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YASUMASA MORIMURA Exhibition
Date: 3月11日〜5月9日
Location: 東京都写真美術館

80年代から一貫して、名画の登場人物や映画女優などに自らが扮する変身型セルフポートレイトによる写真作品を制作してきた森村泰昌による個展「なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」がスタート。新作15点を含む「20世紀の男たち」に扮するシリーズ<なにものかへのレクイエム>全43作品が、4章構成で展示されている。

「InsideOut of Contexts」シンポジウム
Date: 2月27日(土)16:00~
Location: 横浜ZAIM 交流サロン

横浜ZAIMで行なわれている大山エンリコイサムと、荻野竜一の展覧会「InsideOut of Contexts」の関連シンポジウムが開催される。ゲストとして、オランダからグラフィティ・アーティストZEDZを招聘し、ヨーロッパのグラフィティを中心に現代美術やサブカルチャーなど様々な話題を横断的に展開予定。入場無料。

XLARGE “SLICK” LIVE PAINTING
Date: 2月25日 19時〜
Location: XLARGE原宿店 B1 スペース

ロサンゼルスを代表するグラフィティーアーティストSLICKが来日し、XLARGE原宿店にてライブペインティング開催。当日はXLARGEとSLICKのコラボレーションTシャツとイベントをサポートするアディダスとSLICKコラボレーションアイテムの展示、販売する。また、ライブペインティングの模様は、生中継で配信予定。詳細はこちらから。

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SATOKO YOKOHAMA | 横浜聡子 | Movie Director
横浜聡子
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リトルモア
URL:www.umls.jp, www.littlemore.co.jp
『ウルトラミラクルラブストーリー』
(2009/配給:リトルモア)
(C)2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
『ウルトラミラクルラブストーリー』
(2009/配給:リトルモア)
(C)2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
『ウルトラミラクルラブストーリー』
(2009/配給:リトルモア)
(C)2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
『ジャーマン+雨』』DVD
(2009/発売:バップ)
『ジャーマン+雨』』
(2007/配給:リトルモア)
(C)横浜プロ
『ジャーマン+雨』』
(2007/配給:リトルモア)
(C)横浜プロ
『ウルトラミラクルラブストーリー』Trailer
(C)2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会
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松山ケンイチ麻生久美子という今をときめく俳優を主演に据えた奇想天外な片思いファンタジー『ウルトラミラクルラブストーリー』。青森を舞台に全編津軽弁で撮影され、松山演じる青年・陽人が、常軌を逸した言動でスクリーン上を縦横無尽に躍動する本作の監督を務め、堂々の商業映画デビューを果たすのが、今回紹介する横浜聡子だ。前作『ジャーマン+雨』では、自主制作映画としては異例となる全国劇場公開にこぎつけるなど、早くから注目を集めていた新鋭監督だ。脳と肉体、日常と非日常、生と死など、様々なテーマを随所に散りばめつつ、映画全編を貫く得体の知れないエネルギーで観客を圧倒する「ウルトラ」で「ミラクル」なその作品には、これからの日本映画界を牽引していくであろう横浜聡子という唯一無二の才能がみなぎっている。閉塞感漂うこの時代に、希望の光を射し込むニューカマーに話を聞いた。

Text:原田優輝


『ウルトラミラクルラブストーリー』のアイデアは、どのようにして生まれたのですか?

最初は、脳みそと脳みそがくっついて、一人の人間になってしまうような話を考えていたんです。もともと、人と人が完全に分かり合うことはできないということが、私の中では当たり前のこととしてあって。それを無理にでも分かり合おうとするためには、気持ちと気持ちで理解し合うのではなく、肉体同士をくっつけるようなやり方しかないと思って、そんな映画が撮りたかった。「目に見えるもの」を映画にしたいという思いが強かったですね。

何か決定的なエピソードがあったわけではないのですか?

特にそういうものはなかったですね。シナリオを書く段階では、「ヘリコプターで農薬をまく」とか、「神様が出てくる」とか、「死人に手紙を書く」とか、断片的なイメージがいくつか浮かんでいたので、それらを書きながらつなげていくという感じでした。その中には、実際に私が体験したことをヒントにして広げていったものから、「こうだったらいいな」という空想まで、ホントに色々なものがあります。そうした断片的なものを取り入れながら、ひとつずつ消化していきました。

横浜聡子

タイトルからも察することができるように、松山ケンイチさん演じる陽人と、麻生久美子さん演じる町子による”ラブストーリー”を誰もがイメージすると思いますが、ストレートな恋物語ではないですよね。

まったく理解も共感もできない他人同士が、変化をしていく様子を描ければそれで十分だと思っていました。その関係を何と呼ぶかは見た人にお任せしますが、陽人が町子に恋をすることで、色々な奇跡に派生していく始まりとしてのラブストーリーということは考えていて、それがいつの間にかこのような物語になったという感じです。

前作『ジャーマン+雨』に比べ、規模はかなり大きくなったと思いますが、実際に製作していく上でも大きな変化はあったのですか?

『ジャーマン+雨』までは、それまでずっと一緒に映画を作ってきた人たちとの作業だったので、面白いと感じる部分などの共通点はある程度あったし、逐一説明しなくても分かり合えたのですが、今回はプロデューサーを含め、初めてやるスタッフがほとんどだったので、言葉にしないと伝わらないことも多かったです。でも、言葉にして説明していくことで私自身もスタッフのみんなも、この映画でやらなくてはいけないことを、それぞれ明確に持って撮影に臨むことができたのだと思います。

横浜聡子

一般のお客さんからしても、横浜監督の作品を初めて目にすることになる人が大半だと思うのですが、実質のデビュー作とも言えるこの作品で、どのようなアピールをしたいと考えていましたか?

今回の映画が作れたのも、前作の『ジャーマン+雨』を面白いと思ってくれた人たちがいたからなので、その時の「技術的には何かが欠けているけど、勢いはスゴくある」というようなパワーは維持しないといけないなと思っていました。前回以上にパワフルなことをひたすらやっていくという勢いをとにかく大切にしましたね。

確かに映画全編に亘って、得体の知れないエネルギーのようなものが感じられる作品だったと思います。そこには、やはり松山さん演じる自由奔放な青年、陽人の存在が大きいと思いますが、このキャラクターにはどのような思いが込められているのですか?

私にとって理想の人物であり、全然共感できないからこそ興味の対象でもある、無限の可能性を秘めた人間ですね。何にも縛られていないからこそ何でもできるような、魅力的で憧れの対象という感じです。

横浜聡子

監督自身のパーソナリティが投影されているというわけではないのですね。今回は初めての男性主人公ということもあり、ある意味ご自身から最も遠い存在のキャラクターだったように思います。その点で何か難しいことはなかったのですか?

まったく違う遠い存在だからこそ、客観的に見れた気がします。イメージが固まらなかったことが返って陽人を自由にできたのかなと。松山さんがその場その場で自由に動いてくれた演技をすんなり受け入れることができました。

松山さんにはどのような演出をされたのですか?

事前には、『汚れた血』のドニ・ラヴァンの動きを参考として伝えていたのですが、現場では大まかな動きの導線などのアバウトな演出しかしていません。心理的な説明もほとんどせずに、松山さんにお任せしていましたね。

カメラが追いつかない程のスピードで画面上を行き交う陽人に、肉体性のようなものを強く感じました。

先ほども少し話しましたが、内面的な部分よりも、身体の動きを見せたかったんです。人間が動いている様を、ただカメラが追いかけていくという映画にしたいというのは最初からありましたね。

横浜聡子

劇中では、「脳」も重要なモチーフとして扱われていますが、「脳」と「肉体」の対比がとても興味深く感じました。

この作品では、「脳みそ」が論理的な思考の象徴で、「肉体」は本能的、動物的なものとして考えています。

「論理的思考の否定」というテーマが、作品全編を通した監督の意思表明のように感じました。

それはありますね。商業映画らしからぬというか、好きなことをやらせて頂きました(笑)。

ARATAさんが演じる町子の以前の恋人・要は、交通事故で首から上がなくなってしまったという設定で登場しますよね。一方で、陽人が畑に体を埋めて首から上だけを地表に出すというシーンもあります。町子を巡るふたりの男性の対比にも、「脳」と「肉体」というテーマが色濃く現れているように感じました。

最初にシナリオを書いた時から、要はこういう設定だったのですが、その時はまだ断片的なひとつの要素として書いただけだったんです。でも、完成して全編通して見ててみると、確かにそういう対比ができていますよね。それは無意識のうちにつながったのかもしれないし、自分でもわからないのですが、結果としてそういう意味を付け加えることができたと思います。

横浜聡子

映画作りにおいて、「物語性」というものをどのように位置付けていますか? 監督の作品を見ていると、ストーリーというものにそれほど重きを置いていないような気もするのですが…。

まったくつながらない断片的な要素を放り込むようなやり方でいつも作っているので、「起承転結」でストーリーを考えていないのは明らかだと思います(笑)。もちろんストーリーが面白いに越したことはないのですが、それが一番ではないですね。もっと大切なことは、映像と音を含めて映画として見た時に、いかに人の記憶に残るかということだと思うんです。あえてこちらから前後のつながりを提示しなくても、魅力的な断片をいくつも見せることで、見る人が自然にストーリーをつなげてくれると思っています。だから、ある程度見る人に委ねているところはありますね。映画って何でもアリだと思うんですよね。リアリティがあるかどうかということは正直どうでもいいというか。

監督がこれまでに見られた作品のなかで、今話されたようなことを体現している映画があれば教えてください。

自分が映画を撮る前にいつも見るのが、カネフスキーの『動くな、死ね、甦れ!』なんです。ドキュメンタリーとフィクションの境目を常に縦横しているような生々しさや、その瞬間を捉えている映画だと思います。こちらで作り込んだものを役者にやらせるのではなく、被写体の動きにただこちらがついていかざるを得ないというような作品を自分でも撮りたいと思っているんです。

横浜聡子

今回は監督の出身地でもある青森というロケーションを選ばれましたが、以前の作品でも、東京ではない田舎が舞台になっていますよね。

そうですね。逆に東京で撮るのってスゴく難しいなと思っていて。例えば、新宿の高層ビルとか、スゴく象徴的なものとしての東京のイメージしか浮かんでこなくて…。田舎で撮ると何もないからこそ何でもできる気がするんですよね。ないものは自分でゼロから作り出すこともできますしね。自分にとっては、スゴく自由になれる場所なのかもしれません。

今回の撮影でも、青森という場所からもらうものも色々あったのではないですか?

そうでしたね。もともと知っている場所ではあったのですが、映画を撮ることで初めて凝視できたというか。「こんな面白い地形だったんだ」とか、改めてひとつひとつ青森という場所の面白さに気付いた感じがします。今まではただ何も考えずに見ていただけなので。映画をきっかけに改めて見つめてみたことがスゴく刺激になりました。

青森というロケーションだからこそ、「生と死」や「神話性」といったテーマもスゴくリアルなものとして受け入れることができたように感じます。

なるほど。確かにそれはあるかもしれません。東京でやったら、ちょっとキツいですよね(笑)。

横浜聡子

音楽は、大友良英さんが手掛けられていますね。

繋いだ映像を見てもらいながら、その都度即興で作って頂いた感じでした。ひとつの感情を想起させるような音楽ではなく、どうとでも取れるような曖昧な音楽ということをこっちからお願いしました。スゴく抽象的なことばかり言っていたのですが、大友さんの出してくる音楽は、「まさにそれを求めていたんです!」というような的を得たものばかりなんです。偶然なのかもしれないですが、言葉がなくても伝わると言うか、不思議な体験でしたね。

今回の作品からは、世に漂う閉塞感を打破するようなエネルギーや希望のようなものを感じることができました。今この時代において、映画を通して世の中にどのようなことを伝えていきたいと考えていますか?

確かにみんなが押さえつけられているような閉塞感みたいなものはありますし、それがどんどん悪循環になっているような気がしています。そのなかで映画を通して、ひとつの見方だけではなく、色々な方向や可能性を考えながら物事を捉える視野の広さのようなものを伝えられたらと思っています。ありえないことなんかないし、決めつけられることも何もないんだということを、映画を通して言い続けたいなという思いは漠然と持っています。

最後に、読者に向けて映画の見所をお願いします。

タイトルから想像されるような甘ったるい恋愛映画ではなく、陽人という人間の生き様を通して、「生と死」「現実と非現実」「子供と大人」といった色々なテーマを考えてもらえるような新しい”ヒューマンストーリー”です(笑)。ジャンルという言葉は存在しない映画になっていると思うので、先入観を持たずに見に来てもらいたいですね。


横浜聡子

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