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廣川玉枝
神奈川県生まれ。98年文化服装学院アパレルデザイン科卒業後、株式会社イッセイミヤケ入社。ISSEY MIYAKE MEN及びISSEY MIYAKEコレクションラインのデザイナーとして約8年間勤務。06年3月にファッション、グラフィックデザイン、サウンドクリエイト、ビジュアルディレクションを業務形態とする「SOMA DESIGN」 として活動を開始し、同時にデザインプロジェクト「SOMARTA」を立ち上げる。06年8月、「身体における衣服の可能性」をコンセプトに Skin Series というボディウェアを発表し、同年9月に、 日本ファッション・ウィーク07年春夏コレクションで「The Secret Garden」をテーマに、デビューコレクションを飾る。07年には、毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞を受賞。
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SOMARTA
URL:www.somarta.jp SOMA DESIGN URL: www.somadesign.jp E-Mail:soma@somadesign.jp |
話題に乏しい日本ファッション・ウィーク(JFW)に彗星のごとく現れた、という大袈裟な表現がまったく大袈裟ではないソマルタ。皮膚への狂おしいまでの執着を見せるボディスーツや、ミュージアムピースと見紛うほど豪奢でありデリケートなドレスは、見る者を圧倒する。ソマルタのデザイナーを務める廣川玉枝にクリエイションの源流を訊いた。
Text:小柳美佳
まずは、廣川さんのバックグラウンドをお聞かせください。
高校生の頃からファッションに興味を持っていたので、自然と高校卒業後、文化服装学院のデザイン科に入学し、卒業後にイッセイミヤケに入社しました。
学生時代はどんな服を作っていたのですか?
舞台衣裳みたいな洋服を作っていました。とにかく変わっているものですね。例えば、車をテーマにタイヤをたくさん付けた服など(笑)。
なるほど。それは今のソマルタにも通じるところがあるような気がしますね。イッセイミヤケにはどれくらい在籍されていたのですか?
トータルで8年間在籍していました。始めに「Plantation」というブランドで1年半、イッセイミヤケのメンズを4年、その後レディスのニット部門を担当しました。ニットをやるようになったのも、前任のニット担当だった先輩が3ヶ月後に辞めるという話になり、「じゃあ引き継がなきゃ」とわからないままにその部署に入ったのがきっかけで、そこから8年間(ニットを)学んでいった感じなんです。

07SS Collection「The Secret Garden」
独立してソマルタを立ち上げたきっかけは?
ちょうど30歳になりましたし、いつかは自分のブランドを持ちたいと思っていたんです。仕事は慣れて来ると新しさが無くなってしまう。もっと向上したい、冒険心を忘れずにいたい、と思ったので、06年の3月に思い切って独立しました。
デビュー後はあっという間に注目を集める存在になりましたね。
JFWに支援してもらって昨年の9月に初めてコレクションに参加したのですが、特にビジネス面では何も知識が無かったので、誰がバイヤーなのかもわからない状態(笑)。そんな中でリステアのバイヤー柴田(麻衣子)さんが、ショーを見に来てくれて「感銘を受けたのでリステアで取扱いたい」と言ってくださったのが、その後のきっかけだと思います。最初はエクスクルーシブ契約でしたが、今ではデザインワークスや伊勢丹リ・スタイルなどで取扱いをして頂けるようになりました。


08S S Collection 「Engraver」
今年9月に発表された08年春夏コレクションについてお聞かせください。
今回は民族のリサーチからコレクション作りをスタートしました。特にポリネシアの民族の資料を見て、どうしてあのような体表現をしているのか、というようなことを考えたり。彼らの体に刻まれたタトゥーは民族によって意味合いが異なってくる。ある民族はお守りだったり、また他の民族は刑罰の印であったり。タトゥーと言っても一つにまとめられない。そこが面白いと思ったんです。ソマルタでタトゥーを作ったらどうなるか? その上に纏う服はどうなるか? というアイデアが浮かんだんです。
ソマルタと言えば、真っ先に思い浮かぶのが総レースのボディスーツです。今回も登場していましたね。
今シーズンは赤いトライバルを作りたかったんです。日の出がイメージで、そこに住む民族を想定してデザインしました。念頭にあったのは赤と黄金色の組み合わせ。当初はアフリカの民族をイメージしていたのですが、企画進行中に黄金の民族=日本ということを指摘されて。ヘアスタイルもどこかヤマトタケルや弥生時代の髪型を想起させます。本を読んだり、映像を見たりといった様々な記憶が混ざり合って一つになったんでしょうね。


「民族」というのはソマルタの根底に流れるテーマのようですね。
「民族」は大好きですね。私は旅が好きで、色々な国へ行っています。旅先では建物をよく見て歩きます。細かい細工の建物がとても好きで、色々な国で見たものからインスピレーションを得ています。ソマルタのファーストコレクションのテーマは「The Secret Garden(秘密の花園)」なのですが、これも独立する前に訪れたロンドンがきっかけです。イギリスってたとえどんなに小さな家でも必ずお庭が付いている。イギリスはどこに行っても庭なんだな、というところからスタートしたんですよ。

ソマルタのコレクションでは、SOMA DESIGNによる映像やグラフィックが展開され、演出も含めたコレクション全体で世界観を表現している。この画像は、07年春夏コレクション「The Secret Garden」のイメージ映像。
テーマと言えば、ソマルタはシーズン毎にテーマを変えるのではなく、1年間通して同じテーマというのも興味深いです。
実は独立する前に3年計画を立てました。A3の紙にどうゆうターゲットにするか、テーマ等を書き出して。その時に必ず「秘密の花園」はテーマにしたい、と思いました。ロンドンを訪れたのは寒い時期だったので、同じテーマで秋冬も春夏もやりたいと思って。「なぜ1シーズン(半年)で1テーマなんだろう?」と漠然と思い始めるようになり、通年で1テーマを完結できたら、より自分のイメージを印象付けられると思ったのです。半年で完結するには短い。同じテーマで違った解釈を2シーズン行えるというのは、私にとってはとても自然で魅力的なことだったんです。
確かに、テーマを深く掘り下げられるし、ご自身の中で完全燃焼できるというメリットはありそうですね。では3年間のテーマはもうすでに決められていると?
独立する時に決めたのは、まず3年間は継続すること。そうして多くの人に伝えていきたいということ。最初の3年間はボディスーツを基本に、定番として浸透させたいと思っています。人体が好きで、筋肉に沿ってどう布を乗せたら美しいか、ボディに合わせて良いバランスにするにはどうしたらいいか等、そうした人体の仕組みはこれからもずっと好きなものだと思うんです。今はボディスーツに注目が集まっていますが、次のステップはボディスーツの上に纏う服をもっと見てもらえるようになることですね。


07-08 A/W Collection「PROTEAN-The Secret Garden 2」イメージ映像より。



































