ヶ国でリリース。各国のアニエス・ベー店舗にて試聴機展開。06年にはヨーロッパツアーも敢行。ノーマン・ブレイク(Teenage Funclub)、アダムピアーズ(Mice Parade)、クリスティン(múm)等からも賞賛を得るなど世界中で熱狂的な人気を誇っている。日本ではイースタンユース、SAKEROCK、キセル、七尾旅人、湯川潮音、二階堂和美、ダモ鈴木(ex.CAN)、54-71、Ogre You Asshole等と共演を重ね、Animal Collective、M.Ward、Jad Fairなど20以上の海外アーティストと共演。マジックバンドと銘打って8人バンド編成でのライブも披露している。










