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光についての作品を数多く発表している現代美術作家。07年には、東京都現代美術館、フリーズアートフェア(ロンドン)で作品を発表し、08年1月にはLAアートフェアにて、高周波音の波動を用い、精神的意識の拡張を光の作用とともに試みる最新作を発表した。
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Taka Ishii Gallery
Tel : 03-5646-6050
URL:takaishiigallery.com E-Mail:tig@takaishiigallery.com Center for COSMIC WONDER Tel:03-5774-6866 URL:cosmicwonder.com E-Mail:press@cosmicwonder.com |
昨年10月から今年1月にかけて、東京都現代美術館で開催されていた『SPACE FOR YOUR FUTURE』展。今回紹介する前田征紀は、“アートとデザインの遺伝子を組み替える”というコンセプトの下に企画されたこの展覧会に、前田征紀名義、COSMIC WONDER名義の作品をそれぞれ展示し、大きな注目を集めた。これまで、国内外で高い評価を獲得してきたプロジェクトCOSMIC WONDER の活動にスポットが当てられることが多かった彼が、同展に両名義の作品をそれぞれ別に展示したことからは、これまで並行して展開してきた両者の活動の違いを、より明確なカタチで打ち出すと同時に、それぞれの表現で今後さらなる高みに向かおうとする強い意思表示が感じられた。これを期に、国内でもより大きな注目が集まるようになった美術作家としての活動、そして新拠点Center for COSMIC WONDERの開設など、精力的に活躍の場を広げている彼は今、どのような想いでクリエーションに臨んでいるのだろうか? そして、気になる前田征紀とCOSMIC WONDERの関係性は? 今回、Public/image.は、尽きぬ興味を直接本人にぶつけるべく取材を依頼し、貴重なメールインタビューの機会を得ることができた。
Text:原田優輝
大学では建築を学ばれていたそうですが、その後、COSMIC WONDERや美術作家としての活動をするようになるまでにはどのような経緯があったのですか?
97年頃、COSMIC WONDERをスタートしました。大学を卒業して間もない頃です。設立当時からジャンルを超えたあらゆる表現方法を使い、COSMIC WONDERを作っていきたいと考えていました。卒業後の優秀ではない私は、社会システムやジャンルにあるビジネスフィールドの違いなどを何も把握しないまま、もしくは反抗的な学生のようにあえて規制しない気持ちを孕ませて行動しました。そこから制作を続けていくことで現在のCOSMIC WONDERのカタチ、そして美術作家としての活動があると思います。

『Light Lodge』(2007) Insallation
(C)Yukinori Maeda 2007 Photo:Keizo Kioku
SPACE FOR YOUR FUTURE - Recombining the DNA of Art and Design
Installation view at Museum of Contemporary Art Tokyo
これまでに影響を受けたクリエイターやカルチャーはありますか?
『PURPLE JOURNAL』の編集長で、アーティストでもあるエレン・フライスには影響を受けました。彼女が制作する季刊誌『PURPLE JOURNAL』の活動は、独自のカルチャーを生んでいるように感じます。彼女は、日常にある生活の景色を「美」と捉え、その意味を軽んじずに文章と写真で分析しています。個人の特殊な視点からではなく、友人や知人、仲間たちの価値観を通じて、世界を共有し、広げていくことを重要と考えています。
前田さんの作品からは、「光」「空間・環境」「宇宙」「自然」といったキーワードが連想されるのですが、なぜそのようなモチーフに興味を持たれているのでしょうか?
人からはよく、「前田は不思議なカルト宗教に入ってるのか?」と言われます。特にそんな覚えはないのですが…。最近は「光」についての作品を制作することが中心にありますが、特定の大きな経験が自分をそうした方向に向かわせているのではなく、あらゆる経験と日常、制作の積み重ねによって、今があると思っています。

『Eclipse』(2005) Insallation
(C) Yukinori Maeda 2005
これまでに制作されてきた作品について教えてください。
2003年の『house』は、ピラミッドから光と霧が広がり、湧き続ける干渉から光の精神を捉えようとする始めの試みを作品化しています。2005年に発表した『Eclipse』では光を見る試みを発表しました。空間には白い立体(反射体)が配置され、天井から入る太陽光が立体を照らします。空間に入る自然光は刻々と変わり、光をうける立体の表情も呼応し変化します。日がある時は白い立体の光反射が眩しく、日が沈めば立体は暗闇の中に消えます。見るものは立体の形を見るというよりは、立体の上に反射する光を見るという意識で鑑賞します。また、『Light Lodge』(2007)では、光と出会う空間を制作したいと考えました。光と言っても、光のスピリット、光の精霊です。特殊な才能のあるシャーマンとの研究で、光の精霊が宿る空間を実現しました。今後もこのプロジェクトは続いていきます。そして、新作『光のサウンドシステム』(2008)は、高周波音の実験で意識を覚醒させ、宇宙のエネルギーを取り入れる実験を光の作用とともに試みました。
これらの作品は、どのようなものから刺激を受けて生まれることが多いのですか?
日々の生活にあるささいな事柄を観察することや、旅をすることから刺激を受けています。そして、作品のアイデアが思い付いたら、制作をしないと不機嫌になってしまうので、自然現象のように作品が生まれていきます。


『光のサウンドシステム』(2008) Insallation
(C)Yukinori Maeda 2008
前田さんにとって、ご自身の作品とはどのようなものなのですか?
「神憑かった瞬間」のようなものかもしれません。
東京都現代美術館で開催されていた『Space For Your Future』展では、前田征紀とCOSMIC WONDERがそれぞれの別の展示をされたように、あえてこの両者を区別しようとしているようにも思えるのですが、そこにはどのような想いがあるのでしょうか?
前田征紀は自分の純粋な表現活動、自分の中での神域みたいなものを表現しています。一方、COSMIC WONDERでは、目指すイメージに向かって、あらゆる人と関わりを持ちながら作品を作っていて、最近では即興的なパフォーマンスというカタチで表現していることが多く、とても感覚的で実験的でもあります。

『House』(2003) Insallation
(C) Yukinori Maeda 2003
昨年開設されたCOSMIC WONDERによるニュースペースCenter for COSMIC WONDERや、近年特に力を入れている前田征紀としての作家活動など、新たな動きが活発化しているように感じます。現在は前田さんにとって、転機といえる時期なのでしょうか?
COSMIC WONDERは常に面白い活動をしているので、それをより多くの人たちに見てもらうための接点として、Center for COSMIC WONDERを開設しました。若い人たちだけでなく、たくさんの人が訪れる場所も作りたかったですし。自分自身も前田征紀名義でやりたいプロジェクトをたくさん持っているので、その活動も活発になっているように見えるのかもしれませんね。
ボアダムスのYOSHIMIさんや、現代美術作家の木村友紀さんを始め、さまざまな分野のクリエイターとの共同プロジェクトを手掛けられることも多いですが、それらの活動にはどのようなスタンスで取り組まれていますか?
共同作業は実験的で楽しいです。その楽しい波動が見る人にも伝わってくれれば良いと思います。
最後に今後の予定などがあれば教えてください。
今年は、ロサンゼルスのアートフェアでの新作発表をスタートに、パリでの展覧会参加なども予定しています。COSMIC WONDERについては、自由出版物プロジェクト「COSMIC WONDER FREE PRESS」から、『COSMIC WONDER FREE PRESS 2』が春に出版される予定です。エレン・フライス、マイク・ミルズ、YOSHIMIという3名のアーティストたちと制作しています。


(左)『primal memory lies beneath the present』 Installation view at Center for COSMIC WONDER (C)COSMIC WONDER 2007、(右)『光をうつすロッジ』(2007) Installation (C)COSMIC WONDER 2007
















