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YASUMASA MORIMURA Exhibition
Date: 3月11日〜5月9日
Location: 東京都写真美術館

80年代から一貫して、名画の登場人物や映画女優などに自らが扮する変身型セルフポートレイトによる写真作品を制作してきた森村泰昌による個展「なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」がスタート。新作15点を含む「20世紀の男たち」に扮するシリーズ<なにものかへのレクイエム>全43作品が、4章構成で展示されている。

「InsideOut of Contexts」シンポジウム
Date: 2月27日(土)16:00~
Location: 横浜ZAIM 交流サロン

横浜ZAIMで行なわれている大山エンリコイサムと、荻野竜一の展覧会「InsideOut of Contexts」の関連シンポジウムが開催される。ゲストとして、オランダからグラフィティ・アーティストZEDZを招聘し、ヨーロッパのグラフィティを中心に現代美術やサブカルチャーなど様々な話題を横断的に展開予定。入場無料。

XLARGE “SLICK” LIVE PAINTING
Date: 2月25日 19時〜
Location: XLARGE原宿店 B1 スペース

ロサンゼルスを代表するグラフィティーアーティストSLICKが来日し、XLARGE原宿店にてライブペインティング開催。当日はXLARGEとSLICKのコラボレーションTシャツとイベントをサポートするアディダスとSLICKコラボレーションアイテムの展示、販売する。また、ライブペインティングの模様は、生中継で配信予定。詳細はこちらから。

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大学時代からの友人である齋藤精一、真鍋大度、千葉秀憲によって2006年に設立されたライゾマティクスは、Webから空間におけるインタラクティブ・デザインまで、幅広いメディアをカバーする高い技術力と表現力を併せ持った小数精鋭のプロダクションだ。建築、メディアアート、音楽など、様々なバックグラウンドを持つ個性豊かな6名のクリエイター達が、デザイン/アートの枠組みを行き来しながら行う実験には、既存メディアとは異なる新たなフォーマットが生み出される可能性が溢れている。設立メンバーである代表の齋藤、Web制作を中心に手掛ける千葉の2人に、プログラミングを主に手掛ける中浜大輔、堀 宏行を加えた4名に話を聞くことができた。

Text:原田優輝


まずは、ライゾマティクス設立の経緯を教えてください。

齋藤:僕は学生の時に建築を学んでいたのですが、パルコ主催のアートフェスティバル「アーバナート」に建築の作品を美術として出品して入賞したんです。それがきっかけとなり、「建てる」だけではなく、「作ること」「考えること」が建築なんじゃないかという想いを強くして、それを追求するためにコロンビア大学の建築学科に留学したんです。そこでは、建物を建てたり、椅子を作ったりすることよりも、アイデアをコンピュータを使って具現化するための訓練等をひたすら受け、Flashを使ったプレゼン等もよくやっていました。その頃から、美術としての活動を強く意識するようになり、帰国してから1年間は美術作家として活動をしていました。でも、日本の美術業界に失望することが多々あり、より多くの人に向けて発信していくためには、広告という分野が有効なんじゃないかと考えるようになったんです。美術でやろうとしていたことを社会性のあるパブリックな場所のために使ってみても良いんじゃないかなと。

千葉:齋藤とは学生時代からの友人で、同じく大学からの仲の真鍋と僕の3人がライゾマティクスの設立メンバーなのですが、大学を卒業してからしばらく、各々がフリーで活動していました。でも、ひとりでやっていくことの限界を感じたりしていくなかで、皆で集まった方が広がりのある大きなこともできるし、数字も伴ってくるんじゃないかと思うようになったんです。

齋藤:僕は建築、真鍋は音楽やメディアアート的なことを、千葉はWebに強かったので、バックグラウンドが違う3人が集まれば、何か新しいメディアが作れるんじゃないかということで2006年にライゾマティクスを立ち上げました。

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堀:僕は2008年の4月に入ったばかりなんですが、もともと学生の頃は音響プログラミングを利用した作品などを作っていました。それでMax/MSPというソフトをどうしても使いたくて、それに近い仕事としてしばらくSEをやっていました。その後、さらに技術を高めるためにIAMASという学校に入って、その後色々な経緯を経て現在に至るという感じです。ライゾマでは主にプログラミングを手掛けています。

中浜:僕は大学在学中に、先輩だった真鍋、千葉と出会い、その後2007年の7月にライゾマに入りました。主にFlashのオーサリングやテクニカル面のディレクションなどを手掛けています。

現在のライゾマティクスの主な仕事内容を教えてください。

齋藤:今はWeb制作と空間/内装関連のインタラクティブデザインが中心で、その割合は7:3くらいですね。あと最近では、家電メーカーの研究開発などにも参加しています。表に名前が出ないような地味な仕事なのですが、単にWebサイトを作るのとはまったく違う視点で柔軟に発想する訓練になるし、自分たちにとってはスゴく良い実験の場になっています。僕は海外に行く機会が多いのですが、色々なところで、これまでは日本の企業がトップだったのが、今ではそうじゃなくなっているという話を耳にします。それはやっぱり悔しいじゃないですか。だから、少し偉そうな言い方ですが、自分たちが持っている技術で、日本の企業に協力するということもやっていく必要があるんじゃないかと考えているんです。

確かにライゾマティクスの強みはその技術力にありますよね。

齋藤:やはりクライアントがうちに求めているものは、ハイエンドなテクノロジーだと思っています。当然、最新のテクノロジーは追い続けてきたのですが、最近では技術的な部分には誇りが持てるところまでこれたかなと感じてます。もちろん世界の巨匠たちはもっとスゴいことをやっているんですけど、例えばWebにおいても、表現の手法としては相当色々な実験/実践をこなしてきたので、これからはその技術を持って何ができるかということを考えていきたいと思っています。僕たちは日頃から、デザインは「問題解決」で、技術は「問題提起」だと考えています。そういう意味で、その両面を補完し合えているうちの場合は、クライアントからオリエンを受けてからデザインするだけではなく、新しい技術をもとにこちら側から提案することもできるんじゃないかと考えています。

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中浜:僕はその技術的な部分を担当する立場でやっていますが、技術は必要に応じて使えばいいと思っています。それよりも心がけていることは、見た人がそこから何を感じ取ってくれるかという部分ですね。例えば、自分が作ったモーションに、身の周りの人が「カワイイ」と言ってくれるだけでもテンションが上がるじゃないですか。そういう感覚をより多くの人に持ってもらえたらありがたいなとか、実際に作っている時はそういうことくらいしか考えていないんです。

堀:僕は新しいものに接した時のテンションが上がる感じというのを意識しています。昔、Flashがまだ4か5くらいの時に見たWebで印象に残っているものがあって、それは3Dの立体がグルグル回っていて、その空間的な広がりがブラウザの裏にまで及んでいるように感じられる作品だったんです。それを見たときの驚きや感動というのは今でも覚えていて、その感覚は大事にしたいと思っています。

齋藤:今日本の業界では、一般的にプログラマーは「縁の下の力持ち」で、デザインより前に出ることはあまりないじゃないですか。でも、本来は両者を対等に扱うべきだし、結局ボタンひとつの動きやグラフィックの色の変わり方とかの部分にこそ、プロフェッショナルな部分が出るように思うんです。単純にデザインが面白い、グラフィックがキレイというだけのサイトを作れる人は五万といます。でも、もちろんそれだけじゃないわけだし、プログラムをやっている人たちももっと前に出て行くべき。その土壌をもう少し変えていきたいという意識はありますね。

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Web制作において、今後どんな表現をやっていきたいと考えていますか?

千葉:これは個人的な考えなのですが、もっとぬくもりだったり、ジワジワと伝わっていく感情というものを表現したいと考えています。もともと映画が好きなのですが、映画というのは作り手の思いをどのような伝え方で表現するかという部分を緻密に考えながら作っていくものだと思うんですね。そういう表現がそろそろWebでも欲しいなと思っています。

齋藤:僕ももともと木や鉄なんかを扱ってきた人間なので、そういう手垢がついているような表現はやっていきたいし、Webがそういうメディアになれれば、表現方法も今より飛躍的に広がると思います。これからはさらに多様性が求められるようになると考えています。

千葉:映画でもテレビでもない、Webならではのコミュニケーションから生まれる新しい何かを探すことも必要だし、もしくはもっと原点に回帰していくこともあるかもしれない。そもそも生活のなかで入ってくる情報は当然Webからだけではないし、Webはあくまでもどこかで見つけてきたものを持って帰ってきて温めておくアーカイブの場であり、着地点だと考えています。クライアントも、少し前に流行ったバズマーケティングなどもそろそろ何か違うんじゃないかというところに落ち着いていると思うんです。パソコンを使った口コミは、ネズミ算式に膨れ上がっていく面白さはあるのですが、テレビ報道のような一発の訴求力という部分はどうしても弱い。だから、訴求力が少ないなりにうまく素通りしてもらえるようなアウトプットの方がWebっぽいんじゃないかと感じています。印象に残るものというよりは、なんとなくすり抜けたさわやかな風を楽しんでもらえるような表現に持っていきたい。ただ、その概念自体はクライアントから好まれにくいものでもあると思うので、スキームはこれからもっと考えていきたいと思っています。

齋藤:テレビなどのマスメディアは、降ってくる情報を掴むか避けるかという考え方ですが、それらとWebが大きく違ったのは、向こう側に有機的に動く何かがあって、それを自分が操作できるというアクティブな部分だったと思うんです。ただ最近は、少し語弊があるかもしれませんが、Webサイトもテレビメディア化されてきていると感じることがあります。例えば、YouTubeや、最近の例だとUNIQLOCKなどのように、何もしないでただ眺めているだけでも楽しめるものが求められているのかなと。テレビメディアが弱くなって、これからはWebがそれに取って代わるメディアになるかもしれません。そうなった時には、例えばiPhoneのような新しいメディアがさらに増える可能性が生まれると思っています。

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内装などを始め、空間におけるインタラクティブデザインの分野でも精力的に仕事をこなされていますね。

齋藤:空間が扱えるというのはひとつの強みだと思っています。日本のマーケットには、まだあまりインタラクティブデザインというものが受け入れられていないのですが、これからはもっとこっちの分野を強化していければ、新しい面白さを生み出していけるんじゃないかと考えています。Web、空間、インタラクティブ、音などをいわゆるワンストップで作ることは、技術的にはすでに可能なのですが、なかなかそういう仕事を取るというのは難しい。僕が建築の仕事でやり取りをしているお店に、Webもできるという話をしてもなかなか信じてもらえないし、Webをやっている代理店に内装もできるんですといってもなかなか理解してもらえない(笑)。

中浜:前にWebの仕事をしているクライアントから電話がかかってきて、ちょうどその時に周りが工作をしていたので、スゴいビックリされましたね。「後ろでゴーゴー言ってるけど、大丈夫?」って(笑)。

齋藤:会社を立ち上げた時から、「指輪から飛行機まで」ということを掲げていたのですが、最近それがようやく浸透し始めているようには感じています。また、せっかくそういう技術を持っている人間が集まっているので、これからは社内プロジェクトなんかにも力を入れていけたらと考えています。

Web以外のインタラクティブメディアの使い道というものをクライアント側もまだ分かっていないという現状もありそうですね。

齋藤:そうですね。クライアントによく聞かれるのは、費用対効果がどのくらいあるのかということなんです。それをちゃんと測定できるシステムをまずは導入しないといけないというのはありますよね。最近では、渋谷の大型ヴィジョンを見ている人の顔をキャプチャして、年齢や性別などを判別できるシステムもあるらしいんですけど、そういう試みは大切だなと感じます。あとは、何かの機会で試作できたものがあれば、それをクライアントにも現場で見てもらいつつ、使い道をどんどん提案していけたらと思っています。これからは、そういう作品をひとつのエンターテインメントコンテンツとして作るのではなく、マーケティング的に成立するものとして作っていくことが大きな課題になるかなと思っています。そして、そこで生まれたものを、今度はまたアートの表現にも持っていきたい。そういう行き来をしているうちに、新しい手法が確立されて広がっていけばいいし、それがライゾマティクスらしいやり方かなと思っています。

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