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スウェーデン生まれ。Stockholm Design Labでアートディレクターとして活躍後、03年に来日。東京のクラインダイサムアーキテクツにて、デザイナーとして仕事をする。04年より、フリーのアートディレクター/デザイナーとして、東京を拠点に活動。UAのCDジャケット、Swedish Style in Tokyoのカタログなどを手がけ、キユーピーディフェのCMで、06年度ADC賞を受賞。
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北欧・スウェーデンから単身日本にやってきたアートディレクター、ヨハン・プラグ。グラフィックデザインはもちろん、モーショングラフィックからインテリア、プロダクトデザインなども手がけ、初のCMディレクションを務めた「キユーピーディフェ」では、いきなり06年度のADC賞を受賞した。明確なヴィジョンと研ぎすまされたデザインセンスを武器に、国境をいう壁を軽々と超えるデザインを次々と生み出す彼のバックグラウンドに迫った。
Text : 浅沼優子
日本にきたきっかけを教えてください。
7年間、ストックホルムでアートディレクターとして働いていたので、どこかへ行って違うことをやってみたいと思ったんです。そのとき、日本が最も遠くて、最もヨーロッパと違っていて面白い場所に思えた。自分のポートフォリオを持って、初めて日本に来たのが4年前です。
実際の日本は想像されていたような国でしたか?
だいぶ違いましたね。ヨーロッパ人の日本観は常に3〜4年遅れているように思います。ストックホルムにいたときは、まだ「ピチカート・ファイヴ」とか「タイクーン・グラフィックス」くらいしか知りませんでしたから。実際は想像していたよりももっとエキサイティングで、素晴らしいエネルギーがあると思いました。それにとても住みやすい。
日本に来られてからしばらくは、クラインダイサム・アーキテクツにいらしたんですよね?
はい。彼らに最初のきっかけをもらいましたね。ポートフォリオを持って行ったら採用してくれて。最初は彼らのグラフィック・プロジェクトを手伝っていたんですが、そこからフリーランスになりました。その際もいろいろと協力してくれましたね。


『Breathe』/UA(2005) Victor Entertainment, inc.
AD:Tetsuya Nagato, PH:Takashi Miezaki(Femme), ST:Kyoko Fushimi, H:Tetsu(Sekikawa Office), M: UDA(Gunn’s)
UA作品のスリーブデザインを多数手がけている。これらの仕事がきっかけで、日本でも高い評価を得るようになった。
日本で活動しているからこそできることは何かありますか?
スウェーデンにいた頃から僕はかなり幅広い活動をしていたので…。最初はグラフィックデザインから始めたのですが、映像もやっていましたし、いろいろな分野をミックスしてやっていました。だから日本に来たときも、そういう風に幅広くやっていきたいと思っていたんです。実際にそうできているのは幸運なことですね。でも、各プロジェクトの進め方、コラボレーションの仕方などが全然違うと思いました。何がどう違うか説明するのは難しいんですが、今でも僕が一番苦労する部分です。言語の問題ももちろんありますが、やはり文化的な違いの方が大きいように思います。クライアントとの意思疎通がスウェーデンのように率直には行かない(笑)。
日本のクリエイティヴシーンについてどう思いますか?
東京のスゴいところは、全てが驚異的な速さで変化していくところ。街が常に変化している。それに伴ってクリエイティヴなシーンも変化が速いと思う。だから、今現在と言われると、よく分からないですね。でも、その変化のエネルギーというものが、ヨーロッパから来ると最初に気づくことです。デザインのシーンというのは、街の性格をよく反映するものだと思いますからね、みんなヨーロッパよりも長い時間働くし、より多くのエネルギーを注いでいると思います。それに比べて、スウェーデンの人間は実際に行動に移すよりも考えることに時間をかけているような気がします。
日本に来る前はずっとスウェーデンにいたのですか?
いや、ベルギーのブリュッセルに住んでいたことがあります。すいぶん前です。ベルギーが「クールでイケている国」になったのは僕が離れてからなので、ベルギーに住んだ経験は僕のデザインにほとんど影響を及ぼしていないと思いますよ(笑)。住んでいた頃はベルギーのファッション・シーンのことなども一切知りませんでしたから。

SVT ‘Existens’ Televisioin
Opening Sequence(Stockholm Design Lab for Sveriges Television)
スウェーデンのStockholm Design Lab時代に手がけたTV番組のオープニング映像。
デザインを学んだのは?
ストックホルムです。Beckmans School of Designで学びました。
あなたのスタイルはどのように確立されたと思いますか?
Stockholm Design Labという会社で約7年間働いたので、ここでの経験がほとんどだと思いますね。自分なりのやり方を編み出していったというか。スウェーデンの人たちは、もしかしたら日本と少し似ているところかもしれませんけど、常に外国で何が起こっているかを意識しているんです。そういう意味で、グラフィックデザインにおいて、「スウェーデン的」な伝統というのは特にない。それよりも、スイスやドイツ、ロンドンのシーンなど他のヨーロッパ諸国からの影響の方が大きいですね。
それは意外な答えですね。日本人はスウェーデンというと、独自のデザイン文化があるようなイメージを持っていると思うので。
ファニチャーデザインに関してはそう言えると思いますけど、グラフィックデザインは違いますね。それに、今のグラフィックデザインの現場はますます国際的になって来ていますから、作品を見てもどこの国のものかは分からなくなってきているんじゃないでしょうか。


Swedish Style In Tokyo 2004 Event Catalogue
通常、デザインのインスピレーションはどこから得ますか?
他のデザインから得る事がないのだけは確かです(笑)。他の人のデザインにはほとんど興味がなくなりましたね。それよりも写真だとか、アートから刺激を受けます。
では、ギャラリーや美術館によく行かれるんですか?
なるべく行きたいとは思うんですが、なかなか行けないのが現状です。ですから、好きなフォトグラファーの作品や、映画を見ることの方が多いですね。他のどのデザイナーよりも、フォトグラファーのリチャード・アヴェドンから受けた影響が大きいと思います。今は雑誌にしろインターネットにしろ、デザインに関する情報が溢れていますから、簡単にデザインのインスピレーションは得られてしまう。だから逆に自分だけのインスピレーションを探すことが大切だと思いますね。
デザインをする上で、常に重視していることやポリシーなどはありますか?
「明確さ(clarity)」ですかね。一つの明確なアイディアを伝えること。そして、他の無関係な装飾を足す事なく、そのアイディアを見失わないことです。それを「シンプリシティ」と言う人もいますが、ただそれだけではないんです。「率直さ」と言った方がいいかもしれません。一つのことをはっきりと伝えることを意識しています。その一つのアイデアをどこまで引き出すことが出来るか、ということをいつも考えます。
特に印象に残っている日本での仕事は何ですか?
個人的にはキユーピーの仕事にとても満足していますね。テレビCMのディレクションを手掛けたのですが、僕にとっても初めての経験だったので、プレッシャーもあったし苦労もしましたが、すごく楽しんでやることができました。出来上がった作品もそうですが、他の人たちとのコラボレーション、作り上げる過程そのものがとてもいい経験になりました。今までにないくらい、とてもスムースに進んだんです。あとは、僕がフリーランスのデザイナーとしてやり始めたばかりの頃、MI-ZO(Zoren Gold & Minori Murakami)とコラボレートしてやったUAのジャケット・デザインなどですね。それが日本で活動していく上で重要なきっかけにもなったので。


キユーピーディフェ
Commercial Film / Light Publicity Co., Ltd. for Kewpie
CD:Sho Akiyama, PH: Saori Tsuji, ST:Toshio Takeda
初のテレビCM監督を務めた「キユーピーディフェ」の仕事で、06年度のADC賞を受賞した。
今後はどのようなプロジェクトをやってみたいと考えていますか?
ぜひ、テレビCMの仕事にまた挑戦していきたいですね。ずいぶん長い間デザイナーとして仕事をして来たので、新しい領域に足を踏み入れることが楽しいんです。キユーピーの仕事も、今までとは違うことをやってみるいい機会だと思って取り組みました。キユーピーさんのようなクライアントがいれば、ぜひまた挑戦させてもらいたいです。今後も様々な仕事をミックスしていくと思いますが、今は映像に最も興味がありますね。それも変わっていくと思いますけど(笑)。






















