原作は少女漫画界の重鎮、くらもちふさこの『天然コケッコー』。島根県のド田舎の分校を舞台に、中学生のそよ(夏帆)と転校生の大沢君(岡田将生)を中心とした7人の子供たちを描くストーリーだ。
Text:須永貴子
夏休み直前の教室に、ある日やってきた王子様、大沢君。そよは一目で恋に落ちるが、どうやら彼は田舎にはいないタイプのちょっとキツイ人間のようだ。故郷に出戻ってきた彼の美人ママも、そよの父親と若い頃に何かがあった様子。のどかな田舎の毎日が、恋をしたことで周りの風景も違って見えるというダイナミズムを、夏から春への季節の変化にのせて、ごくごくゆったりとしたリズムで描きだす。その映像を、レイ・ハラカミの洗煉されたスコアが引き締める。
女子高生がブルーハーツのコピーバンドで文化祭に出演するという、青春映画『リンダ リンダ リンダ』以前は一貫して等身大のダメで情けない男を描いてきた山下敦弘監督。彼が、『リンダ〜』以上に、自身とはかけ離れた世界に挑んだ本作には、山下敦弘らしさは前面に出ていない。そのぶん、自分らしさの発揮と、求められるもののバランスをとることができる器用さが際立っている。エンドロールの「監督 山下敦弘」という文字には、巨匠感すら漂っていた。
『天然コケッコー』は7/28よりシネスイッチ銀座、渋谷シネ・アミューズ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。
山下敦弘監督のインタビューはこちらから。

Information
『天然コケッコー』
原作:くらもちふさこ
脚本:渡辺あや
監督:山下敦弘
音楽:レイ・ハラカミ
主演:夏帆、岡田将生
配給:アスミック・エース
2007 / 日本
(c)2007 「天然コケッコー」製作委員会











