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04年、安藤悟史を中心に設立されたファッションブランド。巨大なスカルプチャー制作や映像表現、ソフトビニールトイやぬいぐるみのリリース等、ファッションだけにとどまらない幅広い表現方法を行い、エキジビションなどにも多数参加している。
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セレクトショップ「Lowrider」でグラフィックデザインを手掛けていた安藤悟史を中心に、2003年にスタートしたUNNONその出自を活かした国内外のクリエイターたちとの様々なコラボレーションプロジェクトにより、独自のストーリーテリングを試みてきたファッションブランドだ。マンガ、アニメ、フィギュアなど、サブカルチャーシーンと密接にリンクしながら、数多くのクリエイター、企業を巻き込み、既存のファッションブランドとは一線を画す特異な立ち位置を築き、ファッションクリエーションの新たなカタチを模索し続ける安藤悟史に話を聞いた。
Text:原田優輝
安藤さんのバックグラウンドを教えてください。
もともとはやっぱりファッションですね。音楽やアートなどの影響も受けていますが、それもファッションが入り口になっています。昔から古着が好きで、中学ぐらいの時にピーター・マックス、エッシャー、フランク・ロイド・ライトなんかのグラフィックがプリントされたTシャツを見つけては好んで着てました。スケーターブランドにも面白いグラフィックが多く、そういうところから色々影響を受けていたと思います。
その頃からファッションデザイナーになりたいと思っていたのですか?
いえ、古着屋がやりたいと思っていました。そのために何をしたらいいかと考えた末に、やっぱりオリジナルも置かないといけないと思うようになり、上京して服作りの勉強を始めました。ただ、そこからちょっとずつ方向性が変わってきて(笑)。今思うとスゴく若いうちに小さなブランドを任せられたことがあったのですが、そこでタナカカツキさんのTシャツを作る機会があり、ご本人にお会いしたのですが、スゴく面白くて。それまでアーティストと接する機会なんてあまりなかったので、その頃からアーティストと一緒にものを作っていくことの面白さを感じるようになりました。
その後、UNNONを立ち上げられた経緯を教えてください。
UNNONをスタートさせる2003年まで、裏原系のメーカーでグラフィックデザインをやらせてもらってたのですが、独立してフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動していこうと考えていたタイミングで、周りのグラフィックデザイナーたちとの間で、洋服を作りたいという話が出たんです。でも、その中で実際に服を作ることができたのは僕だけで(笑)。それで僕がまとめ役で、グラフィックデザイナーや映像作家たちと一緒に、UNNONを始めることになったんです。でも最初はTシャツ3型しか作れなくて、それで全国を営業していました(笑)。その後は、一緒にスタートした他のメンバーがそれぞれの個人活動で忙しくなってきたので、作家性がテーマにそったシーズンの時に参加してもらって、主に自分中心で、プロジェクトごとにいろいろなクリエイターにも参加してもらうカタチになっています。


ブランド立ち上げ当初、UNNONでどんなことをやりたいと考えていたのですか?
もともと、シーズントレンドに合わせて、売れる服を作るという既存のファッションの流れが自分には合わなくて、もちろんそれもやらないと食べていけないと思うのですが、自分のビジョンにあった今までにないシステムでブランドを成立させることが立ち上げの前提でした。UNNONの場合は、その辺りの目的意識が他のブランドとはだいぶ違っていて、立ち上げ当初に考えていたことは、「ストーリーテリング」を担えるブランドにしたいということでした。例えば、クリエイターとコラボレーションするにしても、他のブランドがやっていることと一緒のことをやっても僕たちがやる意味がないので、せっかくファッションというフィールドでやっていくのであれば、もっとアヴァンギャルドで面白い表現をしていきたいという想いがあったんです。
参加してもらうクリエイターの人選はどのような決めているのですか?
まずは作品自体がものスゴく好きで、「この人と一緒に何かをやってみたい!」というところから始まることが多いですね。その後は、そういう人たちに楽しんで参加してもらえるようなプロジェクトを企画していく感じです。参加してくれる方たちはみんな個性的で、実現不可能なことを相談してくる方も中にはいるので大変なのですが、服作りのことを知っている人間が持っている枠を全部破ってくれるので、とても面白いです。企画から参加しているBEAMS Tの「MANGART」では、マンガ家さんのTシャツのリリースをしているのですが、僕が担当している寺沢武一さん、浅野いにおさん、江口寿史さんなども、完全に「この人とやりたい!」というチョイスでしかないですね(笑)。

(左) MANGART BEAMS T「おやすみぷんぷん」浅野いにお、(右)「CR交響詩篇エウレカセブン」
その「MANGART」の他にも、「CR交響詩篇エウレカセブン」関連のTシャツ等を制作したり、東宝とコラボレーションし、「ホラー」をテーマにしたアイテムを制作するなど、サブカルチャーに根ざしたアイテムのリリースに力を入れていることがひとつの個性として確立されつつありますね。
そうですね。例えば、マンガやアニメはライセンス問題などがかなりデリケートなのですが、使用許可を得た上で、すでに築かれている土壌や一般的なイメージを崩して、既存のファン層が今まで見たことのなかったものを提供していくことに面白味を感じています。もちろん賛否両論があると思うのですが、参加してもらうアーティストによって見ているものが全然違ったりして、発見も多いですね。
UNNON Exhibition「THE HORROR SHOW」
一方で、その「元ネタ」を知らない層へのアピールについてはどのように考えていますか?
例えば、アニメ関連のネタを原宿のショップで展示したりすると、そのお店の顧客にとっては初めて見るものだったりするじゃないですか。既存のファンというのは、それが洋服に落とし込まれていても、それを求めてついてくると思うんですけど、そうじゃない人にとっては、強制的にそれを見せられる感覚がある(笑)。だからこそ、知らない人が見た時にどう見えるか、どの部分が気になって商品を手にとるかを考えることは基本ですよね。他にも色んな要素があるのですが、要はそれが現場の人間も巻き込んだものになるかどうかなんです。それまで「知る人ぞ知る」作品だったものが、より多くの人たちの間で共有されるようになれば面白いですしね。僕自身マニアックなものが好きな方だと思うので、その辺の距離感は常に気にしています。ただ最終的には、「自分がどれくらいその作品に思い入れがあるのか?」というのが大事かなと。「エウレカ」の話も、「好きだ好きだ」ということをあちこちで話していたら、結果的にお仕事になっちゃいましたからね(笑)。
UNNONの今後の展望があれば教えてください。
UNNONを始めた当初は、自分たちのように色んな人たちとコラボレーションして作っていくやり方自体があまりなかったのですが、最近はそういうアプローチも割と普通になってきていますよね。だから、もう少し別のやり方を模索しているところです。基本的に天の邪鬼体質なんですよね(笑)。
すでに具体的なアイデアはあるのですか?
今考えているのは、ひとつのプロダクトを、色々なクリエイターと一緒に作るだけではなく、それをプレスしたり、店頭に並べるところまでを一緒に実践していけるような流れが作れないかなということです。これまでは、アーティストにデザインを提供してもらい、そこで完結だったのですが、もっとその人の仕事や生活にまで寄り添っていけるようなプロダクトが作りたいんです。例えば、その人がよく行くお店に商品を置いてもらうなど、関わってくれた人が最後まで商品を見届けられる仕組みを作って、ワンシーズンにいくつかそういうプロダクトをリリースできたらと思っています。例えば、Public/image.とコラボレーションして、誌面やWebの企画と商品を連動させたり、Webを介した販売を考えたりということですね。そういうことが展示会ベースで色々商品展開されてるブランド、みたいなイメージです。


流通も含めた服作りのプロセスに一石を投じるような企画になりそうですね。
シーズンごとに展示会をするというスタイルを少しずつ変えようかなと思っているところなんです。例えば、展示会の場合、たくさんの洋服が並べられているところにバイヤーさんが来て、持っている予算の中でどれだけオーダーをつけてくれるかという話になるわけですよね。もちろんビジネスなので、金額ベースで物事を進めるのは当然と言えば当然なのですが、一方でアイテムや企画そのものの面白さをもっとダイレクトに伝えられて、それが販売にもリンクしていくような流れが作れたら面白いかなと思っています。
ブランド単位のクリエーションというよりも、UNNON自体が多様性を持つメディアになろうとしているように感じます。
そうかもしれないですね。自分の中には編集者的な考え方もあって、今はそっちの面白さにだいぶ傾いていますね。洋服のブランドってどうしても売れ始めるとブランド名ばかりが先行していくのですが、やっぱりアイテムや企画主体で伝わっていった方がいいんじゃいかなと思うんです。今やろうとしているアプローチだと、コラボレーションする相手によって全然違うものが出てくると思いますが、そうした色々な考え方があることが面白いんです。最初から「洋服屋」というところで入っていくと、決まったものしか生まれないですからね。あと、クリエイター側からしても、「商品を作る」という行為にはやっぱり一歩踏み出さないといけないところがあると思うので、こっちから企画を投げることで、少しでも気軽にやってもらえればなと。色んな動きをしている人たちに参加してもらうことで、もっと広がっていければいいなと考えています。

Information
劇場版映画『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』公開を記念し、UNNONによる展覧会「EUREKA SEVEN EXHIBITION」が、4月17日〜5月12日まで原宿のセレクトショップRevelations/で開催中。


















