|
『LOVELESS』『Colour by Numbers』ヘッドコーチ。70年東京生まれ。97年ヴィンテージストア『IN THE POLICY OF TRUTH』を青山にオープン。青山の大人気レストラン『PARIYA』のオーナーという顔も併せ持つ。 contact LOVELESS Tel:03-3401-2301 Address:東京都港区南青山3-17-11 |
04年の衝撃的なオープンから、常にエキサイティングな驚きを世界中に与え続けているセレクトショップ、LOVELESS。これまでのセレクトショップの概念を覆した独自のショップ構成、内装、テーマ設定、セレクションは、ファッション業界のみならず、各界から大きな注目を浴び、さらに海外から訪れるさまざまなクリエイターたちの“観光名所”にさえなりつつある。3周年を迎え、「もっともっとパワフルに」店作りを行うと宣言する、ヘッドコーチの吉井雄一にLOVELESSのフィロソフィーについて話を聞いた。
Text:小柳美佳
3周年おめでとうございます。振り返ってみていかがですか?
とっても濃い、あっという間の3年間でした。消耗しながらエネルギー補給して行くという感じでしたね。7月中旬に秋冬物が立ち上がったのですが、立ち上がりの日が台風だったにも関わらず、前日からお客様が並んでくれて。最後のお客様が入店されたのは午後3時半。とてもありがたいと思うと同時に身が引き締まる思いがしました。その時にも色々なお客さ様がいるなと思ったんですが、オープン時からに層がだいぶ広がりましたね。

リニューアルをした今シーズンのLOVELESSの内装は、「都内中からかき集めた」というミラーボールがいたる所に吊るされたゴージャスな空間。
04年のオープン当時は内装も手伝ってか、ダークな印象もありました。
オープンして1ヶ月経ち、LOVELESS=スカルの店、というイメージがついてしまったことに気付いたんです。「ロックな人」がたくさん来るようになり、これはヤバい!と思って。このままこのイメージが定着するのは良くないと思い、次シーズンはマスターマインド・ジャパンとリバティーン以外、スカルモチーフを扱っているアイテムを一切買い付けるのをやめたんです。黒を排除し、プレッピーなジャケットなどを買い付け、思いきり違う方向へと振り切ったんです。もちろん、先シーズン同様「ロックな服」を期待していた方からすれば、希望通りの服が無いわけですから、このシーズンは悲しいぐらい売れなかった…。軌道修正するまで1年かかりましたね。LOVELESSのオープン後、巷に「ロックな服」がスゴく増えたんです。でも、そもそも「ロックな服」という表現自体おかしいですよね?(笑) ロックは精神であって、洋服のテイストではないですから。


04年のショップオープン時のLOVELESS店内の様子。
その中でもマスターマインド・ジャパンはずっと買い続けていますね。
そうですね。07-08年秋冬シーズンは、あえてマスターマインド・ジャパンを今までで最高額買い付けています。立ち上がり初日には150万円のファーコートが3枚も売れました。3周年を迎え、原点に戻るという想いと、自分の中でもう何をやっても大丈夫という確固とした“核”が出来たのだと思います。
LOVELESSのセレクションを見ていると、マスターマインド・ジャパンのようにストイックなムードを持ったブランドから、色使いなどがキャッチーなブランドまで実に多岐に富んでいますが、全体を通して見ると、実際に見て選んできた吉井さんの好きなブランドが集まっているというのを感じます。
そう思っていただけるとうれしいです。僕はLOVELESSのことを、セレクトショップでありながら、1つのレーベルとして捉えているんです。一見すると、様々なブランドが入っているようだけど、それらをLOVELESSという1つのレーベルとして表現したい。昨今、セレクトショップの数は本当に多いので、強い個性が無いとダメだと思っています。大好きか大嫌いか。極端なまでに強い個性を発揮しなくては。
その個性こそがお客さんに支持される理由なのでしょう。
僕自身、強いものが好きですし、マニアックに行くよりもわかりやすいことが大事。最近は特に、「ポップでありたい」と思っています。直球ど真ん中、“メジャー”であるということを大事にしていきたい。アンダーグラウンドはもうたくさん。
奇を衒うのは簡単なことですからね。
先日、安室奈美恵さんの新譜を買ったのですが、それがスゴく良かったんです。今が彼女の第二期黄金期と言えるほど素晴らしかった。10年間苦しんだ後、ここまで完成度の高い作品に仕上げる。しかもJ-POPというメジャーど真ん中のフィールドでそれを成し遂げてしまう。最高にポップだと思います。人間は努力次第で変われるから頑張らないと、と思いましたね。


3フロアから成るLOVELESSの店内。下の写真は1Fスペースにあるフランスのラゲージブランド『GOYARD』の売り場。
ところで、いつも色々なブランドを揃えているLOVELESSにおいても、今シーズン買い付けたアッシュ&ダイヤモンドにはいささか驚きました。また、まだ立ち上がって間もないドメスティック・ブランドなども買い付けていますね。
大舞台に上げてあげるだけで、輝ける人はいっぱいいると思っているので、そういう人たちが日の目を見る場としてLOVELESSが機能できれば良いな、という思いがあります。
その“輝ける人”を選ぶ判断基準は?
強いて言えば、僕は本物かニセ物かを見分けられる目を持っているのかもしれません。ニセ物とは、ファッションビジネスを利用して金儲けをしようと企んでいる人たち。一方で、ずっと買い続けているマスターマインドやグリーンは、服作りに非常に真面目に取り組んでいる。ある意味不器用なんだけど、そのピュアさがとても好きなんです。アッシュ&ダイヤモンドにしてもそう。担当者と話すと、服作りがスゴく好きでやっていると感じます。だから本物であることには変わりませんよね。極端な話ですが、たとえ素材や縫製が多少悪くても、服作りの本質に偽りが無ければ評価してあげていいと思っています。

LOVELESSのショーウィンドウにディスプレーされることは、多くのデザイナーにとっての夢。
その審美眼はどうやって養われたのでしょうか?
振り返ると、親の教育によるところが大きいかもしれません。子供の頃、親にまず最高級のものを食べさせられるんです。そして2回目は忘れないうちに同じ食べ物だけどランクの低いものを食べさせる。そうすると、子供ながらに味の違いに愕然とするんです。身につけるものもそうでした。母がカシミヤだけを扱うニットデザイナーだったので、子どもの頃からカシミヤの手触りと発色の良さを覚えてしまいました。そういった子どもへの教育が今の仕事に生かされていると思うので、親に感謝しています。あと、今の自分を形成した象徴的な出来事が1つあるんです。親の事業が順調だった時、僕はキャデラックで幼稚園を送り迎えしてもらっていたんです。でも不況になった途端、生活は一転。バス通学に戻りました。周りの人の対応も180度変わってしまった。その両極の生活を経験しているのが大きいと思いますし、苦しい時にも周りの人たちと変わらない関係を築けるようにしないとな、と痛感しましたね。




今シーズンのLOVELESSオススメブランドから。
(左上)「ジェン カオ」、(右上)「アリス+オリビア」、(左下)「グリーン マン」、(右下)「ギヨーム ルミエル」
さて、いよいよ4年目に突入し、ますますLOVELESSワールドの炸裂に期待が集まりますが、今後のヴィジョンはありますか?
今後はメジャーブランドを排除していく方向です。海外の展示会などで買い付けをしようとすると、有名ブランドをある程度店に入れていないと買わせてくれない、という状況が1年半くらいありました。でも、今はお店の信用がありますから、その辺は随分ラクになった。あと、ある程度成功したことで、そこからブレが生じてダメになっていったお店を、これまでにたくさん見てきましたが、うちはそうならないようにもっとパワフルに、5年目になってもブレない店作りを目指したいですね。「落ち着かない」がテーマです(笑)。変に大人にならず、いつも自分たちが楽しんでいなきゃいけないと思います。自分たちがドキドキするのが大事。「この時代にはLOVELESSというショップがあった」とあらゆるシーンから思われるような存在になりたいですね。




















LOVELESSの衝撃!
こんばんは。バイヤーのZOE-Xです。
今週は、ファッション界に激震が走ったあのニュースについて。
そう、それは現在日…