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TADAOMI SHIBUYA Exhibition
Date: 7月3日~7月26日
Location: hpgrp GALLERY 東京

ヒップホップやブラックカルチャー、また、インド、ネパール、タイへの渡航経験などから大きな影響を受けながら、自己のナショナリティーを追求し、作品=偶像を創り出す澁谷忠臣の新作展『教』が7月3日よりhpgrp GALLERY東京にて開催される。初日7/3の19時からは作家を交えたレセプションパーティーも開催。

NAOMI KAZAMA Exhibition
Date: 7月3日~7月23日
Location: TOKYO CULTUART by BEAMS

東京から生み出されるアート、デザイン、カルチャーを世界に向けて発信するTOKYO CULTUART by BEAMSにて、7月3日より東京のストリートアートを牽引してきた風間直実(Naomi/South)の個展「満地球 -we can Fly & Cry-」を開催。大型作品を含む40点の新作を発表する。7/3の17時〜20時までレセプションパーティーも行われる。

MUSTONE Exhibition
Date: 6月27日〜7月25日
Location: NANZUKA UNDERGROUND

マストワンの新作展『妖怪』が開催中。これまで制作してきたキャンバスとオイルチョークを中心とした平面作品から一変し、シリコン樹脂を用いた平面作品及び立体作品などが展示されている。

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Baiyon | バイヨン | Musician / Graphic Designer / Game Creator
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「Angle」Flyer Design(2008)
「say no to limits!」(2008)
「3RDWARE」ART COLLABO series(2007)
「3RDWARE」ART COLLABO series(2007)
Exhibition View at cafe art Table & Sofa(2006)
Exhibition View at cafe art Table & Sofa(2006)
「The ocean」lamp shade(2006)
「Like a school on lunch time EP」Baiyon(2006)
EyeRhyme005 at ARTZONE京都
Wet Side Poster(2004)

京都を拠点に、グラフィックからサウンドまで、様々なアートフォームでその才能を発揮してきたクリエイター、Baiyon。そんな彼が、ゲーム制作会社Q-Gamesとともに PS3用ソフト「 PixelJunk™ Eden 」を制作した。ゲームを構成するひとつのパーツとして、グラフィックや音楽を提供する従来のコラボレーションとは異なり、Baiyonというひとりのアーティストがこれまでに取り組んできたクリエーションの世界観がそのままゲームのなかに持ち込まれたかのような、彼の活動の集大成とも言える作品に仕上がっている。これまでも、ゲームをサンプリング・モチーフとして自身の作品に取り込んできた彼だが、様々な制約があることが予想される実際のゲーム制作現場で、いかにしてその世界観を確立することができたのか? その真相を探るべく、東京を訪れた彼をキャッチした。

Interview:メチクロ( Mhz )
Text:原田優輝

まず始めに、PS3用ソフト「PixelJunk™ Eden」の制作に携わるようになるまでの経緯を教えてください。

以前から「ゲームを作りたい」ということを色々なところで言っていたのですが、あるパーティで、Q-Gamesというゲーム会社の社長と出会ったんです。話をしてみると、その社長は以前から僕の作品や活動を知ってくれていたようで、今回の企画の話を持ちかけてくれたんです。

Q-Gamesはどういった会社なのですか?

京都にあるゲーム制作会社で、社長がイギリス人ということもあって、フランス、イタリア、台湾などスタッフも外国人の割合がとても高い会社です。ニンテンドーDS の「スターフォックス コマンド 」や、ゲームボーイアドバンス bit Generations 」シリーズの「DIGIDRIVE 」などを作っています。技術的にも評価が高く、研究機関的な感じで実験的な制作にも積極的に取り組んでいます。今回携わった「PixelJunk™ Eden」は、彼らが開発している「 PixelJunk 」シリーズの第3弾になるのですが、第2弾では京都のサウンドクリエイターotographが参加するなど、新しいことをやっていこうという気概を持っている会社だと感じました。

baiyon

今回のプロジェクトでは、どういうところがテーマになったのですか?

僕の音楽とグラフィックをどうやってゲームの世界観に落とし込んでいくかというところがテーマでした。この「PixelJunk」シリーズは、現行の市場にあふれる超大作などとは対照的に、あえてPS3のフルHDクオリティで2D指向のカジュアルゲームを展開するというのがコンセプトになっています。アクションゲームとしての根幹である、動きや重力などに関する演算処理などにもこだわり、いかに実験的なことをやれるかというところがポイントになりました。また、オンラインプレイはもちろん、YouTubeへの動画アップ機能や、PS3として新たに導入されたトロフィー機能等も盛り込まれています。

今回Baiyonさんはどのようなカタチで制作に携わったのですか?

Q-Gamesのディレクターが僕のWebサイトを見た上で、音楽に合わせて植物が生えていくようなイメージのゲームにしたいと最初に提案してくれました。そこからは、こっちでビジュアルのイメージを膨らませたり、向こうがゲーム性の部分を発展させていったりというやり取りをしながら進めていきました。お互いがコラボレーションすることで、ヴィジュアル的な美しさと「ジャンプして楽しい」とか「音が気持ちいい」という根本的なゲームの楽しさというものを融合させた世界観を作ることができたんじゃないかと思ってます。

baiyon

映像クリエイターの最終目標が映画であることは少なくないですが、BAIYONさんのなかでは、最終的な表現フォームとして、ゲームというものがあったのですか?

そうですね。やはりすべての要素が絡んでくるメディアですし、色んなところに驚きを忍び込ませたりもできますからね。ゲームをクリアするという体験は、音楽を1曲聴き終えるだけでは得られないドラマのようなものがあると感じます。だから、周囲に作りたいと言い続けていたんです(笑)。今でも8bit時代のファミコンソフト等を収集しているのですが、それは、決してノスタルジーやコンプリートを目的としているわけではなく、創作をモチベートしてくれるモノとして常に重要な存在なのです。

これまでに制作されてきた作品や曲のタイトルなどにも、ゲームからの影響を感じさせるものが多いですよね。

アイデアソースとして、ゲームというのは常に自分のチャンネルのなかにありましたね。音楽にしても、「旅をしている感じ」とか「最後の戦いの前の晩の感じ」とかを思い浮かべながら作ることはあったし、8bitのゲームのバグをモチーフにしたグラフィックなんかも作っています。例えばその作品なんかは、バグという自分の意思の介在しないモチーフを引用しながら、そこに思いを存在させるというところが肝になっています。最初のきっかけや歪みみたいなものをいかにゴールまで持っていけるかという行為自体が既にゲーム性を帯びていますね(笑)。僕の作品は、些細な部分を無理矢理咀嚼して、拡大するというサンプリング感覚で作っているものが多いと思います。

baiyonbaiyon

今回はそうしたサンプリングではなく、ゲームそのものを作ったわけですが、作業を進めていく上で難しかった点を教えてください。

普段はグラフィックをメインでやっているので、動いている状態でもクオリティを保っていくというのがほとんど初めてに近い作業だったんです。普段は、止まっている状態でカッコ良ければそれでOKなんですけど、そこにちょっと動きが加わるだけで見え方が変わってきてしまう。そこが最初に苦労した部分でしたね。あとは、やはり「色」ですね。印刷のCMYKとは違い、ゲームではRGBで考えていかなきゃいけないのですが、これまでにこだわってきたCMYKでの配色を活かすべく、あえてカラーチップをガイドにして、画面上で再現することを目指しました。その過程で発見できたRGBに対する新たな解釈や、PS3ならではのエフェクトなども織り込むことが出来たと思います。そういった部分でも従来のゲーム画面との差異を感じてもらえるとうれしいです。

印刷の場合、モニター上に表示されるRGBの色を、CMYKで表現される印刷物に落としんでいく作業の中で制約が生まれるものですが、今回はまさにその逆に発想で作っていたのですね。

そうですね。あと、ゲームの大前提として、ユーザーに直感的に理解してもらう必要性というのがあります。グラフィックにおいてもそれは同じで、そこに何があるかということを直感で理解してもらうようにしなければいけなかったので、そういうところも大変でしたね。色にしても、ただ美しければ良いというわけではなく、「分かる」ということが前提になる。一枚の絵として成立しているだけではダメなので、普段紙媒体でやってきたこととは根本的に考え方が違いましたね。

baiyon

サウンド面についてはどうですか?

SEはスゴく苦労しましたね。SEを作るのは初めてだったのですが、ひとつの音で「切れる」「飛ぶ」「破裂する」ということを認識させなくてはいけないので、最後まで試行錯誤しました。ミニマルテクノの文脈として、徐々にビルドアップさせていくことはあっても、単純に「急かす音」なんてこれまで作ったことなかったですしね(笑)。

ある意味ダンスミュージックの文脈を自ら破壊しなければいけなかったということですよね。

そうですね。スゴく難しい作業でした。でも、このゲームに触れた世界中の人たちから、「DJで使いたいからサウンドトラックがいつリリースされるかを教えてくれ」というような問い合わせが結構あるんです。普段現場でやってきた音をゲームに持ちこむということも今回の大事なポイントだったので、そういう反応はとてもうれしいですね。

これまでも、グラフィックやサウンドを専門とするクリエイターがゲーム制作に参加してきたことはありますが、「コラボレーション」と謳いつつも、依頼されたパートを制作し、それがひとつのパーツとして組み込まれているだけの印象が強いです。その点、今回のプロジェクトでは、Baiyonというアーティストの世界観が、ゲームというアートフォームのなかでしっかり確立されているように感じました。

ゲームというメディアはまだまだ可能性があるし、これからは表現メディアとしてしっかり捉えていきたいと感じましたね。それも、今回の企画にこのタイミングで出会えたことが大きかったと思います。また、サウンドやグラフィックの観点から本編が組み立てられていった経緯もあり、制作サイドに意見させてもらうことも割と自由にできたので、いつもの制作の延長で作業をすることができました。

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ダンスミュージックやグラフィックは、限りなくミニマムな単位で表現できるアートフォームで、実験的な表現も割としやすいと思うのですが、ゲームの場合は、関わる人数や規模が根本的に違うので、色々と制約も多いと思います。その辺のジレンマはありませんでしたか?

そうですね。例えば、普段のグラフィックの仕事に比べて、フォントひとつとっても何カ国語にも対応させないとダメだったり、サイズ感も全然違うので大変でしたね。モニターサイズを始め、ユーザーのプレイ環境にグラフィックもサウンドも依存せざるを得ないところがありますからね。その辺は本当に戦いでしたね。

自分の持つ世界観を制作チームに伝えていくというところで苦労はありませんでしたか?

ディレクションに直接関与しないスタッフにも、「これが好き」とか「この部分が気持ち良くない?」ということを積極的に伝え続けました。普段接しているカルチャーが違う人々からすれば、ミニマル・テクノの音などは全て同じに聴こえていると思うんですよ(笑)。でも、そういうやり取りを繰り返していくうちに、だんだん具体的な反応が帰ってくるようになっていったんです。テクノ特有の快感原理などは決してマニアックなものでは無いと思いますので、まずスタッフ間でその部分を共有出来れば、きっとユーザーの人達にも伝わるのではないかと信じることができますよね。

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その結果、具体的に表現できたという手応えのあった箇所はありますか?

ゲーム中で「スペクトラ」(注:ゲーム中でプレイヤーが集める生命の源)を取る時に、「取れなさそうで取れた!」という感覚なんかは、ダンスミュージックの現場で表現されているタメやアオリに近いものがあると思います。それがバックトラックと完全にマッチングした時にはスゴい可能性を感じました。また、スペクトラを取ると段階的にステージの色が変化していくのですが、ピークへと向かうテンションの構造もビジュアルと連動して詳細に演出されています。

確かに、色の変化によってビートが切り替わったような高揚感を感じます。また、プレイ中、独特の重力感によって思わず大声が漏れ出てしまうのですが、その瞬間は、ダンスフロアでアゲられた時に発してしまうソレと同様のテンションにまで達してしまってます(笑)。では最後に、今回念願だったゲーム制作の現場に携わることができたわけですが、率直な感想を教えてください。

ただ関われただけではなく、自分の作品と同様に妥協無くこだわることが出来たのは、なによりもプロデューサーやディレクターを始めとするQ-Gamesスタッフの深い理解とスキルがあってこそなので、只々感謝としか言いようが無いのですが、自分の事として振り返るとすれば、これまですべてのことを自己発信で制作を続けてきたことが大きいと感じています。「やると決めたら即行動」という感じで、関わる事すべてに興味を持ってトライすることで、色んな人と出会ってこれたし、そこから広がっていく部分が絶対にあったと思います。その点は、変わらずに追求していきたいです。

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