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K404( World Invaders )とCrystalの2人により、2002年よりトラック制作開始。コンピレーション『TURBOSONIC VOL.1』、『ELECTRO DYNAMYC Vol.2』などへの楽曲提供、 Back Drop Bomb 、 The Arrows などのリミックスなどを手掛ける。また川崎工場地帯の某工場屋上にて行われているパーティ「 DKSOUND 」ではレジデントDJを務める。2007年7月にファーストアルバム『Technicolor』をリリース。続く8月には12インチシングル『Badwiser / Digital P(Cherryboy Function Remix)』をリリース。
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工場の屋上から見渡す夜景はやたらにだだっ広く、他の工場や橋のライトが灯り、時々どこかの煙突が火を噴く。焦点距離を変えて二重に映し出されたVJには「PEEPING SHOW」のネオンサインが浮かび上がり、LEDで形どられた目玉が左右に視線を送る。インダストリアルな世界とアーバンで官能的な感覚が交差するところに DK SOUND はある。DK SOUNDとは、工場の屋上で行われているレイブパーティーである。トラックスボーイズはDK SOUNDのレジデントDJであり、08年10月に2ndアルバム『Bring The Noise』をリリースする。インタビューは08年のベトナムでのライブの話題から始まる。
Text:山口浩司( themassage.jp )
K404(以下K):先日、ベトナムにライブで呼ばれて行ったんですけど、地元の外人向けの新聞の取材が来てて、記事に「Traks Boys bring the noise」って見出しがついてたんですよね。その時のライブはものすごく盛り上がって、僕らも手応えがあって、スゴい良かったんですよ。それにアルバムの曲も結構ノイジーなものが多いというのもあって。
Crystal(以下C):「bring the noise」って、パーティーを盛り上げるみたいな意味もあるし、なんかいいなと思って。
ベトナムのシーンはどんな感じでした?
K:シーンは、…たぶんない。
C:ベトナムに住んでいる欧米人たちがやっていたパーティーだから、ベトナムの人はあまりいなかったしね。
K:社会主義国だから取り締まりとかも非常に厳しいし、たぶん現地に住んでる外国人と現地の人との経済格差もかなりあるみたいで。そういう遊びができるのは外国人だけに見えた。実際に現地の人はほとんど遊びに来てなかったし。一応バーみたいなところもあって、「そこでアフターパーティーやるからDJやる?」みたいな感じでDJもやったんだけど、12時になるとシャッターを閉めるの。中ではできるんだけど、やっぱり外国人ばっかで、唯一来たベトナム人はヤクザみたいなヤツらだった。帰る時も「騒いだら捕まるから、絶対に騒がないで下さい」って。通りに出たら、もうシーンとして、真っ暗。
C:夜、本当に人いないよね。昼間はすっごいいるんだけど。
Photo:kanamedia
なるほど。今回アルバムを作るにあたってコンセプトとかはありましたか?
C:コンセプトというよりは、いつも曲を作る時にインスパイアされるものが機材だったりするんだよね。前のアルバムを作った後に、ライブを本格的にはじめようと機材を一新したんだけど、マシンドラムという新しいリズムマシンと、 MC-808という機材をゲットしたら、曲がどんどん出来た。
機材のどういうところにインスパイアされるんですか?
C:シンセの音色とかかな。ある音色があって、それを聞きながらつまみとかいじってるうちに、「このつまみをこうあげていくことで展開出来るな」とか「このエフェクターかましたらこういう曲調になる」とかね。そういう作り方が多かったので、今回はこういうのを作ろうというよりは、勝手に出来ていったと言う方が近い。まあ、その過程で色んな音楽的影響とか、自分たちのDJとかパーティーからのフィードバックはもちろんあるけど、割とさくっと出来たっていうか。あと、今回はエンジニアがいたということもあって早かった。
前作『Technicolor』に比べて、ずいぶんメロディーを重視している印象がしたのですが、ファーストを出してから今までの間にインスパイアされた音楽にはどういうものがありましたか?
C:個人的には、昔からロックを聞いてたってこともあって、確認作業じゃないけど、それらをまた聴き返したりしてた。上ものに関してはそういう部分も出てるかな。リズムの面でも、もちろん4つ打ちの曲もいっぱいあるけど、ロック的なリズムを使ってるのも何曲かあって。それもあえてやったというか、こういうのを作りたいというのがあった。あ、だからそうだね、シンセの音色にインスパイアされて作った曲もあるけど、そうじゃないのもやっぱりあるな。ロックバンドの曲を聴いて、「このリズムを使ってダンスミュージック的に展開させたらどうなるんだろう」とか思って、作ったやつとかもある。
80年代初頭の独特なエスノ感、ワールドミュージックに影響を受けてるんだけどフェイクな感じというか、そういうテイストも感じました。
C:たぶんそういうエスノ感みたいなものは意識してなくても出ちゃってるっていうか。
K:そうだね、日本発の変な感じっていうか。
C:それはトラックスボーイズ結成時とかに、「君に胸キュン」のビデオを2人で見てたりしてたから(笑)。その影響というか、そういうものが一番最初にあった。それで産湯に浸かったみたいな。だからそれはね、別に意識せずにもある部分っていうか。
Photo:kanamedia
今回のアルバムを作る時に、そういう一緒に盛り上がったものってありますか?
K:なんだっけ? 音楽的に何かな?
C:曲を作る時にリズムだったり、テイスト的な部分で参考にしたものはあります。キュアーの『close to me』とか、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『soon』っていう曲とか。ただ実際に自分たちで曲を作ってみると、全然違うものに変わってはいるけど。
ファーストに比べると一曲一曲が長くなりましたよね。
C:それは前回の反省というか、1枚出してみて考えたことなんだけど。たとえば iTMS とかで買う場合は、短い曲とか、インタルード的な曲とか、そういうのはみんな買わないんだな、と。だから、1曲ずつ手応えがあるっていうか、がっちりした曲を作ってアルバムにした方がいいと思った。個人的にもそういう音楽の聞き方をしていて、単純に長いとうれしい。ダンスミュージックも最近は長い曲が多くて、それが普通になったというか、5分だと短く思えるようになったんだよね。
リンドストームのニューアルバムも、すごく長い曲が3曲収録されているだけでしたし、最近のダンスミュージックは曲が長くなる風潮があるんですかね。
C:なんか全体的な傾向としてあるよね。個人的にはダンスミュージックの良さを引き出すには長い方がいいと思っていて。導入部があって、展開して、アウトロもあるみたいな。そういう構成を作れるのはダンスミュージックの強みだから。逆にロックは瞬発力の音楽だと思っていて、一瞬でギターが鳴った瞬間にどこまで連れて行けるかだと思う。それくらいのインパクトをダンスミュージックで出すには、長さと展開が必要で、そこはちょっと心がけた部分かな。
K:あと、音楽がメディアにとらわれなくなってきてるということもあるね。今回これはCDだけど、ダウンロードでも販売出来るし。何なら30分の曲を作ってもいいわけだし。そういう感じなんですよね。
Photo:kanamedia
ファーストからこのアルバムまでの1年は、すごく色んな変化があった時期だと思うんですね。 MySpace が日本でも本格的に動き出してたり、あと楽曲のダウンロードもそうだし、デジタルDJもそう。逆に、渋谷のレコ屋はバッサリなくなったり。
C:そういう影響も少なからずあると思う。
K:実際に自分たちもデータでプレイするものがどーんと増えたし、レコードも10枚くらいしか持って行かなくなったし、場合によっては持って行かない。実際に変わりましたよね。
C:ただ、レコードの魅力というのは変わらずにあるんだけどね。箱のセッティングにもすごく左右されるけど、特に音圧面というか、やっぱりレコードの音の迫力がすごい場合は多々あるから。それはもうアコースティック楽器と電子楽器くらいの違いがある。だからもちろんレコードも買ってますよ。
トラックスボーイズのやっていることは、テクノロジーと密接に関係してますよね。
C:そうだね。お互いそういうのが好きというスゴく単純な出発点ではあると思う。まあ、結成のきっかけも機材だったしね。
K:カッコ良い機材とかには、いち早く食いついていこう、と。「カッコ良い」とか、そういうのもすごく重要なキーワードだったりするから。
そういう部分でのアップデートは重要ですか?
C:そこからインスパイアされる部分も多いしね。まあ、ある意味軽いノリかもしれないけど。
でも、そもそもデジタル化というのは、そういう感覚なのかなとも思います。消えるものの美しさみたいなことも、もしかしたらどんどん重要になっていくのかなという感じもするんですよね。
K:それに対してはそんなに抵抗ないよね。今まで使っていたものへの愛着もあるかもしれないけど、それを捨てて新しいものに行くのも別にアリというか。それこそ機材を丸々変えるとかもアリだろうし。
そこで音楽性が変わったとしても構わない?
K:うーん、音楽性は変わんないと思うけど。
C:変わらない部分はちゃんとあるから、ある意味服を着替えてるだけというか。そういうもんだと思うんだよね。でも、機材的な部分とかをアップデートしていくっていうのは、やっぱりリアルタイム感とか、同世代感が出る部分ではあると思うし。それを全然やらない方法もあるんだけど、僕らはアップデートしていく方向。それは、どっちが良いとかいう問題じゃないけど、方向性としてトラックスボーイズはそういう同時代性は出したい。でも、同時代性は大事なんだけど、ひねりたいっていうか、ちょっと違う感じも絶対に出したい。時代の流れにそのまま乗っかるのはイヤ。そういうところはずっとあるよね。
Photo:kanamedia












