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都内を中心に活動中のimai(トラックメーカー)とcp(MC)からなるユニット。自ら立ち上げたレーベルGAL(ギャル)を基盤に、どのシーンにも属さず、完全にインディペンデントな存在ながらも破竹の快進撃を展開中。ポップかつ破壊的な唯一無二のパフォーマンスでオーディエンスの心を鷲掴みにしている。2008年4月には、ファースト・アルバム『FAN』をリリースした。
contact group_inou URL:g-a-l.jp/group_inou, www.myspace.com/groupinou E-Mail:info@g-a-l.jp |
自身のレーベルGALを基盤に、既存のヒップホップの文脈や特定のシーンに属することなく、インディペンデントな活動を続けているトラックメーカーimaiとMCのcpからなる噂のユニットgroup_inou。これまで、ライブを主体とした精力的な活動で、一部で話題を集めていた彼らだが、今年4月にリリースされた待望のファースト・アルバム『FAN』によって、急速に評価を高めている。現在、レコ発ライブの真っ最中、さらに6月28日に代官山UNITで開催される『Public/image.FOUNDATION』への出演も決定している彼らを取材した。
Text : タナカヒロカズ(OmegaTriibe)
いきなりですが、これまで不気味な程どこにも属さず、インディペンデントな活動を続けている2人組という印象を持っていました。
imai(以下I):そうですね。ライブのブッキングやレーベル「GAL」の運営も自分たちでやっていますし、場所を選ばず、誰とでもライブしてきたので。分かりやすいシーンに属していないせいで極端に黙殺されちゃう傾向があって、「おっかしいなー」と思っていたんですが、『FAN』を出してからは徐々に反響が出てきました。
cp(以下C):ジワリジワリと広がっているのが実感としてあるんですよ。ほんとにゆっくりと。僕らの場合、ライブを見てくれたお客さんの口コミで、伝染するみたいにゆっくりと滲んでいく感じなんです。
「フジロック」や「メタモルフォーゼ」などのビッグフェスにも出演していますよね。
I:フェスに限らず、僕らのことを知らないお客さんばかりの中で思いっきりやるのはスゴく気持ちいいです。
C:気分としては賊の類ですかね(笑)。
Photo:Yuki Akase
group_inouの活動をみていると、いわゆるHIP HOPの文脈から少し外れている印象を受けるのですが、創作スタイルについて教えてください。
I:もともとバンド畑出身なんで、一から自分で作曲するというスタイルでやってます。
C:バンドをやっていた時から、ラップまではいかないけど、言葉遊びみたいな感じはありましたね。
I:今でこそ曲のなかで歌メロがある部分もありますけど、最初に2人でやり始めた頃は何も決めずに出たとこ勝負だったので、自然とラップのようなスタイルになっていったんだと思います。
ラップではあると思うのですが、かなりアヴァンギャルドなポエトリーリーディングというか、どこか預言的な印象すら受けます。つい深読みしてしまうようなところがあります。
C:リリックについて「ここはこういう意味でしょ?」とか指摘されても、「うーん、そうですねー」としか言えなくて…。書いた時には考えがあるんですけど、その時の気分なんで今とは違う時もありますね。
詩を書いている時は「降りてくる」感じなんですか?
C:そうですね。imaiが作るトラックを聴いて、パッと浮かんでくる風景やイメージを言葉にします。あとは、普段思いついたフレーズを当てはめてみたり。
I:歌詞がトラックに乗っかってくると、また違う世界観になってくるんです。それが面白いなと思って、そこからインスパイアされて浮かんだものをまた足してみたりします。
Photo:Yoshiharu Ota
耳から得た情報によってイメージが作られ、さらにそれがレイヤー状に重なっていく。絵画的というか、どこかアニメーションの技法にも近いですね。
C:即興でスケッチをしている感じかな。思っていることというよりは、感じたことをそのまま出してます。大抵の人はリリックに具体的なメッセージ性を持たせていると思うんですけど、僕は意図的にそれを避けている気がします。
確かにgroup_inouの楽曲は、ライブになると同じ曲でも毎回違ったイメージが浮かびます。
I:音楽に限らず、優れた作品はというのは、自分の中で毎回違ったイメージが描けると思うんですよ。それはその日の天候だったり、モチベーションだったりに影響されて。そういう作品を自分たちも作りたいと思っています。
アレンジでそれらしく聞かせるわけでもなく、音数やリリックで多くの情報を与えるわけでもないのに、情景が呼び起こされてしまうのは「行間を読む」というか、禅の精神に通じているところがあるからなのではないかと思うのですが。
I:それは言い過ぎですけど、聴いてくれた人が自分なりのイメージを思い浮かべてくれたらうれしいですね。
C:うん。僕らもリスナーとして、イメージが限定されちゃうようなものよりも、感覚的な言葉やメロディラインによって、聴いてる人の世界観が広がるような音楽の方が好きだし。
I:でも、cpはあまりにも同じ音源を聴きこむクセがヒドくて、しまいには鳴ってない音とかまで聞こえてくるようになっちゃって、それをミックスの時に言われて作業的に困ることはあります(笑)。
Photo:Miyu Terasawa
少し話が変わりますが、音楽以外に影響を受けたカルチャーはありますか?
I&C:マンガですね。
I:普通の青年誌なんかの連載マンガ。マンガの世界は、天才がゴロゴロいるなと。日本の才能はマンガの世界に集中してるなって正直思いますよ。
特に好きな作者は?
I:僕は『寄生獣』の岩明均さんとかですね。別に作品を分析するってわけじゃなくて、ただ肌に合うというか、あの顔つきや冷めた目が感覚的に好きですね。どんな主題で描いてもその人が出ちゃうという圧倒的な個性が気になります。僕は同じ作品として音楽も漫画も並列に見てるんですけど、連載であの世界を構築していくなんて完全に狂ってるとしか思えないですよ。
C:僕は新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』なんかが好きです。登場人物の心の動きにすごく惹かれます。
岩明均に新井英樹。確かにgroup_inouの音から感じる原風景に近い気がしますね。何となく乾いていて、荒涼とした時間が流れている世界。現実世界と並行してパラレルに進む、違う世界線の中の物語というか。
I:そういう意味では、音楽じゃない分野で途轍もない作品をたくさん知っているんで、相当自らを追い込んでやらないと、あの人たちには敵わないと思ってます。僕らのやり方でその域まで一直線に向かっていくしかないですね。でもまあ、マイペースに一歩ずつ良くなっていけばいいなと思います、音源もライブも。
Photo:Miyu Terasawa
ちなみに少し気が早いですが、新作の予定は?
I:できれば年内に1枚ミニアルバムを出したいですね。『FAN』はずっと前からやっていた曲をリアレンジしたりという編集作業が多かったので、新曲を作りたいというのは常にあって。今回から機材もPCを導入したりとか、新しいシステムでもっと試してみたいアイデアも出てきて。とにかくぐうの音も出ないくらいにオリジナルなものを作れたらと思います。
期待してます! それでは最後に、6月28日に代官山UNITで開催される「Public/image. FOUNDATION」への意気込みをお願いします。
C:特攻スタイルでいきます!
I:爆音で駆け抜けたいです。

















