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SOUTAISEI-RIRON New Album
Date: 1月7日

Public/image.FOUNDATIONにも出演した相対性理論のフルアルバム『ハイファイ新書』がリリース。ライヴで披露されている楽曲を中心に全9曲が収録されている。

Kozue Himi Exhibition
Date: 12月23日〜12月28日
Location: NOW IDeA by Utrecht

イラストレーター氷見こずえの最新作品集「furry」の出版を記念し、収録原画を集めた展覧会が青山のNOW IDeA by Utrechtにて開催中。

KATSUKI TANAKA Exhibition
Date: 12月19日〜2月1日
Location: CALM & PUNK GALLERY TOKYO

映像やマンガを始め、多様な表現手段で制作を続けているアーティストタナカカツキによる個展「炎の画家タナカカツキの生涯〜わだはガッポになる」 が開催中。100号サイズのキャンバスに描く緻密な風景画や、81,000枚もの静止画の連続を8時間かけて再生する作品などが展示されている。タナカカツキ氏のインタビューはこちらから。

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TETSUYA NAGATO | 永戸鉄也 | Artist / Art Director / Graphic Designer
TETSUYA NAGATO
『cure jazz』UA×菊池成孔(2006)
『la』UA(2004)
『U WANT MORE?』SOIL $ "PIMP" SESSIONS(2007)
『愛の惑星』櫻井敦司(2004)

超精密なデジタルコラージュ作品で大きな注目を集め、現在では音楽関連のデザインを始め、アートディレクターとしてもその才能を発揮しているクリエイター、永戸鉄也。その活動からもわかるように、作品制作とクライアントワークを高いレベルで両立させてきた彼だが、現在の興味は、もっぱらアナログ表現に移っているようだ。「高解像度から低解像度へ」というキーワードを掲げる彼の変化は、果たしてどのような経緯によってもたらされたのだろうか? クリエイティヴの本質を突き詰め、進化し続けるラディカルな表現者・永戸鉄也の現在をキャッチするべく、彼のアトリエを訪れた。

Text:原田優輝

まず始めに、永戸さんが活動をスタートした頃のお話を聞かせてください。

昔からずっと絵を描いていたこともあって、例えばイラストレーターのように絵を作ることを続けていきたいと漠然と思っていたんです。でも、最初はそれをどうやって仕事に繋げていくかがわからずに、とりあえず営業活動を始めたことが、今の活動につながるきっかけです。その頃はとにかくできる仕事は無理矢理にでももらって(笑)、独学でデザインを覚えていきました。

その頃からご自身のプライベート作品も作られていたのですか?

そうですね。PCでコラージュ作品などを作って、展覧会などで発表していました。しばらく、そうした作品も作り続けていたのですが、それがきっかけでBACK-TICKの櫻井敦司さんのソロプロジェクトのアートディレクションを担当することになったりして、徐々に自分の作家性とクライアントワークを両立できるようになっていきましたね。

TETSUYA NAGATOTETSUYA NAGATO

近年のプライベートワークを見ると、だいぶアナログ色の強い作風に移行されているように見えますが、心境の変化があったのですか?

デジタル作品がある程度カタチになって一段落したということもあるのですが、単純にプリントアウトすることがイヤになった部分もあって…。出力して見せてもあまり自分のなかでグッとこなくなってしまった。また、それまでにやっていたデジタル作品のようなことを仕事でできるようになっていたので、作品までデジタルで作ることにあまり意義を感じなくなってきていたんです。ちょうどその時期に引っ越しをしたのですが、古いモノとかも捨てずに全部持ってきたんです。それらをどうやって有効活用しようかというところから、コラージュ作品を作るようになっていきました。

TETSUYA NAGATOTETSUYA NAGATO

なるほど。かなりご自身の生活に密着したきっかけがあったのですね。

そうなんです。バラバラになっているモノを合体させた「印刷物の墓」を作品として作れば、本来捨てられるモノが人にも見られるようになると思ったんです。それらは、前の世代の親戚たちが一生懸命集めたモノだったので、捨てたくなかったですしね。

かなり年代物の印刷物がありそうですね。

中には1920年代のインテリアのカタログなどもありますよ。昔の家具が好きだった祖父が、当時のインテリア・カタログを集めていたんです。こういうモノをためらいなく(作品に)使っていますが(笑)。コラージュをやるようになってから、自分がコレクションしてきた印刷物も使うようになりました。自分が価値を見出してコレクションしていたモノも、自分が死んだ後に価値が残るかはわからないですから、それなら自分のところで消化してあげてもいいかなと思うようになってきたんです。その頃から、この手法をライヴでもやるようになったんです。

TETSUYA NAGATO

ライブでコラージュ作品を作るということですか?

普段家でやっているコラージュの行程を、OHPを使ってライブで見せるんです。インプロビゼーション系のミュージシャンなんかと一緒にやることが多いですね。

その“ライヴコラージュ”が生まれたきっかけは?

スーパーデラックスのイベントに出演した時に、アーティストの鈴木ヒラク君と一緒になったことがあったんです。その時に彼がOHPを使ったパフォーマンスをしていて、僕の時にもそれをやらせてもらえたんです。実際にやってみると延々と続けてられる感じがあって。回を重ねるごとに進化していて、今は普段VJや映像関係をやっている人にサポートしてもらい、カメラ2台で違うアングルから手元を撮影し、それらの映像をスイッチングして見せたりしていています。それによっておもしろい視覚効果が得られることがわかったりして、ここ数回で一気に発展してきていますね。また、ライヴで作ったコラージュを家に持ち帰り、作品として作り直したりしているんです。さらに、最近は自分が作ったコラージュを撮影した写真作品も始めました。

TETSUYA NAGATO

写真は最近撮られるようになったのですか?

フィルムで撮るようになったのはここ1年くらいですね。デジカメは全然使わなくなりました。

コラージュにしても写真にしてもそうですが、デジタルクリエーションから距離を置こうという意識があるのですか?

あえてそうしているというよりは、割と自然な流れだと思っています。そうは言っても、仕事では毎日のようにサーバー入稿なんかをしていますけどね(笑)。写真に関して言えば、オリンパスが唯一出しているハーフサイズの一眼レフカメラがあるのですが、それにマクロレンズをつけて接写をしたりしています。ハーフサイズとは、35mmフィルムの半分ということなのですが、それが一番手軽に撮れる低解像度写真なんですよ。

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最近の永戸さんの制作において、「低解像度」というのが重要なキーワードになっているのでしょうか?

そうなんですよ。これまでに高解像度で作品を作ってきた反動だと思うんですが(笑)。映像の世界では、ハイビジョンの4倍以上の画質を持つ「4K」という技術なんかが出てきていて、もはや「見えすぎる」次元まできている。でも、その逆で、「見えないことによって見る」という感覚をもう一度見直してみても良いんじゃないかな、と。あと、低解像度だと単純にフィルムやプリントが小さくなるじゃないですか。よりプライベートでコンパクトなものに興味が移っているんです。

高解像度のデジタル表現を突き詰めた結果、たどり着いたのがそうした境地だったということですね。

高解像度でいわゆる「見えすぎる」状態になってくると、どんどん“寄って”いきたくなるんです(笑)。寄っても画像が崩れないのが高解像度のおもしろさだとは思うのですが、そこを超えてさらに寄っていくと、拡大している部分はどんどん低解像度になっていく。どんな写真でも良いのですが、Photoshopを使って、ある部分を選択・拡大し、その部分の解像度の設定を高くするんです。さらに、その画像の一部を拡大して、また高解像度化—、ということを繰り返していくと、次第に細胞のような変な画像が現れてくるんです。そういうものを作品として作ったりしているうちに、興味がどんどん低解像度へと向かっていったんです。

TETSUYA NAGATOTETSUYA NAGATO

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永戸さんは常に、あるひとつの表現の可能性を極限まで突き詰めていくことで、新境地を見出している感じがします。

もちろんデジタル表現にもまだ可能性はあると思っているし、要はそれをどうやって獲得するかということだと思うんですよね。そのやり方は本に載っているわけでもないし、誰かが教えてくれることはすでにやられているわけですからね。

そのようなクリエイターとして追求している部分と、普段やられているデザインの仕事は切り離して考えているのですか?

自分のなかではそんなに変わらないです。自分が作っていた作品をそのまま仕事で使うこともありますしね。逆に仕事で得たもので作品に還元させることもありますし、なるべく両者が循環できるようにしていきたいと思っています。デザインに関しては、あまり装飾がされていない機能的なものが好みです。デザインされていないデザインというか。そういう部分と、作家性を両方発揮できる仕事が、CDジャケットの仕事だったりするんです。ジャケットと歌詞カードがありますからね。

TETSUYA NAGATO

最近はアートディレクターとしての活躍も目覚ましいですが、アートディレクションのポイントはどのあたりに置いているのですか?

それが商品であれば、まず売れるようにしたいんです。より多くの人に届いて、なおかつ大事にとっておいてもらえるような作品を作りたい。例えば、CDジャケットの仕事だとしたら、CDの盤面まで美しいものにしたいと考えています。CD自体はこれだけ溢れかえっているわけですから、そこで捨てられないように差をつけたいというのはありますね。

そのあたりの意識は、昔のモノでコラージュをしている永戸さんの制作活動にも通じるところがありそうですね。

そうですね。元々、新しいモノをどんどん手に入れていくタイプではなく、使い込まれているモノや古いモノに魅かれるんですよね。古いというだけで、新しいモノに勝っているような気さえするんです(笑)。制作においても、無意識のうちにそれが出ているんでしょうね。それは育ってきた環境に関係していると思います。実家が古い木工所で、機械や木材が雑然となっているようなところだったんです。そこで働いている職人さんたちを見たり、自分でも木を切ったりしていたので、そういう感じが落ち着くんですよね。

古いモノから新しい作品を生み出す永戸さんのクリエイションはそういう環境で育まれていったのですね。

まさにそういうことなんだと思います。人間が作るモノや文化、そして自分自身も、すべてがコラージュでできていると思うんです。だから、古いモノを使って、見たことのない作品を作るという考え方が一番しっくりくるんですよね。

TETSUYA NAGATO

永戸さんの作品からは、“見たことのないモノ”を生み出すことへのこだわりも強く感じられます。

厳密にいうと、“見たことがないモノ”なんてないのかもしれないけど、そういう作品を作りたいとは思っています。でも、結局一番重要なことは、作品を見た時に自分が感動できるかということ。そういうものを作り続けていくことが大前提なんです。

最後に、今後の予定を教えてください。

まだ詳細は決まっていませんが、来年には個展をやれたらと思っています。コラージュや写真作品など、見せられるものはたくさんあるのですが、展示場所も含め、それらをどうやって見せるかを考えているところです。これまでは、いわゆるアートギャラリーで展示したことがなかったので、次はそういうところでしっかりと作品を見せたいんです。あとは、自分の作品を気に入ってくれるギャラリストやキュレーターと出会えたら良いなと。ひとりでやるにはやはり限界がありますからね。

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