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95年、スコットランドのグラスゴーで、「真摯なギターミュージックの創作」を目指し結成。自主レーベルRock Actionよりシングル『Tuner/Lower』でデビューする。97年にグラスゴーのインディーレーベル、ケミカル・アンダーグラウンドと契約し、初のフルアルバム『Mogwai Young Team』をリリースする。99年には傑作の誉れ高い2ndアルバム『Come On Die Young』をリリースし、イギリスにおける人気を確立。その後、『Rock Action』、『Happy Song for Happy People』、『Mr.Beast』を発表し、06年にはフジロックフェスティバルホワイトステージのヘッドライナーを務め、満員の観客を熱狂させた。アルバム毎に常に新しいロックのあり方を提示し、変化し続ける真のチャレンジャーとして、ポストロック界で現在最も影響力を持つバンド。
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孤高のインストゥルメンタル・ギター・バンド、モグワイから通算6作目となるオリジナル・アルバム『The Hawk Is Howling』が届けられた。前作『Mr. Beast』から約2年半、5人が到達した新たなる境地。静寂と轟音の間をさまよう、モグワイだけにしか生み出すことのできない、ダイナミックかつエクスペリメンタルな音世界が広がっている。同アルバムの魅力からバンドの近況についてまで、来日中のバリー・バーンズ(g/key/flute)に話を聞いた。
Text:高間淳(Captain & Me Inc)
まず、新作のタイトル『The Hawk Is Howling』の由来を教えてください。
ラジオのインタビューで、ドアーズのオルガン奏者(レイ・マンザレク)が、シカゴ(都市)の話をしていたんだ。そのとき彼は、シカゴの強風を「The wind is howling(=風がうなっている)」って表現したかったみたいなんだけど、なぜか「The hawk(鷹) is howling」と口に出してしまったのさ。英語の響き的にそれがすごく面白くて、バンドの皆の間でかなりウケたんだ。ラリッてて思わず口走っちゃったんだと思うけど(笑)、とにかく面白かった。そこから取ったってわけ。
モグワイの楽曲には歌詞そのものが存在しないわけですが、そもそも楽曲のタイトル自体、どうやって決めているのですか?
タイトルよりも音楽を先に作るんだ。(タイトルの)ほとんどは意味がないものなんだけど、誰かの面白かった発言とかを基にしていることが多いかな。マスタリングまでは、便宜上適当な言葉があてがわれているだけ。それで、いざマスタリングをする際に、意味はないんだけど面白かった言葉を適当に選んでつけているんだ。例えば10曲目の『The Precipice』は「崖の先端」という意味で、メンバーの誰かが見た、崖から落ちそうになった夢の話が元ネタ。6曲目の『Kings Meadow』というのはグラスゴーのある地区の名前なんだ。そこはものすごいスラム街で、絶対に王様が来そうもないところにもかかわらず、“Kings”だなんてさ(笑)。その程度の、他愛のない、内輪で面白かった言葉を思い付きだね。

Photo:Teppei
今回の制作にあたって、どのようなアルバムを目指してレコーディングに入ったか教えてください。
実はモグワイって、いつも何も考えずに制作に入るんだ。こういう作品にしようとかは、いっさい考えないね。大体、あるメンバーが「こういうのがあるんだけど」って曲のアイデアを持ってきて、それをもとに皆でセッションしながら考えていく。何回もそれを繰り返していくことによって、それぞれのパートを固めていくという作り方なんだ。今回もこれまで通り、何も考えずに、ひたすらセッションを繰り返すことによって形成していったんだ。
モグワイの音楽は、そのオリジナルさゆえに1stアルバムからしっかりしたスタイルが確立できたのだと思います。新しいアルバムの制作にのぞむ際、特に気をつけていることを教えてください。
アルバム制作の際、自分たちが意識しているのは、同じことを繰り返さないということ。この曲は前のアルバムに入っていてもおかしくない感じだなと思ったら、その曲はボツにするんだ。確かに、リスナーからは「この曲は前のアルバムっぽいよね」とか言われたりすることもあるけど、自分たちが意識的にそうすることは絶対にないね。同じことを繰り返さず、常に何か違ったことをやってみるんだ。ただし、いきなりジャズ・バンドになるとか、根本的に違うことはやらないんだけれど…。自分たちの持ち味を踏まえながらも、常に新しいことに発展させていくっていうことかな。それが13年間もいろんな人に聴いてもらえている理由のひとつだと思うよ。あと、バンドって、まわりの人間の意見を聞き始めると面白くなくなってきてしまう傾向があるよね。だから、自分たちは誰が何を言おうと決して耳を貸さないんだ。意見に惑わされないっていうのも、アルバム制作において大切な要素だと思うよ。
あなたたちほどイノベイティブなサウンドを鳴らして成功したインストゥルメンタル・バンドは他に見当たらないと思うんですが、これまでの活動を振り返ってみてどう思われますか。
確かにシンガーがいないバンドとしては成功している方だと思うけど、大ブレイクしたことはないね(笑)。ただ、全世界的にどの国でもそこそこの人気を保っていると思うよ。こういう恵まれた環境で活動できているのは、まずレコード会社やエージェントなど、周りのスタッフに恵まれたってことが大きいね。それと、自分たち自身もずっと努力を続けてきたこと。ツアーもかなりやってきたしね。心を込めて努力して取り組んできたことが報われたのかなとも思うよ。

Photo:Teppei
フジロックや朝霧JAM ほか、日本でも素晴らしいパフォーマンスを披露していますが、日本のオーディエンスについてどういう印象を持っていますか?
日本のオーディエンスについて素晴らしいと思うのは、自分たちが演奏している間、誰もしゃべらないってことだね。アメリカやヨーロッパだと、誰かしら常に話しているのが当たり前の状態で、意識したことさえなかったけれど、日本では誰もしゃべらずに聴いてくれるんだ。おかげで自分たちの演奏に集中できる。フジロックで前回やった時も、たくさんのオーディエンスが来てくれてものすごく盛り上がったね。あと、フェスティバル自体も非常によく組織されていて、運営がスゴくしっかりしているね。フジロックは、たぶんヨーロッパのフェスと比べてもかなりちゃんとしていると思うよ。
話は変わりますが、結成から現在に至るまでグラスゴーを拠点にされていますけれど、それはなぜなのでしょうか。
実は、練習ではグラスゴーに集合するんだけど、そんなに常にみんながそこにいるわけではなくて、今はちょっとバラバラになりつつあるというか、場所を変えつつあるんだ。スチュアート(g,key,per)はグラスゴー郊外に住んでいるし、ジョン(g,per)はガールフレンドがいるニューヨークとグラスゴーを行ったり来たり。僕ももうすぐベルリンに引っ越すし、マーティン(dr)もグラスゴーから1時間半くらい離れたところに住んでいるんだ。
グラスゴーにこだわっているわけではないのですね。
もうグラスゴーで同じバーに行くのも飽きてきたから(笑)。僕としてはドイツに引っ越して、何ごともきっちりとこなすドイツ人と一緒に仕事をするのが楽しみなんだ(笑)。
Photo:Teppei
そんななか、あえてグラスゴーの魅力を挙げるとしたら?
グラスゴーの魅力というのは、メジャーな音楽産業の拠点であるロンドンに対して、常に対抗意識みたいなものを持っているところかな。実際のところ、ロンドン出身のバンドに大したバンドはいなくて、グラスゴーやマンチェスター、リバプールの出身のバンドの方が素晴らしいのに、なぜロンドンに産業の拠点があるのか理解できないんだよ(笑)。あと、グラスゴーはいい意味で街の規模が小さいというのも魅力だよね。ただ、さっき言ったように、皆がお互いを知っているから、それがまた窮屈になるところでもあるんだ。それと、グラスゴーはアートシーンがすごく良いんだ。文化的な街で、美術館もいいところがいっぱいあるしね。ただ、良い街ではあるけど、決して大好きというわけでもないね(笑)。
最後に、日本のファンに向けてアピールしたいことがあれば教えてください。
中村俊輔を日本の首相にして下さい(笑)!
最新アルバム『The Hawk Is Howling』は、 HOSTESS ENTERTAINMENT より9月17日発売。

新作リリースに合わせ来日したスチュワート・ブレイスウェイト(g,key,per)とバリー・バーンズ(flu,g,key)。

















