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ヒップホップをベースにしながら、さまざまな音楽を取り入れターンテーブルで表現するDJ/トラックメイカー。05年4月に音楽ドキュメンタリー映画『KAIKOO/邂逅』を発表。06年6月ファーストアルバム『SPINHEDDZ』、08年4月セカンドアルバム『DHARMA DANCE』をリリースする。それ他にも、変名プロジェクト「Noizd Phank a.k.a. DJ BAKU」やバンド「HYBRID DHARMA BAND」、また各方面へのリミックス、楽曲提供、プロデュースなどで活躍中。今年7月22日、『THE 12 JAPS』をリリースする
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DJ BAKUというアーティストが、どんなパーティで、どんな友達と遊んでいるのか? その一端を垣間見れるようなアルバムが、本作『THE 12 JAPS』。12人の日本人ラッパーを迎えて製作されたフィーチャリングアルバムだ。ここに登場する12人は、一筋縄ではいかないラッパーばかり。彼らと馴れ合うのでなく、しかし反発するのでもなく、純粋に魂がぶつかりあった本作は、現在のジャパニーズヒップホップのリアルな最先端を、ヒリヒリと伝えるアルバムになっている。
Text:大草朋宏
このアルバムを作ろうと考えたのは、いつ頃からですか?
去年セカンドアルバムを出した頃から、こういうものをやりたいと考えていましたね。前作のツアー中に出会った人もいるし、なぜか般若なんかは、自分がツアーで回った箱で偶然次の日にやることが多かったですね。それにジョーさん(B.I.G. JOE)が(服役から)帰ってくるということもあったので、偶然というか、今年がちょうど良いタイミングなのかなと。
これだけ多くのラッパーをフィーチャーしたアルバムは初めてですね。
DJの人がアルバムを出すとなると、だいたいラップが入ってるんですよ。でも、オレにはそれがあまりよくわからなかった。DJがソロアルバムを出すなら、基本的には自分ひとりで完結させるべきじゃないかなと。それに“一人で食う”にはどうしたらいいかと、ということも昔はよく考えていました。仮にアルバムでラッパーをたくさんフィーチャーしたら、ライヴでも毎回呼ばなければと思うこともあるし。それだと独り立ちできないかなって。
ではなぜ、今回ラップアルバムを作ろうと思い立ったのですか?
なんでしょうね? でも、意外とこういうアルバムがなかったんですよね。それなら自分でやっちゃえ、と。ボスくん(ILL-BOSSTINO)とか、シンゴくん(Shing02)とか、もう会ってから10年くらい経つし、最近だと漢くんとか般若とかがフリースタイルで盛り上げているのに、そういうラッパーに注目するようなアルバムもないと思ってたし。

シーンを横断するような作品は、確かにあまりなかったかもしれませんね。今回、ラップという表現のどんなところに注目したのですか?
これまでインスト曲でも、声ネタを使って掴んだり、DJの時もラップの曲をかけたりということはしていたんです。やっぱり言葉にはパワーがあるんですよね。
これまでのインスト曲中心の制作スタイルに、何か物足りなさを感じるようになっていたところはあったのですか?
もし自分がめちゃくちゃラップできたら、もしかしたら入れてるかも。瞬間的に惹きつける強さでは、ラップの力は凄い。でも、トラックの人達がラップに劣っているとも思っていない。どちらも同じ比重で重要なんです。そういう部分をわかって欲しくて、「ラップなのに、音を作ってるヤツも前に出ている」アルバムにしました。
「言葉の力」ということで言えば、前作『DHARMA DANCE』に参加されていたいとうせいこうさんの影響などもあったのでしょうか?
あれはちょっと特殊かもしれないですね。せいこうさんは、行動と言動が伴ってる人というか。実際にビルマへの活動とか、お坊さんと一緒に活動していたり。リアリティという意味でいったら、あの人の言葉の力は大きいと思いま
す。ただ、今回お願いしたラッパーには、エンターテイメントに盛り上げていく人もいれば、ロジックを超越したカッコ良さを持っている人もいる。今回のアルバムには、せいこうさんと真逆のタイプのラッパーも参加している。けど、オレ自身、せいこうさんとまったく同じことを考えているわけではないし。それに自分はDJだから、色々な人の意見を乗せたいという思いもありました。

確かに、ラッパーごとの個性を強く感じます。それこそ彼らがBAKUさんの代弁者になっている感じですよね。この12人を選んだ基準はありますか? かなり”男汁”満載ですけど(笑)。
自分が思っている以上に、そういう人たちに囲まれているんだなって感じますね(笑)。人と一緒に作品を作るからには、コミュニケーションが大事とは思っていて。昔から知っている仲間とはいえ、彼らのいるクラブやパーティなどにはよく遊びに行ってたんですよ。まあ結構荒れてる現場とかもあったんですけど。たぶん彼らは、スゴく面倒くさいことにちゃんと立ち向かってやり続けている人たちなんですよ。だからスゴくタフですね。僕は、器用に何でもやれている人よりも、ソウルフルな人、魂のある人が好きなんでしょうね。あと、みんなインディペンデントでやっているところも共通しているかもしれません。ただ電話でオファーして、お金払って参加してもらうという感じではないっすよね。
タイトルに「JAPS」とありますが、基本的にはあまり良い意味で使われることのない言葉ではないですよね。この言葉を選んだ理由は何かあるのですか?
実はそんなに深い意味はなくて、わかりやすさ重視です。でも、オレ的は超前向きな意味でわざと使ってるんですけど。例えば、シンゴくんとかはそのニュアンスが分かる。その時にシンゴくんとも話しましたよ。「ジャパニーズ(J)・アナーキー(A)・ポエット(P)・ソサイエティ(S)」とかもいいんじゃない、って(笑)。

各トラックは、特定のラッパーをイメージして制作したのですか?
そうですね。BRON-Kなど、「どうしてもコレで!」っていう決め打ちもありましたけど。3曲くらい聴いてもらって、そこから選んでもらった人もいます。ボスくんなんかは、意外と爽やかなトラックを選びましたね。実はNORIKIYO用に考えていたものと逆になったりとか。面白いですよ。シンゴくんも意外とロックっぽい曲を選んでいましたね。もっとメロディアスなのも渡していたんですけど、「せっかくならいつもと違う感じがやりたい」と。
やはりこれまでのインストトラックとは、作り方もだいぶ変わってくるのですか?
歌を邪魔しそうなメロディや、引っかかりすぎるネタは気にしましたね。でも、そこらへんも微妙なんですけど。それが良いケースもあるし。
そうは言いつつも、トラックは相変わらずドラマチックで、BAKUさんらしさを残したまま、上手くラップと融合していると感じました。
うれしいですね。どうしても音数を多くしてしまう自分がいて(笑)。超シンプルなワンループとか憧れますけどね。まだ納得いくものができないところもあるので、その辺は次への課題ですね。

このアルバムは、アーティスト「DJ BAKU」のアルバムでもありながら、12人のラッパーをプロデュースする側面も必要だったと思います。
そうですね。この作品は少し引いて見ているので、やはりプロデューサー寄りというか。以前、まだ楽曲制作をしていなかった頃は、DJプレイも人の曲だけで盛り上げることを考えていて。その後、曲が作れるようになってからは、ライヴやDJで使える、盛り上がる曲を意識して作り始めました。でも、そういう派手な曲ばかりではなく、曲としての完成度も追求したいし。静かな曲ももっと作りたいし、でも作ったところでライヴでできないのもつまらない。そのバランスはとても難しくて、今回みたいな少し引いてみる感覚を理解できるようになるまでは、結構時間がかかりましたね。でも、少しずつわかってはきたけど、まだまだ。永遠のテーマですね。
今はそうしたプロデューサー的な視点も持てるようになったと。
はい。少し。それで女性コーラスも入れられました。以前だったら無理だったと思うんです。すべての曲にライヴのノリを入れがちでしたから。それよりも今は、「曲としてどうするか?」「ひとつの音やビートをどこに置くか」というところに集中できるようになりました。
アルバムリリース後にはライブも控えていますね。
やっぱりラップのライヴは単純に楽しいですよね。7月31日のリリースパーティにも、結構ラッパーが揃うと思います。期待していてください!
『THE 12 JAPS

















