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イム ジョンホ、梅津岳城によって2008年設立。Web広告を中心に、映像、紙媒体などジャンルを問わず活躍中。これまでに手掛けた主なサイトには、 UNIQLO 「DRY IN MOTION」、「 Shanghai World Financial Center 」などがある。
contact mount inc. URL: mount.jp E-Mail: info@mount.jp |
![]() 「Life 三井に住んでいます」(2008) |
![]() 「ANYONE」(2008) |
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![]() 「KDDI au:NEW COLLECTION 2007 A&W」(2007) |
![]() 「TBWA HAKUHODO」(2007) |
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![]() 「Rightning, Inc」(2007) |
![]() 「NEXTSCAPE」(2006) |
アートディレクター/デザイナーとして、数々の美しいWebサイトを手掛けてきたイム・ジョンホと、主にインタラクション・デザイナーとして、様々なプロジェクトに参画し、その類いまれなセンスを発揮してきた梅津岳城。これまでフリーランスのクリエイターとして活動を続けてきた2人が、今年3月「mount inc. 」を立ち上げ、新たなスタートを切った。大規模な制作プロダクション、フリーランスそれぞれのメリット、デメリットを熟知する彼らが、次なるステップとしてこのようなカタチを選んだ理由はどこにあるのか? そしてこの新ユニットは、激変するWeb業界において、これからいかなる存在感を示していけるのだろうか? 新事務所移転を直前に控えた彼らを、中目黒のオフィスで取材した。
Text:原田優輝
まずは、mount立ち上げの経緯を教えてください。
イム(以下I):去年の年末から梅津と話をしていました。ちょうどその時期、僕が相当行き詰まっていたんです(苦笑)。ひとりでやることに限界を感じていたというか、作り出すものの発想の幅が狭いと感じていたんです。そこで、今までの経験や考え方を生かしつつ、さらに発想の幅を広げるにはどうしたらいいか考えていて、周りを見渡すと梅津がいた。勢いで声をかけましたね。
梅津(以下U):僕は、今年の3月で独立してから3年になるところだったんです。会社で3年働き、フリーでも3年経ったので、「次はどうしようか」と考えていた頃に、一緒にやらないかと声をかけられたんです。だから、自分の区切りとしてもちょうどよかった。そもそも僕は、いろんな人と仕事をしたいと思ってフリーになったんです。でも、実際にやってみると、合う人と合わない人がいるんだな、と(笑)。イムについては、ピクセル単位で細かくチェックするし、厳しかったので、「うるさいなー」って思ってましたね(笑)。ちなみに僕の場合は、1人でやることに特に限界を感じていたわけではないです(笑)。
I:独立してから色々考えることが多くなったり、気を配る部分も増えたりして、体力的にも気力的にもかなり消耗していたところがあって。mountを立ち上げたのも、そういうところも大きかったんです。梅津とは以前から仕事をしていたのですが、彼とやる時はこっちがあまり言わなくても高いレベルのものを作ってくれるので、もっと密接に仕事がやれたらいいなという想いがあったんです。それで、今年の3月末にmountを立ち上げるに至ったという感じですね。

「白銀屋」(2005)
おふたりの最初の出会いはいつ頃だったのですか?
I: CBCNET が主催している APMT というカンファレンスで会ったのが最初ですね。梅津が手掛けた Vodafone Design File のサイトなどは以前から知っていたこともあって、出会ってから割とすぐ後に電話して、白銀屋という旅館のWebサイトの仕事をお願いしたんです。それが最初の仕事ですね。
mountでのおふたりの役割はどのように分かれているのですか?
U:僕がFlash担当で、それ以外は全部彼(笑)。
I:確かに、以前一緒に仕事していた頃はそういう感じでしたが、今は梅津の領域がずいぶん広がったように思います。先日手掛けた Shanghai World Financial Center のサイトでも、梅津のアイデアを頼りにサイト全体のインターフェースが決まったりしましたし、一緒にやるからにはそういうところもスゴく期待してます。
U:僕はフリーでやっていた時も、ADやデザイナーが別にいて、自分はFlash担当ということがほとんどで、今もそれは基本的に変わってないんですけど、前よりも少し口出しするようになったという感じですかね。自分がやる箇所に関しては、横からワーワー言われたくないというのがあったので、Flashよりも前の段階には基本的に口出ししないようにしていました。

「Shanghai World Financial Center」(2008)
I:これまでの彼は、Flash以外のアイデアがあっても、積極的に言わなかったところがあったんです。でも、これからはもっとその辺も積極的に言ってほしいし、別にFlashだけにこだわらず、アートディレクションをやってくれてもいいと思ってます。臨機応変にやりながら、会社の体制を作っていきたいと思ってます。
U:アートディレクションをやってみたいという気持ちもなくはないんですけど、どうしても性格的に「やるなら全部自分でやりたい」と思っちゃうんですよね。Flashに関しても、ホントに信用できる人じゃないとどうしても頼みにくい。だから、結局アートディレクションをやることはあまりないんじゃないかな。
I:そもそも、「アートディレクション」「デザイン」「オーサリング」など領域をはっきりと分けるより、各場面で自分たちが良いと思うものを主張し合って作っていくスタイルなんだと思います。まあ、まだ始まったばかりなのでどうなっていくかわかりませんね…。
まだまだ模索段階という感じかもしれないですね。mount立ち上げからまだ間もないと思いますが、これまでに手掛けた作品をいくつか教えてください。
I:mountとして最初に手掛けた仕事は、 UNIQLO の「DRY IN MOTION」というサイトです。これは、 UNICLOCK などを手掛けた projector の田中(耕一郎)さんから依頼されて、主にアートディレクション、インタラクションプランニング、デザイン、実装部分を担当しました。「ダンサーの美しい身体の動きをハイスピードカメラで撮影する」「踊る時間とユーザーの視聴時間の2つの時間軸を同在させる」「円を一つの記号として捉え、その中に絶え間なく映像と音楽が流れることで、ユーザーに新しい体感をしてもらう」などといった大枠のアイデアは田中さんがすでに考えていて、映像は島田大介さんが手掛けることが決まっていました。自分たちはそれらのアイデアや素材を、具体的にどんなデザインやインターフェースで表現していくかを提案しました。

UNIQLO「DRY IN MOTION」(2008)
デザイン面ではどのような部分にポイントを置かれたのですか?
I:「時間」というのがこのプロジェクトの重要な要素になっていたのですが、それをいかに視覚化するかというところが大きなポイントになりました。そのコンセプトを伝えるインターフェースとして、円の中に2つのプログレス・バーを置き、時間の経過を示すというアイデアを提案しました。
U:2つの時間軸に矛盾が生じないようにしつつ、さらに表現としても成り立たせるためにはどうすればいいかということを相当考えましたね。
I:大元のアイデア出しや映像のまとめ方などについても自分たちの意見は提案したのですが、基本的にはインターフェースをどう作るかということが自分たちのミッションだったので、何度も話し合ったなかで出てきたアイデアを梅津がカタチにして、ヴィジュアルのクオリティを僕の方でさらに高めていくというやり取りを延々と繰り返しました。だから、ボツになった案もかなりあります。見た目は割とサラッとしているのですが、相当時間はかかりましたね(笑)。
U:このプロジェクトに限って言うと、「時間」という概念の捉え方がイムと僕とでは正反対だったんです。だから、僕の考えを説明しても最初はなかなか伝わらなかった(苦笑)。
I:でも、それこそが2人で一緒にやっている大きなメリットだと思うんです。作っている途中はしんどいんですけど、それをくぐり抜ければ良いものができますからね。

UNIQLO「DRY IN MOTION」(2008)
次に「Shanghai World Financial Center」のサイトについても話を聞かせてください。
I:このプロジェクトでは、森ビルが上海に建てた超高層ビルを中心に、新しい金融街としての上海をいかに表現するかがポイントになりました。六本木ヒルズなどに代表されるように、建物だけではなく、それを中心にした街作りを通じて、地域活性化にも貢献するというのが森ビルの理念としてあるので、Webサイトでの写真についても、このビルだけではなく、様々な建物が林立している上海の街並を撮影したものを使うことにしました。また、「垂直複合都市」というキーワードがあったので、インターフェース自体をビルと対応させて、エレベーターのボタンを押すような感覚で、画面を上下しながらコンテンツが見られるような作りにしています。また、オープニングのムービーもあえてスゴく長いものにしました。実際にページ全部が25mくらいあるんです(笑)。
このムービーによって、ユーザーはビルの高さを体感できますよね。
U:僕的には、このイントロができた時点でもう手応えはありました。ホントはもっと長くしたかったくらい(笑)。でも、これを作った後にも当然やらなくてはいけない作業は多くて、それはホントにキツかったですね(笑)。
I:普通、3分近いイントロや、下手したらどれが自分たちのビルなのかよく分からないような写真なんかNGになると思うのですが、社長を始めとした社内の皆さんにそれを受け入れてくれる懐の深さがあったからこそ、こうしたサイトが作れたと思っていて、それにはとても感謝しています。僕らのような小さな規模のチームだからこそ、一緒に作っているという意識をお互いに共有できたと思うし、だからこそブレのない仕事ができたという気がしています。あと、この仕事もそうですが、やっている内容は、1人でやっている頃と大きく変わっているわけではないのですが、梅津が加わったことで、アイデア、デザイン、機能のすべてにおいて、1段ジャンプできるようになったという感じはあります。

「Shanghai World Financial Center」(2008)
まだスタートしたばかりですが、今後もmountは基本的に2人でやっていく予定なのですか?
I:いや、すでにFlashが得意なスタッフなどに入ってやってもらっています。基本的には僕と梅津の2人はすべてのプロジェクトに関わるようにしていて、それを他のスタッフにサポートしてもらうというカタチですね。でも、スタッフが7、8人と増えていってしまうと、少し厳しいかなとは思っています。
U:最大で4人までですね。それ以上増えるなら僕が抜けます。女の子なら別ですけど(笑)。
I:僕はもう少しいても良いかなとは思っていますけど、どうしても人数が増えるとやらなくてはいけない仕事も必然的に増えてきてしまいますからね。ひとつのプロジェクトだけでもスゴくエネルギーを使うので、あまり色々なところに力を分散させてしまうと、いざという時に力が発揮できないということにもなりかねないし、それだけは避けたいなと思っています。基本的には、自分たちで企画から考えて、責任を持ってやれる範囲でやっていきたいですね。
今後の目標を教えてください。
U:これからはもっと”mountらしさ”を確立していきたいですね。方向性が明確な方が、仕事を依頼する側も頼みやすいと思いますし。
I:少人数でやっていることもあり、真剣にやっていれば自ずとそうした個性は出てくるはずなので、そのためにも努力を続けていきたいと思っています。与えられた目標に向き合いつつも、自分たちが作ったものを好きになれる。そういうものを作り続けていきたいです。





















