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SOUTAISEI-RIRON New Album
Date: 1月7日

Public/image.FOUNDATIONにも出演した相対性理論のフルアルバム『ハイファイ新書』がリリース。ライヴで披露されている楽曲を中心に全9曲が収録されている。

Kozue Himi Exhibition
Date: 12月23日〜12月28日
Location: NOW IDeA by Utrecht

イラストレーター氷見こずえの最新作品集「furry」の出版を記念し、収録原画を集めた展覧会が青山のNOW IDeA by Utrechtにて開催中。

KATSUKI TANAKA Exhibition
Date: 12月19日〜2月1日
Location: CALM & PUNK GALLERY TOKYO

映像やマンガを始め、多様な表現手段で制作を続けているアーティストタナカカツキによる個展「炎の画家タナカカツキの生涯〜わだはガッポになる」 が開催中。100号サイズのキャンバスに描く緻密な風景画や、81,000枚もの静止画の連続を8時間かけて再生する作品などが展示されている。タナカカツキ氏のインタビューはこちらから。

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HACHIYA KAZUHIKO | 八谷和彦 | Media Artist
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Open Sky Test Flight」 Photo:Yuki Yonekura
OpenSky
at Mori bld skydeck
Photo:Hiroyuki Matsukage
OpenSky Moewe 1/2」 Photo:Kenichi Mori
FairyFinder」(2005)
AirBoard」(1999~2001) Photo:Toshiaki Makihara
AirBoard」(1999~2001) Photo:Toshiaki Makihara
AirBoard」(1999~2001)
PostPet」(1997~) (c)So-net Entertainment Corporation
PostPet」(1997~) (c)So-net Entertainment Corporation
ThanksTail」(1996) Photo:Makihara Toshiaki
Over the Rainbow
(1994)
Photo:Toshiaki Makihara
視聴覚交換マシン」(1993) Photo:Mikio Kurokawa
視聴覚交換マシン」(1993) Photo:Mikio Kurokawa
OpenSky 2.0 Trailer


OpenSky Test Flight in Kanazawa


「FairyFinder」(2005)


メールソフト「ポストペット」の開発者として名を馳せる以前から、「視聴覚交換マシン」を皮切りに、特殊なコミュニケーションツールを次々と創り出し、不自由な状況下から生まれる開放性、不可視なるものの可視化などのテーマを追求してきたメディア・アーティスト八谷和彦。「SMTV」や「メガ日記」など、現代の動画共有サイトやブログを示唆する作品を90年代より発表してきた彼は、コミュニケーションツールが飛躍的に発達した現代をどのように捉えているのか? 近年では、『風の谷のナウシカ』に登場する飛行装置メーヴェを実際に作るという壮大なプロジェクト「オープンスカイ」で各方面から注目を集める彼に、自身が代表を務めるペットワークスにて話を聞いた。

Text:原田優輝


まず始めに、アーティスト活動を始めるようになるまでの経緯から教えてください。

もともと、学生時代にはグラフィックデザインを学んでいたんです。自分たちは写植を学んだ最後の世代なのですが、その頃からMacも出始めていて、自分もコンピューター触りたかったんですね。それで、大学の先生にMacのソフトを輸入している会社のアルバイトを紹介してもらい、 Photoshop Illustrator などのβ版を使って作例を作る仕事なんかをやっていました。卒業後は、コンサルティング会社にプランナーとして入りました。仕事自体は面白かったのですが、どうしてもクライアントありきのものばかりだったので、「SMTV」というコミュニティFM局のテレビ版のようなものを自分たちで作り、色んな人のインタビューなんかを流すようになったんです。そんなことをしているうちに、美術館やギャラリーから声がかかるようになりました。

「SMTV」のどんな側面がアートシーンから注目されたのでしょうか?

既存のメディアに対して、インディペンデントな試みをしている人たちという紹介のされ方でした。町田市版画美術館で僕らがやったのは、機材一式を洋服の中に仕込み、カメラを胸の部分に付けて、自分が見ている映像を展示会場に来た人が共有できるという試みでした。今は、個人が撮った映像をYouTubeとかで簡単に共有できますが、当時はそういうことを個人レベルでできるとはあまり思われていなかった。でも、こういうやり方であればそれも可能になるということを提示するのが目的でした。

その頃は、アートへの意識はどの程度あったのですか?

元々現代美術には興味があって、よく展覧会を見に行ったりはしていたのですが、当時はまだ自分たちがやっていることがアートだとは思っていなかったですし、今でもSMTV時代の活動はアートだとは考えていません。ただ、美術館から依頼された時に、自分たちが持っている機材を使って何か面白いことができれば、アートの展示としても成立するのではないかとは思ってやっていました。それが後の「視聴覚交換マシン」などにもつながっていったんです。

hatiya

八谷さんの作品には、「SMTV」「視聴覚交換マシン」など、コミュニケーションをテーマにしたものと、現在進行中の「オープンスカイ」や、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のホバーボードを実際に作った「エアボード」などの乗り物系の作品の2パターンに分けられると思いますが、両者に関連性はあるのですか?

どちらかを続けていると、もう一方がやりたくなるという感じです。コンピューターを使った仕事というのは、作業的にはチマチマしているんですよね。それはそれで面白いんですけど、そればかりやっていると、「もっと野蛮なこともやりたい」と思い始める(笑)。乗り物系の作品に関しては、無重力を生成するというのがひとつのテーマになっています。「エアボード」を作ってみて、地面から1センチ浮くくらいでは物足りなく感じて、「オープンスカイ」に辿り着いた(笑)。これはハンググライダーに近い乗り物で、運動神経や体力も必要になるので、今しかできないだろうと思って始めたのが37歳の頃でした。できれば厄年の前に完結させたかったのですが…(苦笑)。これらの作品は、「自分にしかできない」と思い込んでやっているところがあります。サーフィンやスケボーのように身体を使ってやるということもそうだし、危険をともなったプロジェクトなので、開発していくのはエンジニアよりもアーティストの方が向いているんじゃないかな、と。

hatiya

「オープンスカイ」は、その過程をずっと記録されてきていますよね。ドキュメントするということもやはり重要な要素なのでしょうか?

映像の重要度はとても高いですね。先日も金沢でのテストフライトに行ってきたのですが、その時も撮影スタッフを3人連れて行きました。この作品に関しては、失敗しても映像が撮れてさえすれば良いというのがあって(笑)。普通、失敗は歓迎されないものですが、例えば「エアボード」なんかをビデオで紹介すると、エアボードから火が出るシーンとかが一番ウケるんです。「ウケ」を主眼にするのもどうかと思いますが(笑)、失敗も含めてプロジェクトだと思っているので、記録は大事なんです。

「オープンスカイ」も、機体が空を飛んでいる写真を見るのと、試行錯誤を繰り返しているメイキング映像を見るとでは、受ける印象もかなり変わりますよね。

完成した美しいものだけを見せるのではなく、むしろ普通は見せないであろう、白鳥が下でバタバタしているような部分も込みで伝えたいんです。もともと、実行不可能なことをなんとか実現するということが好きなのですが、でもそれをやっている人間は別にスーパーマンでもスペシャリストでもない、ということも重要だと思っています。僕よりスキルを持っている人なんて、当然たくさんいるわけなんだけど、「素人が作った普通じゃないもの」しかもそれがキチンと「機能する」というところに自分の作品の本質があると思うんですね。アイデア一発でどうこうするというよりも、試行錯誤も含めて提示したいんです。

hatiya

その辺りが結果的に「自分にしかできないこと」というところにつながっていくのかもしれないですね。ところで、先ほども話に出た「無重力」にはある種の憧れのようなものがあるのでしょうか?

重力って常に僕らを縛っているじゃないですか。だから、それから一瞬でも解放された時というのは、本当に気持ち良いんです。例えば、スノーボードで良いコンデションで滑れた時はスゴく気持ち良いし、スケートボードも好きで、大学生の頃ランページを木から作ったりもしていて、最近の作品も結局そういうものの延長にあるんじゃないかと思っています。僕にはデッサンや彫刻の経験があるわけではないからこそ、結局自分が気持ち良いと思う感覚を拠り所にするしかないというのもあるんですよね。また、コミュニケーション系の作品の場合だと、その本質は体験している人たちの間で生成されるものがほとんどだと思うんですけど、乗り物系の作品にはちゃんとした形があるので、体験できない人にとっても、ある種彫刻として機能するだろうと思ってやっているところはあります。

一方でコミュニケーションをテーマにした作品群には、一貫して追求したいテーマはあるのですか?

「視聴覚交換マシン」などのように、あえて不自由な状況を作り出すことが多いのですが、困難なシチュエーションを乗り越えた時に、気付いたりすることってあるじゃないですか。恋が芽生えたりすることもありますし(笑)。「ポストペット」なんかでも、相手のペットを殴ることも可能だったりするのですが、これらの作品によって、何かを便利にしようという気はあまりなくて、基本的には不自由さから何か予測のつかない物が生まれれば良いという方向でやっていきたいとは思っているんです。

hatiya

「ポストペット」をリリースされた90年代から比べると、情報のインフラは飛躍的に進歩していると思います。八谷さんはそんな現代社会におけるコミュニケーションのあり方をどのように捉えているのでしょうか?

今はネットワークを通じて、多くの人が簡単にコミュニケーションを取れるようになりました。だからこそ、そろそろみんな飽きて疲れてきているんじゃないかと感じています。コミュニケーションが簡単に取れるようになればなるほど、それが義務化して、仕事のようになってきてしまうので、ちょっとヤバいんじゃないかと思うことはあります。特に、うつ傾向のある友人が、1日に何度も Mixi の日記を書いているのをみると、こういうコミュニケーションを常に取れるような環境が人間の精神衛生上よいかというとちょっとわからないところがあって…。そういうこともあって、最近はコミュニケーション系の作品からは遠ざかっていたのですが、「オープンスカイ」がもうすぐ一段落しそうなので、そろそろ真剣に考えていこうかと思っています。いわゆる「電子的」なコミュニケーションツールではないのですが、やり残しているアイデアなんかもまだあるので。

八谷さんはペットワークスの代表でもあり、また、開発者的なこともされていると思うのですが、基本的には「アーティスト」という立ち位置でプロジェクトに関わることがほとんどなのでしょうか?

大概はそうですね。肩書きも「メディアアーティスト」で通しています。「代表取締役」と言うつもりもあまりないし、「発明家」でもありません。例えば、「発明家」の場合は、量産して利益を上げることまで考えないといけないと思いますが、「アーティスト」の場合、役に立たないものを作ってもいいわけです(笑)。機能があるということは大切にしていますが、それが役に立つかどうかは保留にしてもらっているところがあって、例えば「ポストペット」は今も継続していて、ソフトウェア開発やグラフィックのチームと一緒にやっているのですが、基本的には自分のアートワークの一貫だとも思っています。できれば、仕事と作品はなるべく区別せずに、両立させてやっていきたいのですが、最初に「稼ぐ」という目的でやってしまうとぼくみたいな人がやる意味がない。そして、それができるのはアーティストという立場くらいしかないんですよね。

hatiya

作品を商業ベースに乗せていくやり方は、アート作品が消費されにくい日本で活動していることにも影響しているのでしょうか?

確かに、アーティストが作品作りだけでは食べていけない状況というのがひとつの要因ではありますね。日本のアートマーケットはまだまだ小さくて、買う人たちが限られています。でも一方で、日本人の場合、フィギュアなどの趣味にお金を使う人は多いので、その層に受け入れられ、なおかつ作家性の強いものもあり得ると思うんです。例えば、「momoko」などのドールシリーズをうちの会社で作ってもいるんです。僕自身は、「momoko」のお仕事にはあまりタッチしていないんですけど、量産可能なアート作品を、一定の層に向けて発信していくやり方はなんとか成立するんじゃないかと思っています。

「オープンスカイ」に関しては、作品そのものが試作とも言えると思うのですが、これについても「量産」というのは視野に入っているのですか?

例えば、「エアボード」の時は、実際に道路を走ったらアスファルトを溶かしてしまうし、量産化できないことは当然わかっていて、でもその上で試作するということが面白かったわけですけど、「オープンスカイ」についてはその辺が微妙なんですよね。一応「航空機製造プロジェクト」として成立していますからね。実は、対空検査に通るくらいの強度はあるし、技術的には(量産は)できると思うけど、それを自分がやるべきなのかというのはまた別の話だとは思っています。簡単にできないのは、もちろん安全性の面もあるし、法律の制限もあるし、資金の問題もあります。もちろん権利問題だってありますし…。ただ、最近思うのは、思ったより「乗りたい」って人が多くて、「僕が作って乗りました。そんで安全性考えて、これで終了です」でいいのかどうかを少し考えてもいて。もしも状況が許せば、あと数機だけ作って、例えば自動車の運転免許合宿みたいなスクールを開いて、卒業生が実際に乗れるというような試みができないかな、とか妄想したりすることもあります。

hatiya

最近はエンジン付きの機種も試作されているようですね。

そうです。もうすぐ完成予定で、12月5日〜9日までスパイラルガーデンで完成機のお披露目展示をする予定です。試験飛行で大破する可能性もないわけじゃないので、できればその前に皆さんに見ていただきたいと思って。

それで「オープンスカイ」は一段落という感じになるのでしょうか?

そうですね。ただ、「オープンスカイ」に関してはいくつか夢があって、ドキュメンタリーとしてDVDとかにまとめたいなというのはもちろんあるし、先ほどのスクールもそうですが、アートショーばかりではなく、例えば、航空ショーなんかで展示できたら良いなと思っています。この機体が、戦闘機に挟まれて展示されているところを写真で撮りたい(笑)。そもそもこれを作ったひとつの動機もそこにあるんです。飛行機というのは、戦争と密接に関わってきた乗り物ではありますが、そことは関わりのないところから生まれた「平和」をイメージさせる飛行機を、個人の手で作りたいというのがあったんです。

最後に、今後の予定などを教えてください。

現在日本科学未来館で展示中の「魔法かもしれない。」が来年の1月6日まで続いています。ここでは「フェアリーファインダー」という「肉眼では見えないもの」をテーマにした作品を展示しています。子供でも扱えるインタラクティブな作品として、特殊なコースターを動かしながらテーブルを観察すると、小人がテーブル内を動き回るというようなものを作りました。最近、宗教と科学のことや、あるいは迷信と科学の関係とかを考えることが多くて。なんで妖怪や妖精のようなものを人は仮定してしまうんだろうとか、そういうものを作品を通して考えてみたかったんです。子供が生まれたことをきっかけに、自分の宗教観が変わってきたところがあって、宗教とか妖精とか妖怪というものは、人間の心の壊れやすい部分を補うために、あるいは社会的必然性から創り出されたものなんだろうと、最近は強く感じているんです。それをこういうカタチで表現すると、一見「魔法」に見えるんじゃないかな、と(笑)。最初は、魔法でも科学でも美でもなんでもいいので、まずはココロが動く、というのが大事なんじゃないかとか最近考えているんです。


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