本日からのフィギュア製作プロセス『芯造り』に準えつつ、自らの『芯造り』となった「工房勤め〜丁稚編。」をつらつらと書き記しつつな感じでいよいよいそいそと製作メソッドをご開陳。
見よう見まねでなんとなくな感じで全然OKですので、興味頂けましたら適当適温な頃合いで粘土練りなどをご一緒いかがと願ってます。
社会に出て初めてありつけた役割は工房の鍵開け&掃除係だった。
川崎と高円寺に工房を構えるその会社は、どうやらガンプラを組み立てるだけの会社では無いようだ。こないだまで作業机に並んでいたガンプラの山は、きれいすっかり無くなり、変わりに建築図面らしき書類の山に色とりどりの紙の束。プラスティック板の傍らには不思議な形をした定規とカッターナイフが散乱。大机の角には「シリコン」と明記された円筒形の缶と計量カップにデジタル量り。床にはヤバそうな溶剤が入った一斗缶が多数。その周りの床々に積もり積もった見た事も無い樹脂の粉塵を目の当たりにすると、どれがゴミでどれが必要なモノなのか全く判別がつかなかった。
掃除一つも満足に全う出来ない自分を恥じ顔を赤らめキョドリながら作業準備担当のツッチーさんの後をくっついて回ってみた。朴訥と実直を粘土で捏ねてこしらえたようなルックスのツッチーさんはテキパキとした体さばきで幾種類もの工具と材料を選り分けてはキッチンのやかんで皆の麦茶をこしらえたりしている。金魚の糞のように着いて回る僕の動揺を悟ったように簡単なモノから指示をくれ、専務や社長や職人さんの人となりやクセ等を楽しそうに語ってくれながらモノの十数分で作業机のカオスを整頓してしまった。
結局僕は何の役にも立たなかったワケだが、綺麗になった作業机に腰掛けて、いれたばかりの生温い麦茶を啜りながら一仕事終えた気になって他の職人さんを待ちながらツッチーさんと談笑した。映画が大好きで特撮美術や映像美術に携わっている事を誇らしげに語る彼を速攻で尊敬して好きになった。カッコいいと思った。
僕が何をやりたいのか何が好きなのか何を求めてやって来たのか聞かれたが、上手く答える事が出来なかった。そもそもガンプラを組み立ててお金を貰えること自体、僕にとっては冗談とすら感じていた訳で、立体造型という仕事がどういったモノを指すのかでさえ全く想像する事が出来なかった訳で、ちょっとだけ興味が有る事と言えば音楽くらいだったので、本気で自分の生業を勤め上げる先輩を前にしてはとてもじゃないけど恥ずかしくて自分の事など話せるワケ無かった。
今となっては、同じような質問を後輩や生徒さんに投げかける機会も多々あるのだが、当時の自分に比べると随分立派に答えてみせる若駒達を見るにつけ、その度に思い出し恥ずかしをして、なぜだか耳が赤くなったりしながら先輩面した自分の真ん中に生えた天狗の鼻の勃起を両手で隠しながら中腰になりたくなるものだ■(続く)

左上段より:●ワセリン(手指やスパチュラ等に塗り、エポキシパテの混ぜ合わせや造型時のベタつきを押さえる。また、パーツの仮止めの際、離型剤として使用。メンソレータム等でも可。)●アルミ線:(曲げ、切断が容易なため芯材として使用。造型サイズによって1.5mm~3mmを使い分ける。)●ニッパー・ペンチ(アルミ線の曲げ加工、切断等で使用。)
中上段より:●ピンバイス(0.1MM〜3mmまでの穴空け加工道具)●カッター・デザインナイフ(切削加工道具)●スパチュラ(造型用ヘラ。造型専用の他、歯科技工・彫金用のものも流用可。様々な形状があるが、ナイフとスプーンが対になったタイプを愛用。)●スーパースカルピー(人体表現等の製作に適した樹脂粘土。伸びが有りヘラ離れが良く常温環境では硬化しない為、長時間に渡る作業が可能だが、エポキシパテや石粉粘土等に比べて脆く、硬化後の耐久性は低い。140℃→15分程で硬化。)●ウェーブエポキシパテ軽量タイプ・ミリプットエポキシパテ(盛りつけ、切削加工に優れ、丈夫。常温2〜3時間で硬化。商品原型製作等でポピュラーな粘土)
右:●セメダイン・エポキシパテ木部用(芯の製作工程で使用。硬化時間が早い。)

メチクロの特徴的な製作手法として、基本的にイメージラフ等を描かない。空間イメージとインスピレーションを軸に製作。まずは各パーツの骨格となる芯から製作開始。2.5mmアルミ線を曲げ束ねる。人体の骨格を意識しながらポージングを決定。

手指にワセリンを塗り、軽量エポキシパテまたは木部用エポキシパテの主剤・硬化剤を1:1でしっかりと混ぜ合わせる。軽量かつ硬化時間が20〜30分のタイプなので芯素材に適している。

アルミ線の骨格にエポキシパテを盛る。最終的なフォルムには影響ないが、この時点である程度の骨格組成を意識しながら盛りつける。通常1時間弱で硬化するが、手早く作業を進める場合は温度調整機能付きのオーブンを使用して100℃→5分程で硬化。冬場等はストーブ等でも代用可。

硬化後の芯パーツ。粘土のみでは形状を保持する事が出来ないため、必ず芯を造る必要がある。ここから徐々に粘土を盛りつけて行く。
>続きはTerm2で。
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メチクロ[[MHz head office]/スクラッチビルダー
立体造型・グラフィックデザイン・雑誌編集・漫画編集・各種プロデュースetc…。フィールドを問わず暗躍する特殊技術者。マンガカルチャーマガジン『MHz』編集長/ピンホールエンタテイメント・クリエイティブディレクター/美学校『スクラッチビルダー養成講座』講師/ CANADA vs JAPAN LIVEPAINT EXPO プロデュース@愛知万博2005/ホビージャパン別冊『S.M.H. Sensational Model & Hobby』vol.1~ vol.18フィギュア造型連載/『BASTARD!! ~暗黒の破壊神』完全版4巻カバー用オブジェ製作/TRI-MIX @AIR『KAMI x Matic-log x L?K?O』オブジェ制作&アクトetc…。
www.m-hz.net/











