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2007年、永嶋敏之、金原崇人、増田一太郎の3人により設立されたデザイン&エンジニアチーム。Web制作を中心に、インターフェースデザイン、映像、グラフィック、インスタレーションなどの制作、開発を行っている。
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2007年、永嶋敏之、金原崇人、増田一太郎の3名によって結成されたメタファー。ホンダ「REALIZATION INTERNAVI」で見せたデータヴィジュアライジングの手法など、デザインからプログラミングまでを一貫して手掛けるからこそ生まれるアイデアと構成力を武器に、近年注目度が高まっているデザインユニットだ。既存のWebデザインの枠にとらわれない自由なクリエーションを目指す同社代表、永嶋に話を聞いた。
Text:原田優輝
メタファーが結成されるまでの経緯を教えてください。
時期は少しずつズレているのですが、もともと3人とも同じWeb制作会社に在籍していたんです。退社後もつながりは続いていたのですが、僕がフリーになって2年くらい経った頃に、3人で何か新しいことがやりたいという話になって、2007年にメタファーを立ち上げることになりました。特に会社理念のようなものも決めず、流れで始まったこともあり、当初はやっていけるか不安でしようがなかったのですが、3人の好きなものや目指している方向がもともと近いので、ここまであまりブレることなくやってこられたという感じですね。
3人の役割分担は決まっているのですか?
ある程度は決まっています。自分は制作会社にいた時にはプログラミングを担当していたのですが、今はディレクションをやることが多いですね。デザインは金原、エンジニアリングは増田がメインでやっています。
プログラミングだけではなく、ディレクションまでご自身でするようになったことで、何か考え方が変わった部分はありますか?
結構変わってきていますね。昔は、どれだけ高度なアルゴリズムでインターフェースを作ることができるか、というようなことにしか興味がなくて、ちょっとした仕組みの部分で新しさを競っていたところがあったんです。でも、ディレクションをするようになってからは、もっと引いた目線で見られるようになって、より本質的な新しさということを考えるようになりましたね。
そもそもプログラミングに興味を持ったきっかけは?
僕はもともと、美大で現代美術を学んでいて、評論や編集などの仕事でアートに関わりたいと思っていたんです。特に、理詰めで考えていくコンセプチュアルアートという領域に興味を持ち、ずっと追いかけていたのですが、「なぜこの作家が評価されないんだろう?」とか、知れば知る程違和感を感じることも増えてきて…。現代美術に対するモチベーションが下がってきていたその頃に、たまたま教授のところに遊びに行ったら、ジョン前田さんのCD-ROMがあって、そこで見た作品に衝撃を受けたんです。アルゴリズムで絵を描くというアプローチがまさに「理詰め」の極致という感じで、かなり心に刺さったんです。それをきっかけに、美大を卒業してからIAMASに進んでプログラミングの勉強を始めたんです。
ジョン前田さんの作品との出会いは、人生を変えるほど大きな出来事だったのですね。
良いタイミングで出会えたなと思っています。以前に前田さんが「デジタルは素材に過ぎない」というようなことをどこかで言っていて、その言葉にピンと来たんです。画家が絵具を使って絵を描いたり、インテリアデザイナーが木材で椅子を作るのと同じで、デジタルもひとつの素材である、と。数式やアルゴリズムなど、一見制約が強いように見える世界なのですが、デジタルというのは、絵や音や映像など様々な表現の根源となるアーキテクチャだと思っていて、そこに表現媒体として自由さと可能性を感じたんです。
当時はいわゆるメディアアート的な作品も作っていたのですか?
それこそ前田さんに影響を受けたような、音と映像が反応・変化していくような作品を作ったりしていました。以前、せんだいメディアテークで開催された『文字展』でも、文字を拡張するというコンセプトで、ひらがなのアウトラインをリアクティブに変形させる『文字++』という作品を発表しました。今でも作品的なものは作っていますが、どうしても時間が限られてしまうので、最近はピンポイントに興味の対象を純化させたようなものが多いですね。
プログラミングを深く理解した上でもの作りができるというのは大きな強みですよね。
そうですね。やっぱり企画を考えるにしても、ある程度プログラミングの仕組みが分かっていた方がいいと思います。以前、IAMASの授業でアイデア出しをしている時に、プログラミングを知らない人にも意見を聞いてみるということを実験的にやったのですが、凡庸なアイデアしか出てこなくて。まったく知識のない人に意見を聞いた方が、思いもよらない自由な発想が生まれるとよく言われますが、個人的にはその考え方にちょっと違和感があるんです。やっぱりその分野を掘り下げている人だからこそ、良いアイデアが出てくるんじゃないかなと個人的には思っています。

ホンダ「INTERNAVI REALIZATION」
ホンダのナビゲーションシステム「インターナビ」の認知度を高めることを目的に制作されたコンテンツ「NEURON ROAD」。「インターナビ」が収集した主要都市を走行する車の位置情報をヴィジュアライズしている。
Webデザインにおいて、大切にしていることを教えてください。
今はクライアントのリテラシーも高くなってきていて、効果測定などもしっかり行われるし、デザインに求められるものがより高度になっています。具体的なところでは、3Dや映像などが好まれているように感じるのですが、そこで難しいのは、そういうトレンド的な要素も必要とはいえ、流行り廃りがあるものをアクセスを稼ぐためだけに入れることに、どれだけ意味があるのかということなんです。僕らは、そこに何か本質的な意味付けをしていくように意識しています。
キャンペーンサイトのあり方などをはじめ、Webデザイン業界もこれまでのやり方を見直す時期に来ているように感じます。
そうですね。新しいインターフェース上の仕組みやインタラクションというのは、それこそジョン前田さんたちの頃に一通り作られてきたと思うんです。その上で遅れてきた人たちがバリエーションを色々作ってきたと思うのですが、それももう出尽くして、インターフェースの仕組み一発で勝負する時代はもう終わってきているのかなと。実際にここ2,3年くらいは、Web業界自体もマンネリ化してきているように感じます。でも、それをただ悲観的に受け取っているわけではなく、追いつめられた状況でこそ、何か本質的に新しいものが生まれるんじゃないかなと。これからの1,2年で、次の方向性が見えてくるんじゃないかなと思っています。
そうした状況のなかで、メタファーとしてはどんなことを提示していきたいと考えていますか?
例えば、まったくインタラクションのないアニメーションを使って何ができるのかとか、クリックするという行為に何か新しい意味を持たせたりとか、そういう根源的な新しさを感じさせるようなものを作りたいと思っています。また、もっと個人的な感情が感じられるようなパーソナルな表現がWeb上にもっとあってもいいんじゃないかと思っていて、そういうところからまた新しい表現が生まれるような気がするんです。最近は、昔のネットワークアートなどにあったアナーキーな文脈がなくなってきているのですが、インターネットが生まれたばかりの未分化な状態で、個人が適当に作っていた頃の自由さのようなものに立ち戻って、新しいものを探っていく時期なんじゃないかなと感じています。

日清「NOODLE ON NOODLE」
「カップヌードル」のブランディングサイト。宇宙を目指して、カップヌードルをひたすら積み上げていくマルチユーザー参加型のコンテンツで、100個、200個、300個と区切りになる数字をクリアするごとにブログパーツを獲得することができる。チャールズ&レイ・イームズの短編科学映画「パワーズ・オブ・テン」のWeb版を意識して制作したという。
現在はWeb制作以外のお仕事もやられているようですね。
そうですね。特に会社の方針として色々なことをやっていこうとしているわけではないのですが、前田さんの言うように、デジタルはあくまでもマテリアルで、そこで何をやってもいいと思っていて、あまり肩肘張らずに自然の状態で作っていくという考え方ですね。具体的なWeb制作以外の仕事としては、テレビCMなどのエフェクトやセンサーを使ったOOH広告、ロゴのデザインなどをやっています。
最後に、最近アップされた作品があれば教えてください。
ユニクロの新しいWebサイトがアップされています。ユニクロという会社が、どういう思想を持って服作りに取り組んでいるかということを広く伝えるためのサイトです。





















