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Shing02とコラボレーションしたデビューシングル『Ultimate High』でシーンに強力なインパクトを与えた新進気鋭のトラックメイカーEccy。1stアルバム『Floating Like Incense』でのフューチャーリング・アーチストはEccy本人のセレクションによりオファー。トラックを渡したほぼすべてのMC、アーティストが快く参加を決定。ヒップホップシーンにこだわることなく、作家清野栄一やCinnabomを起用するなど実験的なアプローチも行っている。また同世代MCであるhaiiroとオロカモノポテチによるユニットGlasemillaも始動。この夏には環ROYとタッグを組んだミニアルバムもリリース。SLYE RECORDSのメインプロデューサーとしても精力的に活動している。
contact SLYE RECORDS URL:www.myspace.com/eccytrv E-Mail:eccyandeccy@yahoo.co.jp |
ヒップホップ新世代の代表格。まさにそんな言葉がふさわしいトラックメーカーEccy。Shing02と共演という衝撃的なデビューの後も、ヒップホップだけにとどまらず数々のアーティストと共演を重ね、シーンをかき乱すかのように刺激的な活動を続けている。その確かなスキルと柔軟な感性によって作られる幅広いトラックは、自由で新しいアイデアに溢れ、新たな世代の登場を感じさせてくれる。6月28日にUNITで開催される「Public/image.Foundation」にもEccy、DJ KEITA、オロカモノポテチ、haiiro、あるぱちかぶと、シマダカズユキから成るユニットSLYE COLLECTIVEとして出演し、同時期にラッパー環ROYとの共作『more?』もリリースする若干22歳の彼は、どのようなものに影響を受け、消化し、吸収していったのだろうか? その創作活動の根源を探るべく話を聞いた。
Text:長汐祐人
まず始めに、楽曲を作り始めるようになったきっかけを教えてください。
高校生の頃に、椎名林檎さんのインタビューを読んでいて、「これは高校生の時に作った曲です」というコメントを見つけたんです。その時に「このセリフ、カッコ良いな」って思い、「いま曲を作っておけば、(同じセリフが)言えるじゃん」と(笑)。もともとヒップホップは聴いていて、サンプリングというものがあることも知っていたので、やり方はわからないながらも、音楽を聴きながら「このトラック使えるんじゃないのかな?」とか、なんとなくイメージはあったんです。雑誌とかにも「ヒップホップなら誰でもできる」みたいなことが書いてあったから、俺でもやれるんじゃないかなと思って、音楽ソフトを買って、トラックを作り始めました。
ヒップホップはいつ頃から聴いていたのですか?
小学生の頃はもちろん普通に流行の曲とかを聴いていて、そこでイーストエンド プラス ユリの『DA.YO.NE』にはまって、そこからスチャダラパーとかも聴くようになりました。その後は一旦(ヒップホップを)聴かなくなるんですけど、ドラゴン・アッシュの登場でまた聴くようになって。ジブラ、ブッダブランド、ニトロ(・マイクロフォン・アンダーグラウンド)らの日本語ラップをどんどん聴いていって、そこから洋楽などへも色々と広がっていきました。だから、音楽をちゃんと聴き始めたきっかけがヒップホップからだったんです。
その当時は、作ったトラックを発表する場はあったのですか?
ネットですね。トラックを募集しているサイトとかに送っていました。そこでの反応が意外と良かったんです。すごい小さなコミュニティの中の話なんですけど、勝手にこれはいけるんじゃないかと思い込んじゃって(笑)。当時DJ刃頭さんにトラックを送るとメールが返ってくるっていう噂があって、送ってみたらものすごく丁寧な返事が来て、反応も結構良かったんです。そういうことの積み重ねで、ちゃんとやってみようかなと思うようになりました。それが高3くらいですかね。
(左)Eccy、(右)DJ KEITA
Photo:APORIA
高校卒業後はどういった活動をしていたのですか?
浪人してしまったので、トラックを作るのはしばらくお休みしてたんです。当時、御茶ノ水の予備校に通っていたので、そこでディスクユニオンお茶の水CLUB MUSIC SHOPに通っていて。お金はなかったんで、夏期講習をキャンセルして、親からもらったお金でCD を買ったり(笑)。そこでアンダーグラウンド・ヒップホップとか、かなりいろんな音楽を聴くようになりましたね。その頃に、早稲田大学のギャラクシーってサークルに入ればDJとかができるらしいという噂を聞いて。大学受験は見事失敗してしまいましたけど(笑)、そのサークルはインカレだったので、そこで色々とつながりができて、今に至るという感じですかね。
CDをリリースすることになったいきさつを教えてください。
中学からの友達が、スギウラムさんの弟子だと言う友達を紹介してくれたんです。そいつがスギウラムさんのマネージャーさんに俺のデモCDを渡してくれて、それを気に入ってもらえたのがきっかけですね。Shing02さんとは、『STOP ROKKASHO』の時から親交があったので、一緒にやってもらおうということになって。
シンゴさんもそうですが、昨年リリースされたファーストアルバム『Floating Like Incense』には、上の世代のラッパーの方が多く参加されていましたね。
はい。スライレコードのオロカモノポテチやhaiiroなんかの若い世代と、先輩の世代が一緒にやったら面白いんじゃないかなと思ったんです。それに色々な人たちとやり取りしていくうちに面白いものが生まれたりもするじゃないですか。そうした化学反応的なものを楽しみたいなって。
オロカモノポテチ
Photo:APORIA
今回リリースされる環ROYさんとの共作『more?』はどういういきさつで生まれたのでしょうか?
元々ROYさんには、1年半前くらいに、自分がやっているイベントに出てもらったことはあったのですが、それ以降はあまり接点がなかったんです。その後、たまたまどこかのクラブで再開した時に、意気投合して「一緒にやろうか?」ということになり、そこからはトントン拍子で話が進んでいきました。
これまでの作品と比べて、今回はやや深みや重みが感じられ、アブストラクトな印象を受けました。
まずは元々作っていたトラックを15曲くらいROYさんに送り、その中から選んでもらったので、ROYさんの好みというところが大きいでしょうね。新たに作ったトラックも2曲あるんですけど、それらもROYさんが選んだほかのトラックに合わせて作ったので、全体的にこういうテイストになったんだと思います。これまでは、こっちで構成までしっかり決めて、そこにラップを乗せてもらうということが多かったんですけど、今回は、簡単な8小節くらいのループとかをROYさんに渡し、それにラップを乗せてもらったものをさらに再構成していくという作り方をしました。いつも以上にラッパーの方の意見もかなり取り入れた、今までにはない新たな試みで面白かったですね。
今回はレディオヘッドやシガーロスなどをサンプリングで使っていましたが、ネタを選ぶときの基準はありますか?
いや…特にはないですね。なんというか…臭いを感じたと言うか(笑)。ジャンルも時代も関係なく、使えそうだと思ったものは何でも使いますね。結構気分とか直感で選ぶことが多いです。
(奥)Eccy、(手前)haiiro
Photo:APORIA
音楽以外で大きく影響を受けたものは何かありますか?
写真にすごくはまっていた時期があって、その時は「音楽と写真、どっちを選ぼう?」という感じになっていましたね。今考えると、完全に勘違いで笑えるんですけど(笑)。写真家だとユルゲン・テラーがすごく好きですね。映像だと、少しベタですけどミシェル・ゴンドリーとか、スパイク・リーとか。あとは浅野忠信さんがすごく好きで、中学の頃からほとんどの作品を見ていますね。浅野さんもそうですけど、自分の中のカリスマが何人かいるんです。銀杏ボーイズの峯田さんもすごく好きだし。サブカルだとみうらじゅんさんも大好きですね。
ジャンルにとらわれないで幅広く色々なものに興味があるのですね。それはEccyさんの音楽にも反映されているように感じます。
かもしれないですね。あまり偏っていないとは思っています。サンプリングにしても、ヒップホップだからといって昔のジャズとかソウルからしか取ってこないのではなく、面白いものは何でも使いたいっていうのはありますね。「とらわれない」と言うのはそういうところに現れているのかもしれません。
6月28日にUNITで開催される「Public/image.Foundation」では、今までとはタイプが違うアーティストたちとの共演になると思いますが、イベントへの意気込みを聞かせてください。
ザゼンボーイズとか、完全に自分もファンの側ですからね。どうやって対抗しようかな…。対バンがどんな方たちでも、お客さんが楽しめるようにしようとは思っているので、がんばります。
最後に、今後の活動の予定を教えてください。
セカンド・アルバムを作り始めています。あとは、toeの柏倉さん、鍵盤の中村さんと、ドライ&ヘビーのPATAさんに、僕の曲を演奏してもらって、それをまた僕がリエディットする、という作品を作っているところですね。1曲ごとに3つのバリエーションが楽しめる、面白いものになりそうです。
(左)あるぱちかぶと、(右)Shimada
Photo:APORIA













