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東京生まれ乙女座のシンガー・ソングライター/トラックメイカー。イギリス人と日本人のクオーター。クラシック、ヒップホップ、レゲエ、ダブ、ジャズ、民族音楽などの音楽とともに思春期を漂う。G. RINA名義で、03 年に作詞作曲から演奏/プログラミングまでセルフ・プロデュースした1st アルバム『サーカスの娘 - A Girl From A Circus-』を発表、世の早耳リスナーを惹き付ける。続いてリリースした同作のリミックスアルバム『A Girl From A Circus - Remixes-』では、ロブ・スミスや大沢伸一など親交のあるアーティスト達が数多く参加。05 年には2nd アルバム『漂流上手』をリリースし、音楽マニアからポップス好きまで幅広く支持される。07年、最新アルバム『大都市を電車はゆく』をビクターエンタテインメントよりリリースし、アーティスト名も本名のグディングス・リナとした。
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Goodings Rina
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作詞作曲から演奏、プログラミングまですべてを手掛けるシンガーソング“トラックメイカー”として、感度の高いリスナーの支持を集める一方、DJセニョリーナとしてクラブシーンでも活躍。これまで、G.RINA名義で作曲活動を続けてきた彼女が、メジャーデビュー作となる3rdアルバム『大都市を電車はゆく』をリリースする。クオリティの高いサウンドプロダクションは保ちつつ、それが良い意味で気にならない程、「歌」がストレートに伝わってくる今作は、より幅広い層へ彼女の才能をアピールすることになるであろう傑作だ。このリリースを期に、アーティスト名も本名のグディングス・リナに変更し心機一転、クリエイターとしての新たなステージに突入した彼女に話を聞いた。
Text:原田優輝
最新作『大都市を電車はゆく』は、メジャーデビュー作であると同時に、今作を期にアーティスト名もG.RINAから本名のグディングス・リナに変更されるとのことですが、心境の変化があったのでしょうか?
やっていること自体はこれまでと変わっていないのですが、前作のリリースから期間が少し空いたこともあり、環境を変えてみたいと思ったんです。G.RINAという名前もユニット名だと思われることが少なくなかったし、クラブシーン出身ということもあってか、覆面性の強いアーティストと思われがちだった。だから、いっそのこと本名を名乗った方が分かりやすいかなと思ったんです。「逃げも隠れもしませんよ」というつもりで(笑)。
メジャー移籍ということで、今まで以上にポップミュージック・シーンを意識した部分もあるのでしょうか?
普段からDJとしてクラブシーンでも活動していますが、曲作りに関してはG.RINAとしてやっていた頃から変わらずにポップな作品を作ってきているつもりです。自分の曲がクラブで流れた時にどう聴こえるかといったことはまったく考えずに曲作りをしていますしね。もしDJをやっている時のセンスで作っていたら、今とはまったく違う作品になるだろうし、できるだけ多くの人に自分の曲を届けたいという想いは昔からまったく変わっていないですね。
今回の作品は、これまでの作品のなかで最も「歌」がストレートに表現されていように感じましたが、その辺りはアルバム制作において重視されたポイントだったのですか?
今回はできるだけ生楽器を使わずにエレクトリックな音で作りたいというのがまず始めにあったんです。そのなかで、「歌」という剥き出しの“生”の部分をどう伝えていくかということは考えました。電子音をふんだんに用いながら、どれだけ人間味のある音楽が作れるかというところが焦点になりました。だから、あえてビンテージのマイクや機材を導入してみたり、初めてエンジニアに入ってもらって歌録りをしたりと新しい試みにもチャレンジしました。

歌を伝えるという意味では、歌詞も重要な役割を担ってきますよね。
詞については、リアリティのある美しい言葉を書きたいといつも思っています。単にキレイにまとまった言葉ではなく、所々で生活感などが感じられるリアルな詞にしたい。良い響きを持っていながら、ちょっといびつな感じも含んでいるような言葉が好きなんです。
詞はどのようなところから考えていくのですか?
基本的には、自分の感情や経験したことから生まれるのですが、聴いている人がその状況をイメージできたり、感情をシェアできるように描写しようと心がけています。そうすると、自分から少し離れた目線になっていくんです。「私はこう思っているけど、あなたはどう思う?」という含みやゆとりを持たせることで、聴く人が想像したり、自分に置き換えて考えられるようなものを表現ができればと思っています。
リナさんが書かれるリリックは韻を踏んだものも多いですよね?
これまでに影響を受けてきたものが、海外の曲や歌詞だったりするので、自分が日本語で歌う時もそれを取り入れながらやっている感じですね。
ヒップホップから受けた影響が大きいのですか?
それももちろんありますし、英語の曲はヒップホップに限らずライミングしているものが多いんですよね。英語は韻を踏みやすい言語だということもあると思うんですが、日本語でもそういうことにトライしたいと思っているんです。韻を意識すると歌詞に制約ができるんですが、それによって逆に飛躍した表現になったり、脇道にそれたりすることもある。そこから人とシェアできるものが生まれることが多いんです。だから、韻は作詞の可能性を高めてくれるものだと感じています。
これまでにどのような音楽に影響を受けてきたのですか?
元々子供の頃から家にソウルミュージックのレコードがたくさんあったり、クラシックピアノを習っていたりして、色々な音楽に触れる環境に恵まれていたんです。それこそクラシックやソウルから全米トップ40、日本の歌謡曲までをゴチャ混ぜに聴いていましたね。スティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンから、ベートーベンのピアノソナタまで、色々な音楽が好き過ぎて(笑)。DJを始めたきっかけも、自分の好きな音楽を多くの人とシェアしかたかったからなんです。あまり深く考えずに行動していたら、いつの間にかDJをして、曲を作って、歌っていたという(笑)。

アルバムタイトル曲『大都市を電車はゆく』などにも顕著ですが、リナさんの音楽からは“都市の音楽”という言葉が浮かんできます。これまでにずっと都会の中で生活されてきたことが反映されているのでしょうか?
もちろんそれはあると思います。私は、人が考えていることは、その人が食べているものに影響を受けていると常々思っているんですが、住んでいる場所というのも同じだと思うんです。旅行が好きであちこち行っているのですが、結局そこでわかることも東京のことだったりする。自分がよく知っている場所であり、でもまだ知ってるとも言い切れないような場所、それが私にとっての東京なんです。ずっとここにいるからこそこういう作品が生まれるのだと思うし、自分にとってリアリティのあるものがこういうものなんです。例えば自分がハワイアンのような曲を作ってもリアリティがないですからね。
DJをされる時は、ワールドミュージックを流されることもあると思いますが、それとご自身の作品は別モノということですね。
確かにワールドミュージックは大好きで、影響もスゴく受けているのですが、都市音楽もワールドミュージックのひとつだと思っています。東京に住んでいる人がアフリカのビートを聴いた時に感じる感じる異国情緒があるとしたら、アフリカの人たちが都市の音楽を聴いた時にもきっとそれを感じると思いますよ。
リナさんのフィルターを通して作られたこの作品もそういう意味ではワールドミュージックのひとつだと?
そうですね。もしどこかの国のビートだけを真似て作ったものがあったとしても、それは本当の意味ではワールドミュージックではないんじゃないかと思います。
DJ活動と創作活動では、色々な面で感覚を使い分けているようですね。
結果的にはそれぞれが影響を与え合っているとは思いますが、アウトプットの仕方は変えるように心がけていますね。グディングス・リナは、あくまでもメロディと言葉を届けることを大事にしていて、常にポップスを作っていきたいと思っています。DJの方はダンスミュージックという特定の世界観でやっていますね。

タワーレコード限定で先行リリースされた作品『X』では、アフラやクロマニョン、シンゴ02などが参加されていますが、彼らとはどういういきさつでコラボレーションすることになったのですか?
クラブでパフォーマンスを見て気になっていた人や、元々友達だったアーティストに参加して頂きました。クラブでは色々な人とフラットな関係で出会えるので、「仕事お願いします」という感じではなく作業できたし、どういう場所でどんな活動をしているかということを知っている人たちだったのでやりやすかったです。シンゴ02と一緒にやった「大都市を電車はゆく」で参加して頂いたYAS-KAZさんはちょっと別なんですが。YAS-KAZさんは、色々な楽器を使う前衛的なパーカッショニストで、年齢的にも大先輩の方なんですが、無邪気に楽器に向かっている姿がとても素敵で、そのヴァイブスを頂きたいと思ってお願いしました。
それぞれのアーティストと共同作業をされてみていかがでしたか?
みんなそれぞれのアプローチで音楽に取り組んでいることがわかって楽しかったですね。普段はひとりで制作しているので、なかなか他の方がどのように音楽に取り組んでいるかを知る機会も多くないので。だから、今回もリミックスではなく、作業の段階からコミュニケーションをとりながら一緒に取り組める企画にしたかったんです。

オリジナルアルバムの制作においても、誰かと一緒にやりたいという気持ちはあるのですか?
それは今のところないですね。今回の企画は参加してもらったアーティストがスゴく信頼している方たちだったので安心して任せられたのですが、元々バンドとかは全然向かないタイプなんです。バンドだとメンバーの総意の上で制作を進めていくと思うのですが、私は自分で全部やりたかがってしまうところがあるので。あるアーティストの良さを自分の作品の中に取り入れたい、という視点で初めて人と交われるという感じなので、最初からみんなで作っていくというのは難しいのかもしれません。だから、今回のように自分が作った作品をリアレンジしてもらうというような企画や、ライブ時にバンド編成でパフォーマンスをすることで、他の人たちとセッションしているんです。
先ほども話に出たように、今作は電子音の割合が高くなっていますが、ライヴでは従来通りバンド編成で演奏する予定なのですか?
そうしたいと思っています。アルバムで使っているエレクトリックな音色もライヴでは人が演奏するカタチにしたいので、少人数でもバンドでやりたいと思っています。ライヴとアルバムがまったく違う音になってもいいと思っているんですよね。
ライヴやアルバムを通して表現したいことや、リスナーに届けたいメッセージなどがあれば教えてください。
元々は、誰かのためというよりも自分のために音楽を作っているのですが、自分が表現したものや経験したことを人とシェアできることで自分が得るものはとても多いし、それによって成長できたりします。独りよがりにはなりたくないし、誰かとシェアできるものを作りたいという想いは強いですね。それがどういうものかを日々模索しながら表現している感じなんですが、もし伝えたいことが簡単に言葉で説明できてしまったら、今音楽をやっていないかもしれないですよね。だからとにかく音楽をやり続けていること自体が意味を持ってきたら良いなと思っています。良い時も悪い時もあるだろうけど、どんな状況でもやり続けることで証明できることがあるハズだと思うんです。
最新PV『大都市を電車はゆく』の映像はこちらから。

















