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1976 年千葉県生まれ。日本デザイン専門学校卒業後、グラフィック広告の制作プロダクションに入社。電通インタラクティブ・コミュニケーション局(IC 局)への出向を経て、 2005 年独立。2006 年カイブツになった。カンヌ広告祭銀賞、One showインタラクティブ金賞、Clio金賞、NY ADC銀賞、ロンドン広告賞、東京インタラクティブアドアワード金賞など。
contact KAIBUTSU URL: www.kaibutsu.jp E-Mail:kitani@181cm7 |
『井上雄彦・最後のマンガ展』Webサイト |
『井上雄彦・最後のマンガ展』Webサイト |
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「booing.jp|全日本ご不満放出選手権」 |
「booing.jp|全日本ご不満放出選手権」 |
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『モバロンドール』 |
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グラフィック広告の制作プロダクションに在籍中、電通IC(インタラクティブ・コミュニケーション)局への2年間の出向を経験し、その間に今や語り草となっている伝説のプロジェクト、井上雄彦「スラムダンク」1億冊感謝イベントに参画。その後、2005年に「カイブツ」を設立し、現在では、Webにとどまらず、モバイル、グラフィック、さらには個人作品まで幅広い分野で企画からデザインまでを手掛けている木谷友亮。もの作りへのピュアな衝動を制作エネルギーへと転化させ、膨大な量の仕事を同時進行させる、まさに”カイブツ”的バイタリティの持ち主、木谷友亮に話を聞いた。
Text:原田優輝
デザインの仕事を始めるようになった経緯を教えてください。
僕は工業大学の出身なのですが、そのまま就職するとなると、メーカーで車のヘッドライトを作ったりするような、普通のサラリーマンで一生を終える気がして、これはまずいと突然思ったんです。それで、グラフィック・デザインの専門学校でもう一回だけ勉強することにしたんです。なぜその時にデザインを選んだのかは今ではもう覚えていないのですが…。専門学校を卒業して、グラフィック広告の制作プロダクションに入りました。
以前からデザインやアートに興味はあったのですか?
今でもそうなのですが、ほとんど興味がなかったんです(笑)。特別絵が上手かったというようなこともなかったですし。だから、特に影響を受けたアーティストやデザイナーもいません。マンガは好きでよく読んでいたのですが、特に作家性が強い作品でははなく、「ジャンプ」や「マガジン」など、普通の人が読むようなマンガが好きでした。だから、本当に超普通人なんですよ(笑)。
Webの仕事をするようになったのはいつ頃からなのですか?
グラフィックの制作会社にいた時に、電通IC局に出向することになったんです。それまではWebに全く興味がなくて、専門知識もなかったんですけど、そこでメチャクチャWebの仕事をやらせてもらえたんです。突然とんでもなく不規則すぎる生活になり20ヶ月で20キロ太りました(涙)。Webに関しては、いまだにそんなに適正はないと思っていますけど、プレゼン資料の作成や素材集めなどの部分で割と小気味良く動くことができたので、そういう部分が重宝されたんじゃないですかね(笑)。
「booing.jp|全日本ご不満放出選手権」
出向時代にデザインに対する考え方が変わったりはしましたか?
とにかく仕事量が増えたので、それによって引き出しは増えました。でも、そもそもデザインに対して確固たる考えを持っていたわけでもないですからね(笑)。基本的に、広告をやっているデザイナーは、作家性よりも臨機応変性が重要だと思っています。当時はそんなことすら考えていなかったですけどね(笑)。年を重ねるごとに、少しは考えるようになりましたが、「デザインとはこういうもの」ということにあまり縛られないようには意識しています。常に新しいことをやっていきたい。今もグラフィックやモバイルサイトなど、Web以外の仕事も色々やっています。とにかく同時に色んな仕事をやりたいんです (笑)。平均すると、並行して10件以上のプロジェクトが進行している感じです。パソコンの画面にファイルをいくつも開いておいて、ひとつの仕事に行き詰まったら、別仕事に取りかかるという感じで節操なくやっています(笑)。飽きっぽい部分があるというのも関係していると思うんですけど、色々やっていると、ある仕事でやっていたことが、別の仕事で役立ったりすることもあるんです。
それだけ多くの仕事を同時進行させていて、頭の切り替えはできるのですか?
全然大丈夫ですよ。仕事に対しては、あまり喜怒哀楽が激しくないからできるのかもしれません(笑)。逆に、仕事がひとつだけとかの方が不安になります。それは経済的な部分でもそうですし、デザイナーとして一生にできる仕事の量は限られているわけで、なるべく若いうちに色々やって勉強しておいた方が良いかなと思うんです。年を取った時に、それが別の事に活かせるかもしれないですからね。もちろん、今の仕事が楽しいからこれだけやれるという大前提はありますけど。
最近の仕事の割合は?
最近は、グラフィックが一番多いかもしれないですね。今はモノとして残る仕事がやっていて一番うれしいんですよね。以前からマンガ家の井上雄彦さん関連の仕事をデザイナーとして手伝っていて、WebやDVDパッケージ、ポスターなどの告知物などを作っています。また、上野の森美術館で開催された個展『井上雄彦・最後のマンガ展』の作品やメイキング写真などを収録した本のデザインもやりました。やっぱり、誰かが手に取って見てくれるというのは良いですね。Webの場合は、ものスゴく時間がかかる割に、その苦労とかがなかなか画面からは伝わらないですからね(笑)。
『井上雄彦・最後のマンガ展』ポスター
Webの仕事についてはどのように捉えられているのですか?
僕がWebを始めた頃は、業界自体がちょうど伸びている時期だったんだと思います。だから、予算は全然なかったけど、自分たちで撮影して、テキストも書いてという感じだったのですが、それが楽しかった。でも、そもそもWebはカタチに残らないものだから、もの作りをしている感覚を得ることはなかなか難しいんですよね。最近は、Webで人を感動させたり、愛着を持ってもらうことの難しさを切に感じています。今はWebの転換期のような気がするんですよね。…どうしたらいいんでしょうね(笑)。
何かヒントのようなものは見つけられていますか?
Webの広告サイトというのは、ユーザーの操作が必要なものばかりをつくるわけですけど、最近はむやみやたらにインタラクションを入れても、喜ぶのは業界の人やWebに詳しいユーザーくらいで、一般の人はそんなにそれを求めていないんじゃないかと感じます。…というか、多分間違いない。検索サイトとかはみんな活用していると思いますけど、その辺にいる普通の兄ちゃんとかは、わざわざスペシャルサイトとかを見に行ったりしないと思うんですよね。
そこまで誘導することが難しいですよね。
そうですね。でも、最近モバイルサイトの仕事をしているんですけど、携帯だとみんな熱中して色々触ってくれるんですよね。パソコンの前に座って、マウスを持つという行為が、あまりリラックスできないのかもしれないですね。その点モバイルは、自分の世界にのめり込みやすいのかもしれません。
『モバロンドール』
携帯サイトではどのような仕事を手掛けられているのですか?
NIKE FOOTBALL内のコンテンツとして、選手を集めてオンラインで対戦するサッカーゲーム『モバロンドール』を作りました。この仕事では、企画からスタッフィング、デザインまでを自分で手掛けています。登場する選手たちを、誰もが所有したいと思えるキャラクターにしたくて、その時期にたまたま作品を見せてもらっていた切り絵イラストレーターのアンクル・ボブさんにキャラクター・デザインを依頼しました。10月には、また別のモバイルサイトがローンチされるのですが、そっちでは自分でキャラを50個くらい手描きしました。特に絵が上手いわけではないので、今流行りの「ゆるキャラ」という感じですけどね(笑)。でも、写真やイラストはやればやるほど上達はするから面白いですね。
モバイルサイトでは、表現できる画面が物理的に小さいということもあり、デザイナーとしての手腕はなかなか発揮しづらいところもありますよね。
もはやデザインの及ばないレベルですよね(笑)。でも、自分にとって一番面白いのは、実はデザインよりも企画なんです。まず企画ありきで、それを具現化するためにデザインをしているだけなんです。デザイナーとして頼まれることも多いのですが、自分はあまりデザイナー気質ではないような気がします。デザインにこだわって、一日中モニターとにらめっこするようなことができないですしね。頭の中にイメージができたら一気に作ってしまうので、思い切りはいいと思います(笑)。でも逆に、生粋のデザイナー気質の人たちが羨ましいと思うこともあります。
プロジェクトにどのような立ち位置で関わることが多いのですか?
かなり適当ですね(笑)。カイブツに直接依頼が来て、企画全体を任されることもあれば、デザイナーとして入ることもあります。だた、その場合でも企画の段階から入れてもらうようにはしているし、誰か一人が企画して、それをみんなで進めるというよりは、企画の段階からみんなで意見を持ち寄ってやることがほとんどですね。
面白い企画を考えていく上でのポイントがあれば教えてください。
うーん、…特にないですね。なかなか「あ、思いついた!」という感じにはならないですよね(笑)。みんなでブレストしているうちに面白くなっていくというケースが多い気がします。とはいえ、デザイナーの仕事も多いから、自分の企画が採用されないことも多々ありますよ。でも、企画段階から入っていると、どんなデザインにしたらいいかというのはわかりますよね。
『井上雄彦・最後のマンガ展』Webサイト
カイブツとして大切にしていることは何ですか?
ひとつひとつの作品へのこだわりはそんなにありませんが、「モノを作る」ということ自体にはこだわっていたいと思っています。そのきっかけのひとつになったのは、電通出向時代に参加した井上雄彦さんの「スラムダンク」1億冊感謝イベントの仕事です。このプロジェクトは、6、7人くらいの少人数のチームで作ったのですが、スゴくピュアなもの作りを体験させてもらえたような気がしたんです。僕は小さい頃に宮大工に憧れていたりと、元々モノ作りは好きだったんですけど、どうしても普通に会社で働いていると、なんでも仕事っぽくなっちゃうじゃないですか。でも、仕事で作らされるのと、自分で作りたいから作るというのではやっぱり違う。だからカイブツは、仕事っぽくなく、モノをちゃんと考えて作れる会社でありたいと思っています。ただの制作プロダクションには成り下がりたくないし、僕自身、元々工業大学の機械科出身という、グラフィックデザイナーになろうとする者としてはあまり恵まれていない環境で、運良くデザイナーになれたような人間なので、モノを作ることのありがたさは常に大切にしたいんです。
プライベートワークの制作も続けているそうですね。
写真等を緻密にコラージュした巨大な作品を年に1つくらいのペースで作り続けています。いつかは展示もしたいと思っているのですが、スゴく大きな作品なので、アートをやっている友達に聞いたりしながら、出力の方法とかも色々考えているところです。
最後に最近手掛けられた仕事について教えてください。
最近、丸井のエポスカードのデザインを色々なアーティストに依頼したキャンペーン「 EPOS:100 Design Cards 」に、デザイナーとして参加しました。印籠カードとか、デコトララメ付きカードとか数点採用されました。あとは、11月中旬にローンチ予定の面白いWebサイトを作っているのですが、それはまだ詳しくは話せません(笑)。











