坂本龍一に見出された女性クリエイター小山絵里奈が、満を持して1stフルアルバム『VIVIDROP』をドロップする。今年始めにリリースしたミニアルバム『INLY』から、独自の世界観はさらに深まり、繊細な音が複雑に絡み合うサウンドプロダクションはより鋭さを増している。作詞・作曲、サウンドメイキング、ヴォーカルレコーディングまでを自ら手掛け、今だかつて耳にしたことのないポップミュージックを提示する新時代の歌姫の登場だ。
Text:原田優輝
初めて世に出すフルアルバムで、なかなかここまで思い切れるものではない。
『驟雨(しゅうう)』という摩訶不思議なタイトルを持つ冒頭曲、二十五弦琴を全面にフィーチャーした『花唄』などの京風情あふれる楽曲群で、ポップミュージックの新たな可能性を予言する傍ら、『MY MUSICAL』『MY FAVORITE THING』では、古き良きアメリカン・ポップスをも賛歌する。さらに、浦島太郎の物語をまったく新しい解釈で描いた『音里(いんり)』などでは、女性らしいファンタジックな感覚も顔をのぞかせるー。
1人の女性クリエイターが作り出しているとは到底思えない、ヴァラエティに富んだ楽曲群は、まさに「VIVIDROP」というタイトルが言い表すように、小山絵里奈という新たな才能から産み落とされた“色鮮やかなしずく”たちだ。
他にも注目したいのが、竹村ノブカズ、NUMBらが名を連ねる豪華ミックスエンジニア陣。彼女の将来性豊かな才能に呼応するかのように集結したトップクリエイターたちが、それぞれの個性を発揮するサウンドアレンジは必聴だ。
1stフルアルバムで、ここまでの完成度を誇る作品をドロップしてくる彼女の非凡な才能が、冒頭の「坂本龍一に見出された〜」という前置きを不要にするのは、時間の問題と言えそうだ。
小山絵里奈のインタビューはこちらから。

Release Information
『VIVIDROP』
アーティスト名 : 小山絵里奈
レーベル : rhythm zone
リリース日 : Jun 27, 2007

Artist Profile
大阪にて5歳から12歳までエレクトーンを習う。その後、中学/高校と吹奏楽部に所属し、トランペットを吹く。中学時代には吹奏楽の最高峰「普門館」に出場し、金賞受賞。高校卒業後、クラシック路線から一転、R&B/SOUL系バンドにメインヴォーカリストとして参加するも1年で脱退。その途中で平行して始めていたDTM(Desk Top Music)に次第にのめり込むようになる。04年、最初にデモテープを送ったJ-WAVE「RADIO SAKAMOTO」で坂本龍一の耳にとまったことがきっかけで、07年1月にデビューミニアルバム「INLY」をリリースする。デビュー作としてはあまりにも個性的なその仕上がりは、驚きを持って音楽シーンに迎えられた。











