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THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010
Date: 7月30日~ 8月1日
Location: 3331 Arts Chiyoda, Vacant

ZINE’S MATE主催の「THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010」が、3331 Arts ChiyodaVacantの2会場で開催される。240を超えるインターナショナルな出版社、ギャラリー、アーティスト、ブックショップが参加する日本で唯一のアートブックフェアとなる。

HIFANA New Album release
Date: 7月28日

HIFANAによるオリジナルフルアルバム『24H』がリリース。「1日:24時間」というコンセプトのもと、朝起きてから寝るまでに起きる様々なことをテーマに制作された12曲と映像作品12本をCDとDVDに収録。大原大次郎ファンタジスタ歌麿呂など多数のクリエイターが参加する。

オノデラユキ「 写真の迷宮(ラビリンス)へ」
Date: 7月27日~ 9月26日
Location: 東京都写真美術館

パリを拠点に世界的な活動を続ける写真家オノデラユキの個展『写真の迷宮(ラビリンス)へ』が開催中。初期代表作に東京都写真美術館新収蔵作品「Transvest」、「12speed」を加えた9 シリーズ約60点が展示される。

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RYO OHWADA | 大和田良 | Photographer
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大和田良
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『TIME』
『UNIVERSE』
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『TYPE』
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『WINE』
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『World of ROUND』
『World of ROUND』
『prism』(2007 / 青幻舎)
『prism』(2007 / 青幻舎)
『prism』(2007 / 青幻舎)
『prism』(2007 / 青幻舎)
Installation View
Installation View
Installation View
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「そこにあるものを複写する」という記録媒体としての絶対的な特性を持つ写真が、アートフォームとなり得るのは、世界に散らばる様々な素材を、写真家独自の視点で再解釈し、観る者に新たな視点を提示してくれるような表現が成立した時だろう。世界の「記録」と作家の「記憶」の交差点に現れるまだ誰も見たことのない世界をいかに提示できるかが、多くの写真家にとって最大のテーマだ。今回紹介する大和田良は、この「記録」と「記憶」の関係を模索しながら、自身の「美」の記憶をより強度を持った表現に再構築する写真家だ。昨年出版されたファースト写真集『prism』(青幻舎)にも収録されていた「World of ROUND」を始め、様々なアプローチで新たな「美」を提示する彼に、その創作の源泉を探るべく話を聞いた。

Text:原田優輝

写真を始めるようになるまでの経緯から聞かせてください。

中学、高校と音楽ばかりやっていたのですが、ずっと仙台でバンドをしていたので、東京に出たいという想いがあったんです。でも東京に行ったら、バンドのメンバーも一から探さないといけないし、そのためには美大とかに行った方が面白いかなと思い、偶然入ったのが写真学科だったんです。それまでは写真家になりたいとも思ってなかったですし、写真集とかもほとんど見たことがありませんでした。大学に入って、さすがに必要だろうと、一眼レフを買ったくらいですからね(笑)。

アートなどにもあまり興味がなかったのですか?

絵には興味がありましたね。今でもそうなのですが、ウォーホルリキテンスタインなど、ポップな表現が好きでしたね。レコードジャケットのアートワークなどにも興味があって、 ピーター・サヴィルとかも好きでした。現代的な感性を持ったアートやグラフィック・デザインなど、訴えかける力を知っている人たちの表現を、自分のなかで解釈するのがスゴく面白いんです。

ohwada

写真の魅力を感じるようになったのは、どの辺りからなのですか?

最初に写真の魅力に気付いたのは暗室作業でしたね。プリントのモノとしての美しさを感じたんです。その頃は、アンセル・アダムスやウィン・バロックなどの作品を見ながら、美しい写真を撮るための理論を学んでいきました。そこには体系的なシステムができていて、例えば「ゾーンシステム」というネガとプリントのマッチングの方法論があるのですが、そういうものを学ぶ事が面白かったです。

そうした理論的な部分にも興味が強いのですか?

そうですね。自分の作品のイメージも、物理学や数学的な要素を持った美学などから見えてくることも少なくありません。例えば、大学3年生の頃に始めた「World of ROUND」も、当時興味があったエッシャーなどの視覚的に面白い表現や、シュルレアリスムの感覚を基盤にして、そこに黄金比やシンメトリーなど、理論的に美しいとされているものを自分なりに消化したものを作れないかと模索しているなかで生まれた作品なんです。

ohwada

この作品は、どのようにして作られているのですか?

フィルムで撮影したものをスキャナーで取り込んで、それをPhotoshopで加工しています。このシリーズが最初に本気で写真に取り組んだ作品ですね。それまでは、暗室作業は好きだったのですが、撮影しているもの自体は今見てみてもよく分からないものばかり(笑)。でも、大学3年の頃に、写真家の五味彬さんと出会ったり、当時バイトをしていたデザイン事務所で、Photoshopを使ってグラフィック処理をやったりしているうちにデジタルの面白さを知るようになり、写真の可能性がスゴく見えるようになってきたんです。それからは、音楽よりも写真にかける比重がどんどん大きくなっていって、撮るものもしっかり見極めるようになりましたね。当時はまだデジタル写真が全然発達していなくて、大学の授業でも街中の風景を35ミリカメラでスナップするというのが写真の基本だと教えられていたのですが、どうもそれが自分には合わなかったみたいです(笑)。

音楽と写真が表現の上でリンクすることはなかったのですか?

例えば、ジョン・ケージスティーヴ・ライヒとかが、ひとつの理念の元にやっているコンセプチュアルな作品には影響を受けますが、自分の表現としてはまったく別物でしたね。写真から音楽が聴こえることはないですし、音楽から写真が見えることもありません。そもそも音楽と写真は表現できることも違うし、反応も違います。音楽の最大のレスポンスはライブ会場での歓声ですが、写真ではそんなことないですからね(笑)。

ohwada

写真を通して、どのようなコミュニケーションを取りたいと考えていますか?

作品を鑑賞した人の感性や考え方、視点などが拡張されるようなものを作りたいですね。例えば、アフリカのサバンナやナスカの地上絵、月の風景とかって、その場に行ったことがないにも関わらず、みんな知っていますよね。写真でも映像でもそうですけど、新しいものを知ったり、体験できるということがメディア・アートの力だと思うんです。見たことないものや驚きがあるものを表現することで、見る人に少しでも変化が起これば面白いですよね。それはアート全般に言える役割だとは思いますが。

表現において大切にされていることを教えてください。

僕はいつも、最初に明確なイメージがあって、それを撮るためにシャッターを押しています。そのイメージは、今まで生きてきたなかで得た知識や経験、自分の中で拡大解釈した記憶等が元になっているのですが、根本にあるのは、自分が感動したり、美しいと感じたその一瞬を再現したいということなんです。例えば、桜の木をその場で見た時と、絵や写真で見た時では、その場で見た時の方が圧倒的に感動が大きいと思うのですが、僕はその場で感じた美の要素をできるだけシンプルなカタチにして写真に収めたいんです。それが実際に目では見えない風景だったとしても、自分の記憶の中にある美のイメージを、シンプルな構造にして昇華させたいんです。

ohwada

大和田さんの作品は、ひとつのフォーマットに乗っ取ったシリーズ作が多いと思うのですが、これらはどのような流れで生まれていくのですか?

降りてくる感じですね(笑)。まず始めに漠然としたテーマがあって、そこからアイデアを収束させていくんです。そこまでの過程にかなり時間がかかるのですが、常に自分のなかで興味がある事柄というのを意識しながら、大きなテーマを細く円にしていく感じです。コンセプトを固めるところから入るので、突然「これが良いかも」と思ったり、「見た目的に面白そう」というだけで撮ることはありません。そこにどういう意味があって、なぜそういう風に撮らなくてはいけないのかというところまで、すべて整理されていないと面白くないんです。

とはいえ、撮影した後に気付くことというのも多いのではないですか?

もちろんそうですし、そういうことは常に起こってほしいと思っています。毎回コンセプトを固めて撮っていても、かなりの確率で偶然が入ってきます。その偶然性こそが写真だと思いますし、僕が絵ではなく写真をやっている大きな理由なんだと思います。風景でも静物でも人物撮影でも、どこかで想像を超えてくれる部分があるんです。

すべてを決め込んで撮影するシリーズ作品に比べると、人物撮影には不確定要素も多いですよね?

ポートレートに関しては、他の作品よりもずっと記録的な意味合いが強いですね。被写体がどういう人物で、どんな場所にいるのか? ということなど、その人から感じられるイメージを、できるだけストレートに撮るようにしています。確かにその場でコントロールすることは難しいのですが、撮影のスタンスは基本的にいつも同じですね。

ohwada

ポートレートは仕事として撮られているものが多いと思いますが、それがご自身の作品に影響を与えることも多いのですか?

やっぱり影響は大きいですね。仕事の場合は、一人で作っているわけではなく、アートディレクターやクライアントの考えもあります。そういう人たちの意見は、世の中を反映していることが多いですし、純粋な意味でまったく嘘がないんです。普段話しているだけでは本心を知ることができなくても、仕事では本音が聞けるんですよね。それはスゴく貴重だし、後の作品に影響を与えることも多い。やっぱり自分だけで作り続けていると、落ちていく部分もありますからね。

クライアントワークは、ずっと並行してやってきているのですか?

以前は、作家活動一本でやっていきたいと思っていた時期もあったのですが、子供が生まれたことをきっかけに、自然な形で両者を並行してできるような精神状態に戻ることができました(笑)。それまでは自分の世界にすべてを求めていたところがありました。でも、やっぱり一番重要なのは人間ですし、誰かと何かを共有するというところから一番美しいものが生まれるんじゃないかと思うようになりました。それからは撮る写真もだいぶ変わっていきましたね。昨年出版した写真集『prism』も、それをきっかけに出すことにしたんです。一旦ここで大きなカタチにまとめて、それ以降はまた新たなシリーズを色々スタートさせています。

ohwada
最近はどのような作品を撮られているのですか?

リンゴをテーマにしたシリーズや、ワインの色だけを撮っているシリーズなどがあります。リンゴのシリーズでは、時間や重力をテーマにしていて、これから色々撮っていきたいと思っています。ワインのシリーズは、すでに25枚程撮っているのですが、年代や銘柄の違う様々なワインの色を撮影しています。ワインって、年代や銘柄によって、本当に様々な色があって、とても美しいんですよね。ワイン収集家の人にお願いして、撮らせてもらったりしているのですが、それぞれの人がなぜそのワインを持っているのかとか、そういうバックグラウンドも大切にしています。発表する時には、それらをひとつひとつ説明するわけではないのですが、そのコンセプトがあることが重要で、それがないと作品の意味が薄れてしまうんです。他にも、世界中の旧紙幣をライトテーブルに置いて、表と裏を同時に撮影しているシリーズや、昔の活版印刷の工場で使われていた凹版を撮影したシリーズなども作っています。

ohwada
それぞれシンプルな対象でありながら、その裏に色々なストーリーが凝縮されている作品が多いようですね。

そうですね。お札のシリーズは、アフリカや中近東のものが多いんですけど、それぞれのグラフィックには、その国の風景が閉じ込められているようなところがありますし、凹版のシリーズも文字が持っている意味性と造形的な美しさを同時に見せられるのが面白いですね。あと、アポロ11号の月面着陸の写真などを極小サイズにプリントし直して、顕微鏡を使って撮影するというシリーズもあります(笑)。これらのシリーズを元に、写真集を作ろうと考えています。前回の『prism』では、このようなシリーズ作品は2割程しか入れてなかったのですが、次は7,8割はこういう作品で固めて、コンセプチュアルな構成にしたいですね。展覧会も、秋から冬あたりにやれればと考えていますが、昨年からずっと展示が続いていたので、今は作品作りをまず第一に考えていきたいですね。

ohwada

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