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1979年生まれ。フリーランス→会社勤務→フリーランス→現在さらなる活動の幅を広げるべくクリエイティブマネージメント A/M に所属。manga artist、Illustrator、Textile designer、graphic designer、animation director。マンガ創作集団mashcomixメンバーとして、漫画、アート、デザインをキーワードに活動中。
Contact ファンタジスタ歌磨呂 URL: www.fantasistautamaro.com am-tokyo.jp www.mashcomix.com E-Mail: utamaro@am-tokyo.jp |
Pass:boy8bit
一度聞いたら忘れないインパクト大なそのネーミング同様、ファンシーなキャラクターと目も眩むような色使いで画面を埋め尽くす強烈な作風で、注目度を高めているクリエイター、ファンタジスタ歌麿呂。アーティスト集団「mashcomix」の一員でもあるように、マンガ・アニメからの強い影響を感じさせつつ、それを様々なメディアへと落とし込むデザイン的な感覚も持ち合わせる彼のフィールドは、イラストレーション、映像、テキスタイルなどあらゆる分野へと広がり続けている。11月よりスタートした「PUBLIC/IMAGE.TV」のオリジナルキャラクター、コスモちゃんのデザインを手がけ、さらに「PUBLIC/IMAGE.3D」での個展も控えるなど、Public/image.とも親交の深い彼にインタビューを行った。
Text:原田優輝
絵を描き始めたきっかけを教えてください。 おじいちゃんが趣味で油絵を描いたりしていて、その影響が大きいかもしれないです。幼稚園、小学校の頃は引っ越しが多かったんですけど、いつも絵がコミュニケーションツールになっていて、それで友達を作っていたところがあったんです。絵を描いていると、みんな見るじゃないですか。普段イヤなヤツでも、その時だけはスゴく良い表情になったりして、「絵にはこういう力があるのか」って気付いたんです。小学校の頃は、落書きもヒドくて、教科書に載っている歴史上の人物の顔写真に、体を書き足したして、友達にも評判が良かったんですが、学校で問題になったり(笑)。
当時からマンガやアニメは好きだったのですか? そうですね。子供の頃は、「ガンダム」とか「キン肉マン」ばかり描いてましたね。宮崎駿さんもそうですが、アニメーションが大好きで、色々見ていました。だから、当時はアニメーションの仕事をやりたいと思っていたんですよ。その後、高校卒業で進路を考えるという頃には、CGにも興味を持つようになって、一時は専門学校に進もうと思って、オープンキャンバスに行ったりもしたんですが、結局やっぱり自分の手で描いていくようなアナログな仕事の方が向いていることがわかって、美大に進みました。
mashcomixは、いつ頃どのような経緯で結成されたのですか? 美大受験のための予備校で知り合った連中と、大学2年の頃に「マンガ描きたいよね」という話になったのがきっかけですね。それまで自分たちが影響を受けてきたものを考えると、みんなが通っていたのが、マンガ/アニメだったんです。それで、10人くらいのメンバーでマンガを作って、大学2年の学祭で発表したんです。それが99年なので、今年でもう10周年になります。その記念号が先日できたばかりです。mashcomixでの活動としては、紙媒体の制作を軸に、マンガから生まれるインスピレーションをキーワードにエキジビションやショップの内装など、いろいろやってますね。みんなの息抜き的な場所という感じで、ゆるいスタンスで続けてる感じです。
MASHCOMIX CIRCLE ISSUE 
「TOKYO BAR NYC」mashcomix
「ファンタジスタ歌磨呂」名義で活動を始めたのは? 2003年からですね。大学を卒業してしばらくは、広告系の制作会社や代理店などで働いていたんですけど、その後フリーになった時に、何か面白い名前を付けたいと思って、mashcomixのメンバーに命名してもらいました。深い意味とかは全然ないと思うけど、とにかく強烈な感じ(笑)。作品でも常に爽快な感じを意識しているので、ピッタリかな、と(笑)。
歌磨呂さんの作品は、キャラクターのデザインがとても独特ですよね。 何でも擬人化しちゃうクセがあるんですよね。ライブペインティングをやる時なんかも、描くのは必ず人なんですよ。最近、それがなぜかを自分でも考えていたんですけど、やっぱり固有名詞がスグ浮かんでくるようなものが好きなんじゃないかな。例えば、「パーマン」の絵が描かれていたら、それはもう「パーマン」でしかないですよね(笑)。僕が人を描く時も、「ここにしかない一体」を作りたい。そうすると、どうしてもキャラクターになってくるんですよね。やっぱり、人と違うものとかユニークなものを考えていきたいですし、ジャンル分けされることや、「○○っぽい」と言われることが好きじゃないんです。常に他にはない世界観を目指したいし、キャラクターってそれを表現しやすいんですよね。
最近手掛けた仕事をいくつか紹介ください。 BOY 8 BITという海外のアーティストのミュージックビデオを作りました。これも全部キャラクターですね。事務所にスタジオを組んで、人形をぬいぐるみ作家の友人たちに作ってもらい、ハンディカムで撮影して、After Effectsを使って作りました。カステラの文明堂のオマージュとか入れたりして(笑)。80年代後半や90年代初頭の叙情的な感じを出したいというのがあったんです。モーションのテンポもサウンドと合ってるようで意外とズレちゃってしてて、逆にそれもおもしろいかなと思って仕上げました。
「Baltic Pine」BOY 8 BIT
アニメーションではなく実写で作られている作品は珍しいですよね? そうですね。でも、実写でも本物の人間が出てくるようなものはあまりやりたくないんです。生身の人が出てくると、一気にファンタジーじゃなくなる感じがする。現実感が出てきてしまうと、世界観が崩れてしまうんですよね。人が出てきても、着ぐるみとかだったらいいと思うんですけど。だから、ミュージックビデオを作る時も、基本はアニメーションというところから考えていきますね。
ファンタジーというのは歌磨呂さんにとって重要な要素なのですか? 夢っぽい感じというのは意識しています。アニメーションって、魔法みたいだなという感じが昔からあって。絵とかもそうだとは思うんですけど、アニメーションはスゴく分かりやすく、命が生まれる感じがあるんですよね。平面だった女の子が、動くだけで一気に生きているように見えてくるし、そのキャラクターの性格とかまで考えるじゃないですか。それはもう魔法だなって。キャラクターもそうなんですが、なんかそういう新しい命みたいなものを作りたいのかもしれないです。そこまでちゃんと考えたことなかったですけど。
「PUBLIC/IMAGE.TV」のオリジナルキャラクター、コスモちゃんのデザインもして頂きましたね。 Public/image.のスタイリッシュでカッティングエッジなイメージと、あえてギャップのあるものを作りたいということだったので、「クリィミーマミ」とか「ラムちゃん」みたいな男の子も好きだった少女キャラクターとかを意識して、萌え要素を盛り込んだキャラクターも面白いかなと思って作りました。そういう世界観に意味不明の緑の怪物をミックスしたりして、謎な空気感を展開できればと。
「PUBLIC/IMAGE.TV」
萌え系のキャラクター等も好きなのですか? 自分でこういうテイストの絵を描いたのは初めてですが、もともとアニメ好きだったりするので、かなり好きですね。去年の夏に秋葉原のDear Stageというお店の内装のお手伝いをしてから、さらに秋葉原や萌文化に興味を抱くようになりました。「東京にこんな場所があったのか!」と凄まじい衝撃を受け、とても感動しました。文化の最先端を突っ走ってる感じ。世界的な視点で見ても相当強烈な発信地だと思います。
先ほどのBOY 8 BITもそうですが、歌磨呂さんの作品も海外からの注目度が高そうですね。 そうですね。僕は英語があまりできなくて、それで断っちゃうケースなんかもあるんですけど、積極的に海外の仕事はやっていきたいと思っています。日本って、スゴくたくさん面白いクリエイターがいるのに、意外と知られていないと海外に行くといつも感じるんです。自分も含め国内のクリエイターがもっともっと海外に出て行ってほしいなって思います。
これまでに海外で展覧会などをされたことはあるのですか? 日本人アーティストたちのグループ展をフランスでやった時に、mashcomixとして参加したくらいです。それこそPublic/image.が紹介しているような日本のアーティストたちで大きなグループ展のようなものをやったら、スゴい反響がきそうですよね。僕も、できるだけ人の心に届くものを作りたいと思っているので、今現在活躍しているアーティストや表現方法など、シーンの動向みたいなものは常に意識しています。PUBLIC/IMAGE.TVのキャラクターなんかも、今だからいいと思って作っているし、鎮座DOPENESSさんのミュージックビデオで作ったカッパのキャラも、今の彼のスタンスというか存在を意識して生まれたキャラなんです。その辺はデザイナー的な視点を持って取り組んでいたりもしますね。
「MOGU MOGU」鎮座DOPENESS
その他に表現の上で大切にしているポイントがあれば教えてください。 今話したように計算をしちゃうところもあるのですが、基本的には、精神的に自由でスカッとしてもらえる作品作りを心がけてます。言葉やテクニック、斬新さで訴えるというか、作品の持つ世界観だけで伝えられるような、見終わった後に余韻が残ったり元気になれたり、プラス思考になれるものがいいですね。だから、てんこ盛り感みたいなものも大切にしています。ワイワイしてて楽しそうっていうか(笑)。自分が勇気付けられるものも、スゴくはじけているものが多いですし、自分が結構寂しがり屋なので「寂しくないよ、元気出そう!」みたいな思いも込めています(笑)。
鎮座DOPENESSのミュージックビデオにも、スゴい数のキャラクターが登場しますよね。 全部で60〜70体くらい出てきますね。もう配置しきれないくらい(笑)。ボツになったヤツも結構います。これは、いつも映像を手伝ってもらっている相方の大野悟くんと、W+K Tokyo Labのチームと計4,5人くらいで作っていきました。このアニメーションは、「親に見せたい」とか、「ホッコリするようなものを作りたい」という希望が鎮座くんからあったんです。それで、参考として「みんなのうた」を見せてもらった時に、「これだ!」って(笑)。僕はファンシーなサンリオのキャラも大好きなので、そのイメージで食べ物を全部キャラクターにしてみました。内容も至ってシンプルなわかりやすいストーリーで作っていきました。
「MOGU MOGU」鎮座DOPENESS
最近は映像の仕事が多いようですが、その他に興味を持っていることはありますか? 今一番興味があるのは、テキスタイルです。絵を描いて額に飾るのもいいんですけど、自分としてはもっと違うこともできないかなというのもあって。実際にやってみるとスゴく面白く本当に身近な存在で、とても奥が深いですよね。北欧のように日本にはアーティスト的なテキスタイルデザイナーは少ないように思っていたので、今後も可能性がある分野かなと思っています。あと、僕はもともと美大でテキスタイルを学んでいたので、その辺が今になってつながっていく面白さもありますね。
テキスタイルのどんなところが魅力なのですか? 自分の絵をパターンにしたブックカバーやバッジなどを作っているんですけど、パターンって無限増殖していく感じがして気持ち良いんです。しかも、どんなものにでも落とし込めて、ちょっと憑依する感じが面白い。あと、そこになんか不思議が生まれるというか、「これどこに繋がっているんだろう?」と自然にのめり込んで見てしまう感じがあるんです。絵に比べて、生地は実用的なものだということも大きい。たとえば、実家に帰った時に、こたつ布団が自分の作ったテキスタイルだったら面白いな、とか。そういうインテリアや空間のことも含めて作れるんです。
最後に、PUBLIC/IMAGE.3Dで開催される個展についてコメントをお願いします。 この展示でも、テキスタイルをメインにした面白いアイデアを考えています。建物自体を生地でくるんでしまうアート作品とかもありますが、そういう違和感やスケール感で何かやれたら面白いかなと思っています。

UTABRIC

































